海水浴場やプールでよく見るお仕事がライフセーバー。
高い椅子に座っている水着の人というイメージの方が多いのではないでしょうか。
このライフセーバー、その名の通り溺れている人の命を救う職業ですが、実はやるべきことはそれだけではありません。
今回は、ライフセーバーの仕事内容をご紹介。
必要なスキルについても解説します。
ライフセーバーとは
ライフセーバーとは
ライフセーバーは、水辺で起こる事故を防ぎ、万が一事故が起こった場合は救助活動を行う職業。
この「事故を防ぐ」という部分が実は重要なのです。
事故を防ぐ
海やプールでの水難事故を未然に防ぐことがライフセーバーの重要な役割。
海水浴場が開く前には、天候や海岸地形のコンディションチェックを行います。
そして波が高いときや天候が荒れているときには、海へ入る海水浴客に注意喚起をするのも仕事。
危険が少ないと判断されたときでも一瞬も集中力を切らさず監視をします。
特に注意を払って見るのは、以下のような人たち。
・一人だけ、または子どもだけで泳いでいる
・流された浮き具を追いかけている
・シュノーケリングに夢中になっている
・沖合から長時間戻ってこない
・遊泳禁止区域に向かっている
このような行動をしているとライフセーバーは注目せざるを得ませんから、海浜やプール全体の安全がおろそかになりがち。ぜひ慎みたいものです。
またライフセーバーは危険な生物の発生状況もチェックしています。
さまざまな生物への対処法も知っていますから、クラゲなど危険な生物が打ち上げられているのを発見したときは、触らずにライフセーバーに報告するようにしてください。
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人命救助
高い椅子に座っているライフセーバーは、遊泳客に危険がないか、水難事故が発生していないかをしっかり監視。
溺れている人を発見したら即座に救助し、必要に応じて人工呼吸や心臓マッサージなどを行います。
被害の状況によっては救急車を要請することも。
素早く判断して対応するのもライフセーバーに求められる役割になります。
浜辺の環境保全
浜辺の清掃活動をするのもライフセービング活動のひとつ。
これは缶などのゴミやガラスのかけらなどで海水浴客がケガをしないためという意味もあります。
迷子の保護
迷子になっている子どもを保護するのも重要な仕事。
保護をした場合、その海水浴場などに迷子センターがなければ、つきそって保護者を探すことになります。
また小さな子どもから目を離しがちな保護者にはさりげなく注意をすることも。
このようにして迷子の発生を防いでいます。
泥酔者への注意
海やプールでは酒を飲んで泳がないのがルールですが、それを守らない人も。水辺で泥酔することは大変危険ですから、泥酔者が海やプールに入らないよう注意喚起を行うこともライフセーバーの仕事になってしまいます。
資格を持ったライフセーバーは泥酔者への対応もマスター。救急車を呼ぶ判断基準がしっかりありますから、水辺で酔っ払うと救急車を呼ばれて大ごとになるかもしれません。
絶対にしないように心がけてください。
啓蒙活動
ライフセーバーとしての技術や知識の向上に努めること、つまり日々の訓練もライフセーバーの重要な業務。
また水辺での安全な行動、ライフセービングの啓蒙活動も仕事になります。
多くの人がライフセービングの技術と心構えを知れば、それだけ助かる命も増えるはず。ライフセーバーはそのための普及活動にも努めているのです。
競技ライフセービング
ライフセーバーとしての技能を磨くためにライフセービングスポーツに打ち込む人もいます。
ライフセービングスポーツはオーシャン競技とプール競技の2種類。
その中にもたくさんの競技が存在します。
オーシャン競技の例
アイアンマン(アイアンウーマン)レース
沖合のブイまで「スイム」「パドルボード」「サーフスキー」で往復する競技。
サーフスキー・レース
サーフスキーを使い250m離れたブイまで往復する競技。
ラン・スイム・ラン
200m走り、120m先のブイまで泳いで戻り、200m走る競技。
レスキューチューブ・レース
4人1組で救助を行う競技。
レスキューボード・レスキューレース
2人1組でレスキューボードでの救助を行う競技。
ビーチ・フラッグス
20m先のフラッグを取る競技。
CPR(心肺蘇生法)コンテスト
心肺蘇生法の技術・速度・正確性を競う競技。
プール競技の例
障害物スイム
200m自由形でネットの下を潜って泳ぐ競技。
マネキン・リレー
4人1組でマネキンを25mずつ泳いで運ぶ競技。
ライン・スロー
12m先にいる救助者へロープを投げて30秒以内に助け出す競技。
他にも実際の救助活動を模したたくさんの種目があります。
ライフセーバーに必要なスキル
ライフセーバーに必須の資格はありませんが、現実的には必要な技能と知識を得るためにも、日本ライフセービング協会の講習会に参加して資格を得るのが一般的。
その際には必要な泳力を備えていることが受講の条件となります。
例えば上級のアドバンスド・サーフライフセーバー資格を受講する条件は以下の通り。
・800m:14分以内
・50m:35秒以内
・潜行:25m以上
・立ち泳ぎ:10分以上
この条件をクリアするだけの泳力は最低限のスキルとして必要になります。
また体力・持久力があること、判断能力が優れていることも重要です。
まとめ
海やプールで人命を守るライフセーバー。
実は最も求められるスキルは責任感があることです。
海が好き、またはカッコよく人命救助したいといった動機で始めても、海を楽しむどころではなく、事故を防ぐ注意喚起や啓蒙活動、清掃活動といった、ある意味で地味な仕事がメインになります。
しかも日々の訓練は過酷。
ストイックで責任感のある人にしか続けられない、崇高な仕事なのです。
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