スポーツドクターの仕事は、アスリートやスポーツ愛好家の人たちを陰で支えること。
ケガや故障といった危険と隣り合わせのスポーツの世界で良いコンディションでパワーを出せるのは、スポーツドクターの存在があってこそです。
そんなスポーツドクターに憧れているという人も多いのではないでしょうか。
今回は、スポーツドクターになる方法や、その給料について解説。
プロチームに帯同するトップレベルのスポーツドクターになる方法もご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
スポーツドクターになるには?
そもそもスポーツドクターとは、アスリートやスポーツ愛好家の人たちに対するケガの治療や、診療を行う医師を指す言葉です。
一定レベルのパフォーマンスが継続的にできるよう、外科内科の両側面からサポートしてくれます。
また、ときにはメンタルヘルスについてもサポートしてくれるため、まさに心身の健康が大切なスポーツには欠かせないスペシャリストだといえるでしょう。
そんなスポーツドクターになるためには、医師免許に加えて、違う資格が必要です。
以下、3種類ある資格の特徴や取得方法をご紹介します。
1)日本スポーツ協会公認スポーツドクター
・特徴
1982年、日体体育協会(現在の日本スポーツ協会)が制定した資格です。
アスリートの健康管理に加えて、ケガの予防や診断、治療、競技能力向上に関するサポートまで、全般的に担当します。こちらの資格は4年ごとに更新が必要です。
・取得方法
取得条件としては、医師免許を取得してから4年経過していることが求められます。
また、日本スポーツ協会やその加盟団体などからの推薦も必要です。
この条件を満たしたうえで、スポーツ医学についての講習を受講することで認定が完了します。
2)日本整形外科学会認定スポーツ医
・特徴
1986年、日本整形外科学会が制定した資格です。スポーツ中のケガや障害の予防、診断、治療を実施します。
また、アスレチックリハビリテーションの指導を行い、競技への早期復帰ができるようにサポート。老若男女問わず、幅広いアスリート、スポーツ愛好家を支えます。
・取得方法
取得条件としては、整形外科専門医の資格を取得している医師であることが前提条件です。
スポーツ医学の研修会を受講することで資格取得が可能。資格更新は5年ごとと定められています。
3)日本医師会認定健康スポーツ医
・特徴
1991年、日本医師会によって制定された資格です。
運動やスポーツをする一般市民を対象として、メディカルチェックや医学的診療、運動に関する指導・処方を実施。高齢化社会を迎えている中、健康寿命の延伸に対して貢献しています。
・取得方法
取得条件は医師であることのみで、日本医師会や、各地域の医師会が開催する健康スポーツ医学講習会を受講することで、資格を取得できます。
他の2つの資格と比べても、最も取得が容易な資格だといえるでしょう。
スポーツドクターには3つの種類がありますが、どの資格に関してもスポーツや運動をサポートしてくれるという面で、とても重要な役割を持っていることが分かります。
スポーツドクターの年収
ここからは、気になるスポーツドクターの給料についてご紹介します。
スポーツドクターの平均的な年収は、658万円~869万円だといわれています。
平均月収では、20代で34万円、30代で52万円、40代で76万円。年代とともに、着実に平均年収がアップしていることが分かります。
また、医師免許の取得後は、2年間の前期研修、3年間の後期研修の計5年間の研修期間が求められます。前期研修では、配属された病院で実地研修。
その後は、勤務医として働く選択肢もありますが、3年間の後期研修を受けて、専門分野について深く学ぶ医師が多いとされています。
スポーツドクターになりたい場合は、整形外科医を志すのが一般的です。
スポーツドクターとしてプロのチームに帯同するためには?
プロチームのスポーツドクターとして帯同し、選手たちをサポートしたいという人もいるのではないでしょうか。
その場合は、3つあるスポーツドクターの資格すべてを取得しておくと良いでしょう。
例えば、ラグビーの日本代表クラスのチームのスポーツドクターになりたい場合は、最低でも日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格を取っておくことが必須です。
ここでは、チームスポーツであるラグビーとサッカーの2つの競技のスポーツドクターを例に、その役割をご紹介します。
1)ラグビーのスポーツドクター
・チームドクター(TD)
所属するチームメンバーの練習や試合での外傷や内科的な治療まで、全般的なサポートをします。
・マッチデードクター(MDD)
ラグビーやアメフトなどの激しい身体的な接触が伴うスポーツで、主に担当となるスポーツドクターです。
試合中はグランドに立っており、試合中の脳しんとうの判断や、止血の確認、チームドクターのサポートなどをします。
2)サッカーのスポーツドクター
・チーム所属のチームドクター
特定のサッカーチームに所属して、選手に対して医療的なケア、サポートをします。
・日本サッカー協会帯同ドクター
日本代表チームが編成された際に、選手に対する医療的なケア、サポートをします。
主な業務内容としては、チーム所属のチームドクターと大きく変わりませんが、活動期間や対象とする選手に違いがあります。
このように、実はスポーツドクターには細かなカテゴリー分けがあるのです。
スポーツドクターになりたい場合の実践的な方法として、例えばラグビーであれば、協会の医務委員に登録してマッチデードクターとしてキャリアをスタートさせるといった方法もあります。
いずれのスポーツに関しても、選手を全力でサポートしてくれるスポーツドクターなしには、競技ができないと言えるでしょう。
まとめ
今回は、スポーツドクターになる方法やその給料、さらにプロチームに帯同する方法までご紹介しました。
プロからアマチュアまでスポーツや運動を愛する人々を支えるスポーツドクターは、胸を張って誇れる職業の1つです。
気になったという人は、ぜひ今回の内容を参考にスポーツドクターを目指してみてはいかがでしょうか。
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