レッグプレスは、ほとんどのトレーニングジムに置いてあるマシン。
脚を鍛えるトレーニングマシンで、本気のボディビルダーもよく使います。
しかし実はレッグプレスは、あまり筋肉を大きくしたくない女性や、足腰が弱ってきたお年寄りにも向いているマシン。
しかもたくさんのメリットがあります。
今回は、レッグプレスについて解説。
正しい使い方やフォーム、適切な回数や注意点などをご紹介します。
【レッグプレス】とは
レッグプレスは、椅子に座って脚の曲げ伸ばしを繰り返すマシン。
レッグプレスを使ったトレーニングは、スクワットをマシンに座って行うようなイメージになります。
レッグプレスのマシン
レッグプレスのマシンは、頑丈なフレームに椅子がついていて、その前にはほぼ垂直に立ったプレート(板)があるというものです。
動きはシンプル。
椅子に座り、膝が曲がった状態で前にあるプレートに足の裏をつけます。
そして膝を伸ばして板を押し、膝が伸びたらまた戻します。
プレートは重りを増やしたり減らしたりすることが可能。
それによって、脚で押すときの負荷を調整することができます。
【関連記事はこちら】⇩
・【ジム】失敗しない選び方は5つ!各種類についてもご紹介!
【レッグプレス】鍛えられる筋肉
レッグプレスは大まかにいうと、脚の筋肉を鍛える運動。
しかしトレーニングの効果を上げるためには、鍛えている筋肉をより正確に意識することが大切です。
ではレッグプレスでは具体的には脚のどの筋肉を鍛えることができるのでしょうか。
大臀筋
大臀筋は左右のお尻についている筋肉。
脚全体を後ろ側に引く動きに関わるため、歩く、走るなどの動作に欠かせない筋肉です。
ハムストリングス
ハムストリングは太ももの裏側にある筋肉。
1つではなく、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋という3つの筋肉の総称です。股関節と膝関節の動きに関わり、膝を曲げる動作などで使われます。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前側にある筋肉。
こちらも1つではなく、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大腿直筋の4つの筋肉の総称です。
主な役割は膝関節を伸ばす動き。また股関節の動きにも関わります。
内転筋群
内転筋群は太ももの内側にある筋肉の総称。
複数の細い筋肉で構成されていて、脚の開閉などで使われます。
【関連記事はこちら】⇩
・【足の筋肉】名前を詳しくご紹介!40以上の筋肉がある!?
【レッグプレス】メリット
脚のさまざまな筋肉を一度に鍛えられるレッグプレス。
そのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
基礎代謝が上がる
基礎代謝は、体温を保つなど、身体を維持するために最低限必要なエネルギーのこと。
つまり特に運動をしなくても消費してくれるカロリーということです。
この基礎代謝は1日の消費エネルギーの約60%を占めていますが、10代をピークに加齢とともに下がっていきます。
ところが基礎代謝は、筋肉量が多ければそれだけ高くなるのです。
つまり筋肉が多ければ運動をしなくても勝手にカロリーを消費して痩せやすくなるということ。
お尻の大臀筋や脚の大腿四頭筋は全身の中でも特に大きな筋肉なので、鍛えれば効果的に基礎代謝を上げ、痩せやすい体になっていくのです。
脚がきれいになる
人間の体は、残念ながら鍛えた部分の脂肪だけが減るようにはできていません。しかし鍛えることで、たるんだ脂肪を引き上げる効果はあると言われています。
つまりお尻の大臀筋を鍛えれば、ヒップアップの効果が期待できるのです。
また脚全体も引き締まった印象に。
太ももが鍛えられると膝の位置が高く見えるようになるとも言われています。
さらに脚を鍛えることで下半身の血流の循環が良くなるため、むくみも解消しやすくなるのです。
日常動作が楽になる
下半身は体全体の土台。
立つ、座る、歩く、荷物を運ぶなど、日常生活で下半身は常に使っています。
下半身が弱ってくると、普通の動作でも疲れるはず。
しかし下半身を鍛えれば、例えばそれまで70%くらいの力で行っていた動作を40%の力で行えるなど、日常の動作が楽に行えるようになるのです。
これは年配の方にとっては特に重要なこと。
健康年齢を伸ばすためには下半身の筋肉が必要と言われているため、レッグプレスを年配者の日常トレーニングに取り入れる施設も増えています。
スクワットより安全
レッグプレスが幅広い人にお勧めできる理由は、スクワットなどの脚のトレーニングよりも安全であるということです。
脚のトレーニングとして一般的なスクワットですが、不安定になりやすく、バランスを崩したまま続けると膝を傷めることもあります。
しかしレッグプレスは椅子に座って安定した状態で行うため、初心者でも安全。
しかも体重よりも軽い負荷にもできるので、膝や腰、足首に不安がある人でも無理なく鍛えることができるのです。
【関連記事はこちら】⇩
・【スクワット】トレーニング法と注意点!効果を引き出すフォームは?
