少林寺拳法は世界的に人気のある武道ですが、日本発祥である少林寺拳法に関して、あまり馴染みのない方も多いかもしれません。
中国の少林拳と似ているけれど、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では少林寺拳法の歴史やルール、世界的にみた少林寺拳法の日本代表の強さなどについて解説していきます。
少林寺拳法の起源・歴史について
少林寺拳法の起源は、香川県の高松空港から車でおよそ1時間程度移動した仲多度郡多度津町の、金剛禅総本山少林寺が発祥の地です。
日本発祥である少林寺拳法は、第2次世界大戦後に日本で生まれ、戦争で荒廃した日本に武道を通して復興するという目標を掲げました。そこで創始者の宗道臣(そうどうしん)が目指したのは、社会の役に立つ人作りです。
少林寺拳法は技術だけではなく、護身術であると同時に正義感を養うということを追及しています。
日本における少林寺拳法の歴史について
少林寺拳法発祥は1947年(昭和22年)、香川県で開設され70年以上の歴史があります。
日本武道館認定の九大武道の一つに数えられ、突き・蹴り・投げ技・関節技があり、独自の技術体系が充実した内容であるのが特徴的です。
社会貢献活動にも積極的に取り組んでおり、人々の心と心を結ぶ架け橋となり、世界中の仲間たちと友情をはぐくみ、国際的な交流を行っています。
少林寺拳法と関連のあるスポーツ
「少林寺拳法」と「少林拳」名前はそっくりですが、この二つの拳法は全く違います。少林拳には中国北部の河南省嵩山少林寺「北派少林拳」と、南にある福建少林寺「南派少林拳」があります。
少林拳と少林寺拳法の一番大きいな違いは、少林拳がいかに相手の急所に先手を打つかということに対して、少林寺拳法は先に自己を守るということを行います。
少林拳は、相手の攻撃をされたと同時にカウンターで攻撃し、相手を制したところに、殺すために仕掛ける技術を優先しています。
少林寺拳法はそれと真逆で、相手の戦意をいかに無くすかというために拳を使う活人拳(かつじんけん)となりますので、人を活かす武術となります。
少林寺拳法の技法は護身術の領域となるので、技術で強者に勝つためのテクニックを日々追及しています。
少林寺拳法の競技人口について
少林寺拳法の競技人口は全世界で10万人以上と言われ、世界36か国で修練生がおり、WSKO (少林寺拳法世界連合)に加盟している各国連盟及び各支部があります。
ただし、日本発祥であるということで、四段から上の段に行くは特別昇格試験となり、総本山(香川県)でしか行うことが出来ない状況です。
最高段位は九段ですが、年齢も高齢にならないとそこまでたどり着けないので、実質七段迄が実力とされています。
少林寺拳法のルールについて
少林寺拳法の基本的なルールは、防具を着用し空手でいうところの組手を行います。これを少林寺拳法では乱取りと言います。
少林寺拳法専用のヘッドギアや、胴のプロテクターと防具をつけたうえで乱取りを行います。
攻守が分かれており、守備者は自ら攻撃を待ち、攻撃者は攻撃します。面、胴などの防具をつけ、面は当て止め程度で、胴は全力で殴っても良いですが金的攻撃は不可となります。
ポイント制で、攻撃により一本・技あり・有効の判定を受け、強い突きや蹴りの一撃が面か胴に入れば、有効になります。ポイントが加算されるシステムになっており、多くのポイントが取れるかを競うルールになっています。
しかし、本気の殴り合いではなく攻撃方法は突きや蹴りのみで、フックやローキックやハイキックは禁止というのが、少林寺拳法の試合の特徴です。
技術の攻防を披露し、審査してもらう演武という種目もあります。
少林寺拳法の国際的な大会について
国際大会では演武が中心に行われ、少林寺拳法の技術を魅せる大会が多く、世界大会においてはオリンピックと同様に4年に1度開催されます。
開催地は年によって異なり、2013年は大阪、次の2017年はアメリカ合衆国のカリフォルニアで開かれました。大会では、乱取りではなく組演武を披露しその完成度を競います。
1960年代後半ごろから日本国外にも広がり始め、現在では36か国に普及しており、少林寺拳法世界連合(World Shorinji Kempo Organization、WSKO)が、世界的な国際大会などを開催しています。
世界から見た日本の少林寺拳法の強さのレベル
日本発祥の武道の為、男子・女子ともに、世界のトップレベルに入っており、引き続き今後の活躍が期待されます。
まとめ
中国武術の一つのような印象をもっていた少林寺拳法ですが、実は日本の武道であり、深い精神性に根差すことが目的と分かりました。
中国武術や空手などと比較して優劣をつけるのではなく、どの武術や武道にも特徴があり、修練すれば心身ともに強靭になれるということです。
この少林寺拳法という武術に、もっと興味をもっていただけたら幸いです。
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