オートレースは二輪車で行うモータースポーツの1つです。オートレース特有のハンデ制度があり、追いつくか逃げ切るか、この瀬戸際を楽しむ公営競技で多くのファンを魅了している競技です。
また、選手生命が長いことでも知られ、選手は長く競技に携われるのも大きな魅力です。そんなオートレーサーですが、危険が伴う分選手の平均年収が高く稼げる競技でもあります。
今回はオートレーサーの年収や収入事情について解説していきます。
オートレーサーの年収について
高収入が期待できるオートレーサーですが、オートレーサーの平均年収は約1,400万円です。サラリーマンの平均年収が400万円〜500万円ですので、約3倍も年収が高いと言えます。トップ選手になると年収1億円も夢ではありません。
オートレーサーの主な収入源は賞金で、レースのグレードと着順で賞金額が変わります。一般競争の1着の賞金が約5万円、SGグレードの優勝賞金で3,000万円など、賞金の振れ幅はとても大きいです。
オートレースは上からSG、特別G1、G1、G2のグレードに分類され、グレードが高ければ高いほど獲得賞金は高くなります。
参考までに、SGグレードの有名レースと優勝賞金は以下の通りです。
・スーパースター王座決定戦…3,000万円
・日本選手権オートレース…1,700万円
・オールスターオートレース…1,300万円
・全日本選抜オートレース…1,300万円
・オートレースグランプリ…1,300万円
SGグレードのレースに出場できれば、最低でも1,300万円の賞金を獲得でき、オートレーサーの平均年収を1回のレースで稼いでしまうことができます。ただし、それまでに成績を残してきたトップクラスの選手しか出場できないので、選手達はSGグレードのレース出場を目標に日々練習しているのです。
ちなみに、SGグレードのオールスターオートレースはファン投票で上位の選手が出場できるため、実力だけではない選出方法で楽しまれています。
レースの賞金以外にも手当が支給されますが、オートレースの手当は賞金に比べると僅かで、大きな収入源はレースの賞金と考えていいでしょう。
トップ選手の獲得賞金について
オートレースのトップ選手が実際にどれくらい稼いでいるのか、最新の獲得賞金について紹介していきます。
1位:鈴木 圭一郎選手 獲得賞金 55,829,990円
2位:青山 周平選手 獲得賞金 52,875,700円
3位:荒尾 聡選手 獲得賞金 48,559,865円
4位:篠原 睦選手 獲得賞金 32,566,765円
5位:永井 大介選手 獲得賞金 29,848,875円
(※2021年9月26日時点)
トップ5選手の獲得賞金です。賞金ランクは全体的に30代後半〜40代の選手が多く、ある程度年齢を重ねても十分に稼いでいくことができるので、その点は他の競技に比べて大きな魅力ではないでしょうか。
ちなみに1位の鈴木圭一郎選手はまだ27歳で、賞金ランクに連ねる選手の中で唯一の20代ですので、今後期待が大きい選手です。
オートレーサーは個人事業主|保険や年金は全額負担
オートレーサーは大きく稼げる職業ですが、会社や組織には属さず個人事業主ですので、健康保険や国民年金は全額自己負担となります。
獲得賞金が多ければ大きいほど、支払わないといけない保険料や国民年金も増えるので、万が一事故や怪我で長期離脱してしまうと負担が大きいのがネックです。
このことから、自己管理やリスク回避もオートレーサーには必要なスキルと言えます。
マシンのメンテナンス費用も自己負担
レースに必要なマシンは支給されるのではなく、マシン購入費用・部品代・メンテナンス費用等、全て自己負担です。オートレースのバイクは競技用に設計されているため、一般的に販売されているバイクよりも高く、1台約200万円かかります。
また、購入したらそれで終わりではなく、いかに速く走れるようにするかのメンテナンスや部品交換は欠かせません。メンテナンス費用は選手によっても異なりますが、年間約500万円〜600万円費やすと言われています。
オートレーサーの平均年収は1,400万円ですので、メンテナンス費用を引くと約800万円〜900万円。バイクを購入すれば約200万円出費が増え、さらに健康保険や国民年金が引かれるとなると、手取りはもっと低くなるでしょう。
新人のオートレーサーや活躍できていない選手は収入よりも経費が嵩張り、競技とアルバイトを掛け持ちすることもあるそうです。上に行けば行くほど稼げる夢のある職業ですが、勝つことができないと厳しい現実が待ち受けているのです。
まとめ
今回はオートレーサーのリアルな収入事情について解説していきました。
日々、多くの人に楽しまれているオートレースですが、収入は成績次第で実力主義の競技であることが分かりましたね。
選手達には多くの賞金を勝ち取ってもらい、公営競技として盛り上げていってほしいです。