2015年の国連サミットでの採択以来、日々の生活の中で「SDGs」について耳にしたり目にしたりするようになりました。
SDGs目標達成へ向けた活動はさまざまな業界で積極的に取り組まれており、スポーツ業界においてもSDGsに関連した取り組みが行われています。
この記事ではスポーツとSDGsの関係、「スポーツSDGs」について解説します。
スポーツSDGsとは?
スポーツを通してSDGsの目標達成に向けて取り組む活動を「スポーツSDGs」といいます。
スポーツSDGsはスポーツ庁を中心に、企業や団体が連携して活動を行っており、スポーツのもつ人々を集める力や人々を巻き込む力を使って、SDGsの認知力向上、社会におけるスポーツの価値のさらなる向上に取り組むことを目標に掲げています。
また、SNSを利用したスポーツSDGsの普及活動も積極的に行っており、個人や団体(企業)が、ハッシュタグ「#SportsSDGs」を使い、SNSでスポーツSDGsの取り組みを発信し、スポーツSDGsの認知度を上げ、スポーツSDGsをより大きな活動にしていくことを目指しています。
スポーツSDGsの取り組み事例
スポーツSDGsでは、SDGsの各目標に合わせたさまざまな取り組みが実施されています。
アディダス×スポーツSDGs
スポーツメーカーのアディダスは、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に関連した取り組みを行っています。
アディダスは、深刻化するプラスチック廃棄物の問題に着目し、プラスチック廃棄物を再利用して、新たなリサイクル素材を生み出し、リサイクル素材を使用したスポーツウェアを生産しています。
回収されたプラスチック廃棄物は、未使用プラスチックのもつ全ての品質を備えた高品質な素材へと生まれ変わります。
アディダスは、2024年までに製品に使用する素材をすべて、リサイクルポリエステルへ切り替えることを宣言しています。
ミズノ×スポーツSDGs
スポーツメーカーのミズノは、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、積極的にSDGs活動への取り組みを行っています。
対ベトナム「ミズノヘキサスロン」運動プログラム導入普及促進事業では、ミズノ独自の子ども向け運動プログラム(ミズノヘキサスロン)をベトナムの初等義務教育に導入する取り組みを進めています。
ベトナムでは、先進国に比べて体育の授業(義務教育)が少なく、子どもたちに対する運動プログラムの不十分さが課題とされていました。
ミズノ独自の運動プログラムを通して、基本的な運動動作を安全に、楽しく身につけ、ベトナムの初等義務教育に貢献しています。
このプログラムでは、SDGs目標の、3「すべての人に健康と福祉を」、4「質の高い教育をみんなに」、5「ジェンダー平等を実現しよう」、17「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成を目標としています。
ごみ拾い×スポーツSDGs
スウェーデェン発の「プロギング」とよばれるスポーツは、ゴミ拾いとジョギングを組み合わせたスポーツです。
2016年からスウェーデェンで始まったスポーツ(活動)ですが、現在では100カ国以上で広まるほど、世界中で人気のあるSDGsスポーツとなっています。
プロギングの人気の理由は、ゴミ拾いを通して社会貢献(SDGs貢献)できるだけでなく、体を動かして街がキレイになり、心身ともに健康的で、充実感を得られることに人気の秘密があるそうです。
仲間の一緒に健康的にSDGs活動へ貢献できる新しいスポーツです。
プロギングを通して、SDGs目標の、3「すべての人に健康と福祉を」、11「住み続けられるまちづくりを」、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かさを守ろう」、17「パートナーシップで目標を達成しよう」など、たくさんのSDGs目標に向けた活動に貢献できます。
スポーツを通してSDGsに貢献
スポーツSDGsへの取り組み方は、さまざまです。
前述したスポーツSDGsの具体例からも分かる通り、スポーツはSDGsのあらゆる目標と組み合わせられる多様性をもっています。
スポーツは、国や言葉の壁をこえて繋がることができるツールであり、スポーツで得られる経験や感動は世界共通です。
スポーツのもつ可能性を活かし、すべての人が平等に健康的で暮らせる社会を実現していくために、スポーツSDGsは今後もあらゆる場面で社会に貢献していくことが期待されます。
まとめ
スポーツSDGsは、個人団体(企業)問わず、あらゆる場面で取り組まれていることが分かりました。
SDGsへの取り組みは一人ひとりの意識が重要であり、たとえ些細なことであっても行動に移していくことが大切と考えられています。
スポーツSDGsについて理解を深めることで、今まで気づかなかった発見があるかもしれません。
スポーツSDGsは難しいことのようで、誰でも取り組むことのできる活動です。
普段使用しているスポーツ用品をリサイクル素材が使用されているものに変えてみたり、個人でも参加できるスポーツSDGs活動に参加してみたり、自分のできそうなことからスポーツSDGs活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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