街で乗る人が増えているキックボード。
エコで楽しそうという意見があり、キックボード通勤をする人も多いのですが、一方で「大人のキックボード通勤は恥ずかしい」という人も。
なぜ大人のキックボードは恥ずかしいと言われるのでしょうか。
今回は、大人のキックボード通勤について考察。
どのような乗り方が恥ずかしいのか、では恥ずかしくない乗り方はあるのか、キックボードのルールと共に解説します。
キックボードとは
そもそもキックボードとはどのような乗り物なのでしょうか。
その定義からご紹介します。
定義
キックボードは長いハンドル付きのスケートボードのような乗り物。
細長いボードの上に立ち、ハンドルを操作しながら地面をキックして進みます。
本来のキックボードはスイスのスクーターメーカー「マイクロ・モビリティー・システムズ」が、アメリカのスポーツメーカー「K2 Inc.」のドイツ支部と共同開発した製品の登録商標。
正しい一般名詞ではキックスケーターと呼びます。しかし日本ではキックボードという名前が一般名詞化。今回は便宜上キックボードで統一します。
ちなみに英語では「プッシュスクーター」という呼び名が一般的。キックボードと言うと水泳に使うビート板の意味になってしまいますから注意が必要です。
大人のキックボード通勤は恥ずかしい!?
そのキックボード、大人が乗るのは本当に恥ずかしいことなのでしょうか。
実際に調査すると、半数近い人が「大人のキックボード通勤は恥ずかしい」と答えているそう。
その理由は何なのでしょうか?
デザインが子どもっぽい
日本では「キックボードは子どもの乗り物」というイメージを持っている人が大半。店頭に並んだキックボードも子どもっぽいデザインが多いのは事実です。
それにそのまま乗ると、確かに「いい大人が・・・」感は出てしまいます。
しかし探せば大人っぽいシンプルなデザインのキックボードも見つかるはず。
近年は大人向きのデザインも増えていますから、この点は簡単にクリアできそうです。
変わった人に見られる
キックボードは自転車と比べてまだマイナーなため、乗っているとちょっと変わった人だと思われがち。そのため職場での評判を気にして「恥ずかしい」と思う人も大勢います。
特に健康のために電車ではなくキックボード通勤をする場合、「自転車の方が便利で速いのに、なぜ自転車にしないの?」と考える人がたくさんいます。
しかし自転車よりも気軽で、電車やバスに持ち込めるものも多いのがキックボードの魅力。
そのためヨーロッパでは通勤用としてかなりポピュラーになっています。
変わり者で恥ずかしいと感じるのは、もう古い感覚かもしれないのです。
迷惑になる
実は大人のキックボード通勤を恥ずかしいと思う場合、かなり大きな理由となっているのがこれ。
交通ルールを守らず傍若無人にキックボードに乗る人がいるため、大人のキックボード通勤は危険で迷惑、恥ずかしい行為だと思われやすいのです。
これを払拭する唯一の解決法は、交通ルールを遵守すること。
恥ずかしくない大人であるためにも、最低限、法律とマナーは守らなければなりません。
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キックボードの交通ルール
では具体的にキックボードにはどのような交通ルールがるのでしょうか。
キックボードに関する法律
道路交通法で気をつけなければならないのは、キックボードが自転車と同じような「軽車両」という区分ではないこと。
法律上の区分では、多くのキックボードがスケートボードやローラースケートと同じ「遊具」に分類されます。
道路における禁止行為を記した「道路交通法第76条」には以下のような条文が。
第七十六条
4.何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
三.交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
キックボードでの移動はローラースケートと同じという考え方ですから、混雑した道路では車道・歩道を問わず使用禁止となっているのです。
甘い解釈は恥ずかしい
キックボードが「迷惑だ」と思われるのは、この「交通がひんぱんな道路」という曖昧な表現が異なる解釈を生んでしまうからです。
通勤でキックボードを使う人は、遊具ではなく自転車と同じだと考えがち。自転車が走っている程度の混雑具合なら気にせず乗ってしまうことがよくあります。
しかし例えば都内の幹線道路でローラースケートをしていたら「危ない!」「非常識だ!」と感じるはず。交通ルール上ではキックボードもこれと同じなのです。
キックボードに乗って良いのは、自転車専用レーンや交通量の少ない道路だけ。
自転車の感覚で道路状況について甘く解釈してしまうと、道路交通法違反で罰せられる可能性もあります。
電動キックボードの交通ルール
キックボードの中でも特別な区分である電動キックボード。
2023年7月の道路交通法の改正で電動キックボードの扱いが変わったため注目を集めています。
改正以前の電動キックボードはその出力に応じて「原動機付自転車」または「普通自動二輪車」という扱い。つまりスクーターやバイクと同じ扱いでしたが、それが緩やかになったのです。
電動キックボードの新しいルール
改正前はスクーターと同じ扱いでしたから、電動キックボードに乗るには運転免許が必要で、車道通行、ヘルメット着用、ブレーキ・ライト・バックミラーなどの装置、自賠責保険への加入、ナンバープレートの取り付けが義務付けられていました。
しかし改正後は、電動キックボードのうち定格出力0.60キロワット以下のものは「特定小型原動機付自転車」になったのです。
具体的に変わるルールとしては・・・
・自転車道・路側帯の通行が可能に
・条件付き(歩道モード、時速6km以下で走行など)で歩道の通行が可能に
・原動機付自転車の免許が不要に
・ヘルメット着用が努力義務に
このようにかなりルールが緩くなりました。
ただし免許は不要ですが、公道での運転は16歳以上限定。さらに危険な交通違反を繰り返した場合は罰則として講習の受講が義務付けられます。
まとめ
通勤用の乗り物として注目を集めているキックボード。
気軽に折りたたんで電車やバスに乗れるのは大きなメリットで、大人の間でも人気が上昇しています。
しかし便利なだけに交通ルールをしっかり守る自制心は必要。
周囲の迷惑を考えずに違反を繰り返せば、そのうちにキックボード自体が法律で禁止されることになるかもしれません。
一方で世間の認知度が上がっている今なら、交通ルールをしっかり守って乗れば、恥ずかしくは見えないはず。
キックボードを通勤に使う方は、ルールとマナーを守ってかっこいい大人のキックボード乗りを目指してください。
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