自転車競技にはいくつか種類があります。特に、一般の道路がレースの舞台となる「ロードレース」は自転車競技の中でも、最も人気がある競技です。
毎年7月に開催され、3週間に渡ってフランス国内でレースが繰り広げられる「ツール・ド・フランス」という自転車レースは、ロードレース界の中でも最高峰のもので、トップクラスの選手だけがこのレースへの出走ができるというレースです。
では、「ツール・ド・フランス」に出場するようなトップクラスのロードレース選手になるには、どうしたら良いのでしょうか。
自転車に正しく乗れるようになること
まずは自転車に乗ることができなくては、話が始まりません。そして、ロードレースのトップ選手になろうと思うなら、自転車に正しく乗ることができるようになる必要があります。
まず、自転車に乗るときにはヘルメットと手袋を必ず着用すること。そして、自転車で「真っ直ぐ走る」・「曲がる」・「止まる」ことが正しくできるようになること。この2つがトップ選手になる最初の条件になります。
自転車というのは、素人が乗っても時速20km以上のスピードを出すことができる乗り物です。転倒の危険性が常にあるため、自転車を安全にコントロールできなくては、自転車選手として活動することはできません。
いろいろなスポーツをして、心身を鍛えること
スペインなどで、自転車のプロ選手や元プロ選手がよくこのように話します。
「子どもたちには、15歳位までは、サッカー・体操・ダンス・水泳など様々なスポーツを体験させて、その中の一つとして自転車を楽しめるようにしてください。10代後半くらいになって、その子供が自転車に乗るのが他のスポーツよりも大好きなことがわかった時に、自転車レースに出場するようにすると良いでしょう」
幼いうちから自転車ロードレースだけに集中してトレーニングやレースをすることは、子供の心身に負担をかけ、バランスの取れた成長の妨げになることがあります。それを避けるために、子供が小さいうちは様々なスポーツを経験させることを推奨しているのです。
また、自転車レースは肉体的にはもちろん、200人がスタートしても優勝者は1人しかいないという、精神的にもかなり過酷なスポーツです。そのため、本当に自転車に乗るのが好きな人だけが、レースやトレーニングを続けるためのモチベーションを保つことができます。
このような心身の燃え尽きを防ぐため、特に子供には様々なスポーツを経験させて、ロードレースもその中の一つという位置づけに置いたほうが良いでしょう。
レースに出走して、自分の特徴を知ること
大人も子供も、自転車に乗ることが好きな人がロードレースに出走したいと考えるのは、自然な流れです。レースに出るようになったら、レースで優勝することを目指すのはもちろんですが、それ以上に「自分がどのような特徴を持つ選手なのか」ということを知る必要があります。
まず、自分がスピード勝負ができるスプリンタータイプなのか、あるいは山の上りで力を発揮できるクライマータイプなのか。
もしもスプリンタータイプであれば、平地をハイスピードで走り続けることができるタイプなのか、あるいはゴール前に多少の上りがあっても苦労しないで、スプリントし続けることができるタイプなのか。
もしもクライマータイプであれば、斜度が急な坂が得意なのか、あるいは斜度はそれほどなくても、距離の長いだらだらと続く坂のほうが好きなタイプなのか。あるいは距離は短くて斜度のある坂のほうが、力を発揮できるタイプなのか。
こうした自分の特徴を詳しく知ることで、自分が勝つことができるレースの傾向というのがわかってきます。そして自分の特徴に適したタイプのレースに出走することで、勝利の可能性を上げることができます。
国内外のチームとコンタクトをとり、自分を売り込むこと
そして、特にロードレースの選手として活動するためには、どこかのチームに所属する必要があります。チームに所属するには何らかのスカウトを期待することもできますが、特にプロの選手になりたいと思う人は、自分をチームに「売り込む」必要が頻繁に出てきます。
「自分がどのような選手で、過去のレースにおいてどの程度の成績をあげているのか」ということを、チームにプレゼンする形で、自分を売り込むわけです。
その為には、様々なチームにコンタクトを取るための語学力やコミュニケーション能力というのも必要になります。同時に、どこのチームがどのような選手を探しているのかということを知るための、「情報網」も必要になります。
今の時代であれば、SNSなども活用し自分の情報を発信して、多くの自転車関係者の目に触れるようにしておくことも、チームを探すためには有効な手段になります。
そのようにして、自分にあったチームに所属し、勝利を重ねていきながら、出走するレースのカテゴリーを上げていくことが最も着実にトップに近づく方法となるでしょう。
まとめ
ロードレースのトップ選手になるには肉体的な強さはもちろん、精神面でもタフでなくてはなりませんし、外国のチームと交渉できる語学力や情報網も必要です。
自転車に乗ることはもちろん、自分ができることを確実に増やしていくことが、ロードレースのトップ選手になるために最も必要とされていることなのです。
【関連記事はこちら】⇩
・ロードレースの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】
・プロトライアスリートになるには!?活動内容についても解説!