スポーツとビジネスは強く結びついています。プロスポーツや大会には、企業のスポンサーがついていることがほとんどです。
そこで今回は、スポンサーになることで企業側にあるメリットや選手たちが受けている恩恵など、スポーツとビジネスの関係について解説していきます。
企業がスポンサーを募る目的
スポーツチームのユニフォームを見てみると企業名が書かれています。企業名がユニフォームなどに記されるのは、多くのスポーツチームやスポーツ大会に企業がスポンサーとして出資しているためです。
企業によるスポーツ支援の方法は、スポーツチームの所有、広告や看板、ネーミングライツなど多岐にわたります。
企業がスポーツを支援することで生まれるメリットや、選手やチームが受ける恩恵を徹底解説していきます。
自社の広告宣伝になる
企業がスポーツ団体とスポンサー契約を結ぶ理由の中で多いのが、自社の広告宣伝のためです。例えばオリンピックのような大会のスポンサーになると世界的に企業の認知度が増します。
一例として、コカ・コーラは2003年~2015年の間サッカーのJリーグでスポンサーをしていました。コカ・コーラが商品を売りたい30代から40代の男性がJリーグの観戦をしているというデータが出ていたためです。
コカ・コーラのマーケティングとスポンサー契約を組み合わせた取り組みは、効果的でした。
自社の広告宣伝を目的とする場合、企業は大会のスポンサーやトップアスリートのスポンサーになります。ユニフォームや選手が移動に使う乗り物、テレビCMなどさまざまな角度から、スポーツを通して企業の認知度を上げられるのが企業にとってのメリットです。
CSR(企業の社会的責任)活動の一環
企業は地域や社会に貢献するCSR活動をします。利益追求の他に、社会に貢献しているかも企業を評価する大きな指標です。地域密着型の企業は、地元チームのスポンサーとなり、地域に貢献することも。
地元のチームのスポンサーになると、地域住民とスポーツイベントを通して触れ合う機会ができます。住民との触れ合いやイベントを通して、企業価値やイメージの向上が期待できるのも企業がスポンサー契約を結ぶ利点です。
ブランディングや福利厚生にも
企業がスポンサーになることで、自社のブランディングができます。スポーツ選手はクリーンなイメージがありますし、スポンサー契約を結んだ大会やチームカラーが企業の価値向上につながることも。
大会やチームのスポンサーになった場合、観戦チケットを社員の福利厚生にあてることもできます。
スポーツ団体とスポンサー契約のメリット
スポーツ団体側が、スポンサー契約を受ける大きなメリットは活動、運営資金を確保できることです。スポーツが発展していく上で、企業からのスポンサー契約は欠かせないものになっています。
スポンサー企業の出資によって、選手の待遇が改善したり、施設がより樹実したりすれば、競技レベルの向上にもつながります。
国際的なスポーツイベントの気になるスポンサー料
国際的なスポーツイベントの中でも、多くの人が注目するオリンピックとFIFAワールドカップのスポンサー料について見ていきましょう。
オリンピックのスポンサー料は、契約内容によって異なります。国際オリンピック委員会と契約するワールドワイドパートナーでは、10年もの長期契約です。日本企業のトヨタ自動車は契約料として10年総額1000~2000億円を支払ったといわれます。
日本オリンピック委員会と契約するゴールドパートナー、オフィシャルパートナー、オフィシャルサポーターでも、10億~150億ほどのスポンサー料を支払っています。(いずれの金額も推定)
世界中の人が熱狂するスポーツの祭典、オリンピックも企業のスポンサー料によって支えられているのが数字から分かります。
世界三大スポーツイベントの一つに数えられるFIFAワールドカップ。多くのスポンサーが支援している大会です。
ワールドカップのスポンサー料は、年間契約のワールドカップサポーターで10億~25億と言われています。全てのスポンサー料を合わせると1600億以上!スポンサー料は運営や各国の成績に応じて支払われる分配金に使われます。
国際的なスポーツイベントとスポンサー料の関係を見ると、企業とスポーツが切り離せない関係にあることがよく分かりますね。
個人選手とスポンサー
日本のスポーツ選手には、大きく分けて実業団に所属している選手とプロ契約を結んでいる選手がいます。実業団から独立してプロになるアスリートをサポートするのもスポンサーです。
体操の内村航平選手やバドミントンの奥原希望選手など、企業から支援を受けてプロとなるアスリートが日本でも増えています。クラウドファンディングを利用して、企業だけでなく、個人スポンサーを募る選手もいます。
まとめ
企業の支援によって、大会やスポーツそのものが運営、発展を続けられています。
お金を出した企業側にも広告宣伝や社会貢献などのメリットがあり、双方にウィンウィンな関係を築けているのがスポンサー契約です。
自分が鑑賞している大会や応援しているチームのスポンサー企業やお金の流れを知って、スポーツ鑑賞をさらに深く楽しんでみましょう。