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新体操の歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

女子選手が活躍する競技の一つが新体操です。

音楽に合わせて、リボンやボール、ループ等の手具を使いながら、様々な技を見せて、技の高度さと表現力等で得点を競う競技です。

この記事では、新体操の起源や歴史、世界における日本代表のレベルなどについて紹介します。

新体操の起源・歴史について

新体操の起源はスポーツではなく、舞踏やリトミックのような芸術性を伴った身体表現であり、そうした表現活動が1940年代の旧ソ連でスポーツとして競技化されたものと考えられています。

また、旧ソ連で作られたスポーツということもあり、1970年代から1990年代にかけて新体操で最も強かったのは、ブルガリアロシアなどの旧共産主義の国々でした。

しかし、1990年代になると共産主義体制が崩壊し、多くの共産圏の新体操選手やコーチが自由主義国へ移民として渡ったり、亡命したりしたことにより、新体操の強豪国が世界中へと広がりを見せるようになりました。

新体操の世界選手権が最初に開かれたのは1963年のこと。一方オリンピックの正式種目となったのは、それから約20年後の1984年のロスアンゼルス五輪からでしたが、その後現在(2020年)まで、継続してオリンピックでは正式種目として開催されています。

日本における新体操の歴史について

日本に新体操の基礎がもたらされたのは1928年のことでした。

現在の東京女子体育大学の前身である東京体操音楽学校の校長先生だった藤村トヨ氏が、欧米へと体育の授業の視察に行った際に、ドイツで自然な動きを尊重する体操に関心を持ち、日本へ導入。

その後、現東京女子体育大学顧問の加茂佳子氏らが、藤村トヨの提唱した自然運動の団体徒手体操を新体操へと発展させたと言われています。

新体操と関連のあるスポーツ 男子新体操

新体操は基本的に女性のスポーツですが、最近は男子の新体操選手も増えており、特に最近日本では男子の新体操の人気が上がっています。

男子の新体操は団体競技と個人競技に別れており、団体競技では手具を使わずに人数4~6人で演技をします。メンバー全員での倒立や跳躍からの回転技など、アクロバティックでダイナミックな動きが特徴です。
一方、男子新体操の個人競技は、リング・クラブ・ロープ・スティックを使って演技をします。

男子新体操は日本独自のものですが、例えばスペインなどにも男子の新体操選手は存在します。しかし、スペインの男子の新体操選手が行う競技は女子のものと全く同じ手具を使ったもので、日本の男子新体操の団体競技のような種目はありません。

新体操の競技人口について(日本国内、世界)

公益社団法人日本新体操連盟の報告書によると、日本国内における新体操の競技人口は2019年時点で、加盟団体数577団体、登録選手数8,801名、競技愛好者数29,987名となっています。
登録選手数と愛好者数を合計すると38,788名の競技人口となります。この内男子選手は2,000人程度と見られます。

また、世界における新体操選手の数ですが、世界体操連盟(FIG)によると、同連盟に登録している世界トップクラスの新体操選手の数は1,888人(2021年10月30日現在)となっています。

新体操のルールについて

新体操の選手は、ロープ・フープ・ボール・クラブ・リボンの5つの手具を使って演技をします。演技するフロアは13m×13mの広さで、競技時間は個人種目なら個人演技 1分15秒~1分30秒、団体演技 2分15秒~2分30秒と決められています。

演技は技の難度とその技を実施した時の表現力などで得点化されます。試合において、審判は技の難度を審査する審判が4人、技の実施を審査する審判が4ないし5人いることになります。

そして技の難度も実施も満点は10点となっているため、演技の最高点は20点満点となっており、そのうち何点取ることができるのかという形で、各選手の演技が評価されることになります。

新体操の国際的な大会について

国際体操連盟が主催する新体操の国際的な大会として、世界選手権とワールドカップ、そしてワールドチャレンジカップの3つがあります。

世界選手権は1年に1度開催されますが、ワールドカップとワールドチャレンジカップはそれぞれ1年に4試合ほど開催されます。

ワールドカップとワールドチャレンジカップでは、各試合それぞれで順位がつくのはもちろん、最後は4試合すべての点数が合計され、その結果ワールドカップチャンピオンとワールドチャレンジカップチャンピオンが決まります。

世界から見た日本女子新体操の強さのレベル

2019年の新体操のワールドカップシリーズでは、日本代表チームは団体競技でイタリア・ウクライナと共に第3位の結果を出しています。

しかし、2021年の東京オリンピックでは日本代表チームは第8位。期待されたメダルを獲得することはできませんでした。

まとめ

「フェアリー・ジャパン」のニックネームで一躍注目を浴びた新体操の日本代表ですが、世界のトップレベルで戦い続けるにはもう少し時間と経験が必要なようです。

今後のフェアリー・ジャパンの活躍に注目していきましょう。



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對馬由佳理

對馬由佳理

スペインからスポーツの情報をお届けします!

スペイン在住10数年、大学院でPhDを撮ったあと、スポーツライターに転身。自転車ロードレースや女子ラクビー等の競技の取材経験あり。

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