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【プロ野球】自由契約とは?戦力外通告との違いも解説!

プロ野球のシーズンオフのニュースを賑わせる言葉が「自由契約」。
同じような時期に聞く言葉には「戦力外通告」「退団」「任意引退」「ノンテンダー」などがあります。
この自由契約、いったいどういう意味で、他の言葉とはどのように違うのでしょうか。
今回は、自由契約の意味について解説します。

【プロ野球】自由契約とは

自由契約とは、プロ野球選手が特定の球団に所属していない状態のこと。
より正確には「支配下に置かれていない」という意味で、どのチームとも自由に選手契約をすることができる状態のことを表しています。

自由契約に関するルール

自由契約に関する日本プロ野球機構の規定は、以下のようになっています。

野球協約第58条(自由契約選手)
選手契約が無条件で解除され、又はこの協約の規定により解除されたと見做された選手あるいは保留期間中球団の保有権が喪失し又はこれを放棄された選手は、その選手、球団のいずれかの申請に基づいて、又は職権により、コミッショナーが自由契約選手として公示した後、いずれの球団とも自由に選手契約を締結することができる。

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自由契約の意味

野球協約の表現はとても難解。そこでより噛み砕いて解説します。
日本ではプロ野球選手の契約期間は基本的に2月1日から11月30日までと決まっています。
そこで球団が「この選手と来季の契約をしない」と判断した場合、球団は契約期間が切れる12月に自由契約選手として公示します。
自由契約が公示された選手は、他球団との交渉が可能な状態に。そのため「自由」「契約」と表現されるのです。
一方、自由契約ではない場合はどうなるのかというと、野球協約68条2項によって、選手は所属している球団以外の球団に移籍することはもちろん、交渉をすることもできないと決まっています。つまり球団は支配下選手を自由契約にしない限りは、独占的に契約・交渉できる権利を持っているのです。
支配下選手を自由契約にする意味は、その独占権を放棄するということ。
選手にすれば、他の球団とも自由に契約する機会を与えられたとも言えます。
ちなみにメジャーリーグ(MLB)など海外では自由契約をFA(Free Agent)と表現。しかし日本ではFAは自分から宣言する権利のことを指すため、自由契約とは明確に区別されています。

自由契約になる流れ

自由契約は他球団と自由に契約できるのだから選手にとって良いことなのかというと、決してそのようなことはありません。
一般的には、球団に所属している選手が球団から戦力外通告を受けることが始まり
選手は現役を引退するか、または現役続行を希望するかを自ら選択します。
そして現役続行を希望した場合、12月1日に自由契約選手として公示され、トライアウトを受けるなどして他球団への入団を目指します
しかしトライアウトでどこかの球団に認められ、契約できる可能性はごくわずか。かなりの確率で事実上の引退となってしまうのです。
また戦力外ではないけど来季の選手契約を通達しないノンテンダーとなった選手も、自由契約になります
こちらもまずはトライアウトや交渉で他球団入りを目指すのが一般的。または年俸大幅ダウンで現在の球団と再契約することになります。
自由契約選手は所属していた球団以外とも交渉して入団できる状態ではありますが、その道はとても厳しいのです。

【プロ野球】自由契約と戦力外通告との違い

流れからも分かる通り、自由契約と戦力外通告は違うもの。また似たニュアンスで任意引退という言葉もあります。
では戦力外通告や任意引退とはどのような意味なのでしょうか。

戦力外通告の意味

戦力外通告とは、球団が「あなたは来年度の戦力構想に入っていません」と選手に通達する行為のこと。
その時期はいつでも良いわけではなく、ルールで以下の2つの期間に決められています。

第1次通告
10月1日からクライマックスシリーズ開催前日までの期間
第2次通告
クライマックスシリーズ終了の翌日から日本シリーズ終了の翌日までの期間
ただし日本シリーズ出場チームは、終了から5日間以内

この期間に決まっているのは、11月に開催される12球団合同トライアウトに間に合わせるため。
この期間を過ぎると選手には他球団にアピールする機会がほとんどなくなるため、救済措置として戦力外通告の時期は厳密に決められているのです。
一方、通告という言葉から分かる通り、戦力外であると告げるのは球団側。選手の方から「来年は自分を戦力から外してください」と言えるものではありません。
来年度の戦力や他の選手との兼ね合いを考慮した上で、球団が一方的に選手に通告。時期が近づくと戦力外ギリギリラインの選手は戦々恐々とすることになります。

任意引退

戦力外になった選手は全て自由契約になるのかというと、そうではない場合もあります。
例えば任意引退がそのパターン。
任意引退は現役引退を選手自らが希望することで、任意引退選手は他の球団とは契約できない決まりになっています。
一般的には選手側から球団に理由を記した引退申請書を提出し、コミッショナーが正当なものと判断すれば任意引退選手として公示される流れ。
しかし球団が「戦力外ではあるがコーチやブルペンキャッチャーなどの役割で球団に残ってほしい」と考えている場合、戦力外通告と合わせて相談し、任意引退という形にすることもあるのです。
ただし2009年以降の任意引退選手は、公示後3年で自由契約扱いになるという決まりもあります。

まとめ

戦力外通告を受けてなることが多い自由契約選手。
自由という言葉とは裏腹に選手は厳しい選択を迫られることになります。
一方でそこから見事に復活した選手も。
自由契約となった選手のその後のドラマにも注目です。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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