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テニスでも使用のホークアイとは?高精度な審判補助システムに迫る!

皆さんはテニスの試合中継で「ホークアイ」によるジャッジの映像をご覧になったことがありますか?

選手が線審の判定に納得できないときに「チャレンジ」すると、CGの画像が現れてボールがインだったかアウトだったかを判定。それが「ホークアイ」と呼ばれています。

いったいホークアイとはどのような原理のものなのでしょうか。

実はホークアイは、テニスだけでなく多くのスポーツの、しかもジャッジだけでなくプレイまで変えるシステムなのです。

ここではスポーツ界に革命を起こしつつある「ホークアイ」をご紹介します。

ホークアイとは

テニスでおなじみとなった「ホークアイ」は、コートの高い位置に設置された複数のハイスピードカメラがボールの位置をリアルタイムで捉え続け、そのデータを3Dイメージ映像に変換する審判補助システム。
どんなに際どいボールでも正確に捉える上に画像で直感的に見ることができるものです。

しかしそもそも、単純にこのテニス用の装置だけをホークアイと呼ぶのではありません。

「ホークアイ」とは、「ホークアイ・イノベーションズ」という会社が提供する審判補助システム全般の名前で、同時に会社のことを指す言葉でもあるのです。

ホークアイの歴史

ホークアイは、ロケットの弾道研究を行なっていたポール・ホーキンス氏が2001年にボールトラッキングの技術を開発したのが始まり。

ホーキンス氏がクリケット選手だったこともあり、当初はクリケットのテレビ中継用に使われました。当時は6台のハイスピードカメラを使い、99.99%の確率でボールの落下点を示せるのが売りのシステムでした。

その後、ホークアイはテニスのテレビ中継にも利用を拡大。ちょうどその頃、テニスの線審による微妙なラインコールが問題となりました。そこで、時速200キロ以上のボールにも余裕で対応できるホークアイが審判の補助システムとして注目されるようになったのです。

ホークアイの技術

ホークアイの核となる技術は、ボールトラッキングと、ビデオリプレイ技術を活用したスマートテクノロジーです。

ボールトラッキングは前述のようにボールの軌道や落下点を正確に示せる技術。もう一方のスマートは「Synchronized Multi-Angle Replay Technology」の略となります。こちらは複数のカメラで撮影した選手の映像を同期させて、あらゆる角度から確認できるというもの。

例えばサッカーの場合、ゴール判定の「GLT(Goal Line Technology)」にはボールトラッキングが、反則を判定する「VAR(Video Assistant Referee)」にはスマートテクノロジーが利用されています。

ホークアイが変えるスポーツ

判定に革命を起こしたホークアイのシステム。近年ではテニスの線審は徐々に自動化が進んでいます。

しかしそれだけではないのがホークアイの技術。テニスやサッカーの判定以外にも多くのスポーツでホークアイが利用されるようになっています。

野球

アメリカのメジャリーグでは、球団がホークアイを導入しています。

実はメジャーリーグには、監督が審判に異議を申し立てる「チャレンジ制度」があるのですが、チャレンジすべきかどうかの判断にホークアイを利用しているのです。チームスタッフがホークアイ映像を確認し、「誤審だぞ!」となったら監督に知らせるという仕組みです。

また、ホークアイは「プレイ分析サービス」に利用されています。これは選手の映像から三次元骨格データを計測。選手の動きをリアルタイムで解析するもの。投球や打球の速度、回転数や回転方向、軌跡を見られる上に、投手や打者のフォームや投球内容、バットの軌道まで評価できます。

その日の調子が数値で分かってしまうこのシステムはすでに放送でも活用されている上、試合直後のコーチングにも利用されています。

ラグビー

激しいぶつかり合いがあるラグビーでも、サッカーと同じようにビデオ判定でホークアイが用いられています。大きな試合では同時に30台以上のハイスピードカメラの映像を同期。プレイを検証して反則の有無やトライできたかどうかなどを確認します。

また現場のドクターもホークアイのシステムを利用。選手が負傷した際のプレイを全方位から確認し、どこをどのように痛めたのかを見極めます。例えば選手が激突して脳震盪を起こした場合、すぐに起き上がってプレイに復帰したがったとしても、医師はその選手がどこをどのように打ったのかを確認します。

こうすることで危険な脳障害の後遺症を予防。さらに骨折や打撲の場合にも正しい治療が可能になり、負傷した選手の早期復帰にも役立っています。

まとめ

実は長い歴史を持つホークアイ。

これに似た映像技術は他にも続々と開発され、例えばアメリカンフットボールの中継では「ラインをはみ出たかどうか」がリアルタイムで表示できる他、「ここから投げるパスが通るか」の予測表示なども行われています。

これによってテレビのスポーツ中継はゲーム画面のようにデータが溢れるものに。より分かりやすく、中継がエキサイティングになると期待されています。

映像解析技術によるスポーツの革新は、判定だけでなくプレイや観戦も大きく変えていこうとしているのです。



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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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