あなたはテレビの中継や競馬場にてレースを見たことがあるでしょうか。
競馬といえば、ギャンブルとしてのイメージは強いですが、実は過去に伝説のレースとして話題となったこともあります。
スタートしてからゴールするまでどの馬がトップを取るのかわからない、そんなレースは馬券を買っていなくても興奮が止まりません。
日本競馬の長い歴史はその場の興奮だけでなく、人々に感動を与え、その後も長く語り継がれているレースも生まれています。
今回は筆者が選んだ伝説のレースについて紹介していきます。
競馬について
まずは基本的な競馬について解説していきます。
「競馬」は速く走ることに特化した馬に騎手(ジョッキー)が乗り、決められたコースをどの馬が一番速くゴールに辿りつくのかを競うスポーツです。
さらには、競馬はそのレースの着順を予測することで配当金がもらえるという楽しみ方もあります。
競走馬は時速60〜70kmで走るため、実際に競馬場へレースを見に行ったことはある人はその迫力に驚かされたのではないでしょうか。
競馬場には日本中央競馬会が主催する「中央競馬」と地方自治体が主催する「地方競馬」があります。
中央競馬・地方競馬ともに名レースは語り継がれていますが、中央競馬の方が規模が大きく話題になることが多い傾向にあります。
競馬の歴史
競馬には起源が2つあり、中央競馬は政府が公認した競馬会によって行われた馬券発売を伴う競馬で、地方競馬は競馬規程に基づき地方長官の許可の下に行われた馬券発売を伴わない競馬が起源とされています。
当時、賭博行為は違法とされていましたが、軍馬教育の国策に適うとして、桂太郎内閣が馬券発売を黙許する方針を1905年に発表しました。
馬券発売が黙許されたことを受けて、東京競馬会は1906年4月に初めて馬券発売を伴う競馬を行いました。
しかし、馬券禁止の強硬派であった岡部長職司法大臣が当時の馬券販売主任者を賭博容疑で検挙し、馬券の発売が禁止されることになりました。
そこから発売が再開されるようになったのは、禁止されてから15年後のことです。
その後、紆余曲折ありましたが、中央競馬が全国に広がり、地方競馬も行われるようになっていきました。
競馬伝説のレース5選
そんな歴史のある競馬には数々の伝説のレースが生まれました。
名場面や名勝負は何年も語り継がれることになります。
特に最高峰であるGⅠレースは能力の高い競走馬がしのぎを削るため、単なる勝ち負けだけでなく感動の名場面が生まれることもしばしばあります。
そんな伝説のレースを紹介します。
1975年:桜花賞(GⅠ)
1975年に行われたGⅠ桜花賞では勝ち馬を飾った「テスコガビー」が語り継がれる伝説のレースを生みました。
テスコガビーは牝馬らしからぬ雄大な馬格を持っており、デビューから6戦5勝と好成績を記録しています。
唯一敗北したのが皐月賞とダービーを制したカブラヤオーのみのため、牝馬の中では頭1つ飛び抜けていました。
そして、GⅠ桜花賞では単勝支持率88%という圧倒的な支持を得ることになります。
レースがスタートするとすぐに先頭に飛び出し、そのまま優勝しました。
どこが伝説になったかというと、2着ジョーケンプトンに1.9秒差に大差をつけて圧倒的な勝利を収め、当時実況をしていたアナウンサーがその圧倒的な差に「後ろからはなーんにも来ない!」と繰り返したことが有名となっています。
1977年:有馬記念(GⅠ)
当時、TTGと呼ばれた3頭の名馬「トウショウボーイ」「テンポイント」「グリーングラス」は3強として数々の賞を獲得していました。
絶頂期であったこの3頭が顔を合わせたのがこの1977年に行われたGⅠ有馬記念です。
もちろん、競馬ファンはこのレースを一目見ようと、競馬場に殺到します。
後半で一気に勝負をかける戦略が流行っていた中で、このレースではトウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスがスタートからゴールまで常に先頭争いを繰り広げました。
最後はトウショウボーイが勝ちましたが、このデットヒートの争いは今もなお語り継がれます。
1996年:スプリンターズステークス(GⅠ)
当時、様々な争いを繰り広げていた「フラワーパーク」と「エイシンワシントン」が、最後の直線でデットヒートを繰り広げました。
最後は肉眼ではわからないため、写真判定となり、その写真判定は12分も続くほどです。
写真判定の結果、フラワーパークにわずか1センチ差で軍配が上がりました。
フラワーパークの田原ジョッキーは、ゴール寸前で「ゴムマリを素早く押すと次の瞬間すぐに膨張する」という手法を公表したことでも話題となります。
2008年:天皇賞・秋(GⅠ)
2008年に開催された天皇賞・秋は新旧ダービー対決であるウォッカとディープスカイ、牝馬であるダイワスカーレットの3頭が出る注目のレースとして話題となりました。
ディープスカイとウォッカの争いになると思いきや、最後はダイワスカーレットが巻き返し、ウィッカとダイワスカーレットの牝馬2頭がデットヒートを繰り広げます。
その結果、写真判定となり、わずか2センチだけ、ウォッカに軍配が上がりました。
この大接戦が、今もなおファンの間で語り継がれています。
2010年: オークス(GⅠ)
2010年に開催されたオークスGⅠではアパパネとサンテミリオンがデットヒートを繰り広げました。
先行していたアパパネをサンテミリオンが意地を見せ、徐々に追いつき、最後は全くの横並びでゴール板を駆け抜けることになります。
写真判定の結果、「同着」という文字が表示され、会場がどよめきました。
史上初の「1着同着」という結果になり、話題となりました。
まとめ
今回は歴代の競馬で生まれた伝説のレースについて紹介しました。
名場面・名勝負のレースは何十年たってもファンの間で語り継がれます。
今後どのようなレースが誕生するのか楽しみです。