・ブルガリアンスクワットとは?正しいやり方やスクワットとの違いも解説!
【レッグプレス】正しいトレーニング法
ではいよいよ、レッグプレスの正しいトレーニング方を解説しましょう。
ポジション
レッグプレスを正しく行うためには、自分に合ったポジションにセットすることが重要です。
・シートに背中をしっかりつけて座る
・足幅を腰と同じ程度に広げてプレートの中央へ置く
・つま先を少しだけ外側に向ける
・シートの位置を調整して、膝の角度が90度より少し鋭角になるようにする
スクワットでは膝は90度以上曲げませんが、レッグプレスでは90度よりも曲げるようにします。
フォーム
ポジションがしっかり決めれば、フォームはシンプルです。
・背筋を伸ばし、イスの横のバーを握る
・上体は固定したまま、膝を伸ばしてプレートを足裏で押す
・膝が完全に伸びる前に止め、ゆっくりと元の位置に戻す
回数
筋トレの回数は、「10回やったからOK」というものではなく、「限界までで何回できたか」と考えます。
それは限界まで繰り返してから休息を取ることで筋肉がより成長するから。
限界前に止めてしまうと効果はほとんどないのです。
それを踏まえた上で、自分に合った重さに調整します。
目安は以下の回数です。
・8~10回で限界がくる重さにする
・終わったら1分ほど休憩を挟みながら、3セット行う
これをベースに、筋肉をより大きくしたい人は6〜7回で限界がくる重さにする、筋持久力を重視したい人は11〜12回で限界がくる重さにするなど調整します。
【レッグプレス】注意点
レッグプレスのフォームはシンプルですが、やりがちな間違いはいくつかあります。
上半身を使わない
まずやりがちな間違いは、上半身を使ってしまうこと。
特に疲れてくると上半身の反動を使って勢いで押したくなりますが、そのようにして回数を増やしても効果が落ちるだけです。
鍛えるべき下半身だけを使うことを意識してください。
膝を伸ばしきってはいけない
膝を伸ばしきると、関節がガチッとはまったようになるはず。
こうなるとプレートの重量を筋肉ではなく関節で支えることになってしまいます。
膝関節を傷めることになってしまいますから、膝を伸ばしきらないよう注意してください。
ゆっくり戻す
脚を戻すときに休む意識になると、力を抜いて一気に戻すことになりがち。
これは危険なだけでなく、トレーニング効果も下げてしまいます。
というのも、筋トレではゆっくり戻す動作のときの方が鍛える効果はむしろ高いと言われているのです。
1秒で押して2秒かけて戻すというくらいの意識で行ってください。
まとめ
レッグプレスのフォームはシンプルですが、プレートを押すときに足のどこに力を入れるかでも鍛えられる筋肉が変わってきます。
例えばつま先側で押すことを意識すると大腿四頭筋により効くはず。
逆に踵側で押すことを意識すると大臀筋により効くようになります。
本気のボディビルダーではない人にもお勧めで奥が深いレッグプレスをぜひトレーニングに取り入れてみてください。
【関連記事はこちら】⇩
・ラットプルダウンとは?効果を最大化して大きい背中になろう!
・【ベンチプレス】効果を最大化するための正しいフォームを解説!