若者を中心に人気のあるビリヤード。多くの人が友人などと一緒に、一度は遊んだ経験があるのではないでしょうか。
そんなビリヤードの世界に、プロの世界があるのはご存じでしょうか。
この記事ではそんなビリヤードのプロ選手になるにはどうすれば良いのか、活動内容なども解説していきます。
ビリヤードのプロになるには
日本で一般的に知られているビリヤードは「ポケット」と呼ばれる方式です。日本国内でポケットを統括している主な団体には、JPBA(日本プロポケットビリヤード連盟)という組織があります。
JPBAではプロ資格が設けられており、プロになるには年に2回(6月、12月)行われるプロ試験に合格することが必要です。プロになる理由としては、国内外の競技会に出場して活躍したい、あるいはビリヤードにかかわる仕事がしたい、などがあげられます。
ちなみに、日本でのビリヤードの競技人口は数千万人といわれていますが、その中でもプロ資格を取得しているのは約300人です。
どのような試験なのか
JPBAの試験を受けるには、ビリヤード歴や拠点となるビリヤード場名などを記載した申込書を郵送した上で、書類審査を通過する必要があります。
試験は北海道、関東、九州など支部ごとに全国各地で行われ、実技試験と筆記試験で構成されます。
実技試験
実技試験に合格するには、男子プロの場合ボーラード3ゲームで630点以上、女子プロの場合、同じくボーラード3ゲームで420点以上が必要です。
1ゲームの最高点は300点なので、3ゲームでの最高点は900点となります。ただ、得点の取り方にもよりますが、97%程度のかなりの確率で球をポケットに入れなければ合格点には達しない計算になります。
筆記試験
筆記試験はビリヤードに関する基本的な知識を問うもので、100点満点中80点が合格ラインです。
筆記試験は、ビリヤード台の大きさや競技のルールなど、しっかり対策をすれば解ける問題のようです。
合格のためのポイント
プロになれるかどうかは、実技試験をクリアできるかどうかが大きなポイントです。なお、実技試験については、JPBA全国対象オープン戦ベストアマ選手G2大会以上で、男子はベスト16、女子はベスト8以上など、所定の大会で一定の成績を収めた場合、免除されることがあります。
実技試験に関しては、大会で一定の成績を収めて免除を受けられるようになれば合格しやすいかもしれません。
プロになった後の活動
ビリヤードは日本で人気が高いとはいえ、野球やサッカーのように大勢の観客を集めたプロリーグの試合が開かれているわけではなく、ビリヤード選手単体で多額の賞金を得て活動するのは難しいのが実情です。
実際、多くのプロ選手やプロと同等の選手は、ビリヤード場を経営したり、ほかに副業をしたりしながら活動している場合が多いようです。ビリヤード場で雇用されているというケースもあるようです
日本最高峰の試合とされる「全日本選手権」では優勝賞金が約250万円、世界のトップクラスの大会でも優勝賞金は約400~500万円です。したがって、世界のトップ選手でも1年間の賞金総額は2000万円程度、国内トップ選手の場合600~700万円です。
遠征にかかる費用などを考慮すると、競技で得た賞金だけで生活を送ることは難しいといえます。実際にプロとして生計を立てようとする場合は、しっかりと計画を立てておくことが必要です。
プロになるメリット
プロになりJPBAの公式試合に出場すると、順位に応じてランキングポイントを得ることができます。
このポイントに応じて、海外の試合に優先的に出場することができるなどのメリットがあります。海外の大きな大会に出場しようと思えば、プロの資格を取得することが近道と言えます。
レッスンプロ
競技会で活躍するプロとは別に、レッスンを通じてビリヤードの技術を教えるうえでの「お墨付き」ともいえる、レッスンプロと呼ばれる資格もあります。
プロの試験とは違い試験は随時行われるので、希望する人はレッスンプロの資格を取得したい動機や目的、ビリヤード歴などを記した所定の書類を提出し、連盟と調整したうえで試験を受験します。
こちらも実技試験と筆記試験に合格する必要があります。実技試験は担当のプロが合格か否かを判断します。
まとめ
ビリヤードのプロになるための方法と、プロになった後の活動の内容について紹介しました。ビリヤードは日本では人気が高く、バーや遊技場などで気軽に楽しむことができるため、小さい時からプレイした経験がある人は多いはずです。
ただ、プロというとなかなかなじみが薄いのが現状です。また、実際にプロになったとしてもプロとしての活動だけで生計を立てるのが難しいこともあり、プロを目指している人もそう多くはないでしょう。
まだプロの人数が少ないため、プロの資格を取得すればビリヤード界での知名度が上がり、活動しやすくなるという利点はあるでしょう。本格的にビリヤードに取り組んだり、国際的な試合に出場したりしたいと考えている人は、プロになることを検討してみてもいいかもしれませんね。