日本のソリ競技において、最もポピュラーなのがボブスレーかと思われます。
これは1993年公開のアメリカ製作の「クールランニング」の影響が大きいです。
同作は常夏の国ジャマイカの陸上選手が冬季オリンピック種目であるボブスレーに出場し、メダルを獲得を目指すスポーツコメディ映画で、日本での配給収入は10億円で、当時日本ではレゲエブームで、作中のサウンドトラックや主題歌であるジミークリフの「アイキャンシークリアシーナウ」もヒットの要因と言えます。
そんな日本での知名度を獲得したボブスレーのトップ選手になるには、どのような道乗りがあるかを紹介していきたいと思います。
ボブスレーとは?
ソリ競技は、頭を進行方向に向けうつ伏せ状態の状態でソリに乗るスケルトン。ソリに先に足を乗せて仰向けに氷上を滑るのがリュージュ。
前方にハンドル、後方にブレーキを備えた鋼鉄製のソリで氷上のコースを滑走し、その速さを競いう合う競技をボブスレーと言います。
発祥の地はスイスのアルプス地方でウィンターリゾートを訪れた観光客の遊びから競技に発展していったのが始まりだと言われています。
滑走中の最高速度は140kmを超える事から「氷上のF1レース」とも呼ばれています。
トップ選手になるためには?
実はボブスレーのトップ選手達は他競技からの転向で第二のスポーツ選手としてボブスレー選手としてのキャリアを始める選手も少なくないです。
他競技で成功を収めた後にオリンピック委員会や競技連盟からスカウト、発掘されるパターンもあります。
また日本の自衛隊学校の冬季オリンピック競技はカントリーとバイアスロンのみですが、ドイツ、アメリカにはソリ競技で国際大会やオリンピックで活躍できる選手を育成システムがあり、そこに所属するパターンもあります。
スカウトや軍隊アスリートの他にはトライアウトに参加して基礎能力テストを行い、有望選手を選出、強化を行なっています。
ボブスレー選手の年収は?
ボブスレーはトライアウトを受けて参加するアマチュア競技の為、年収は普段の生活のままです。
ボブスレーという競技はあるものの、それだけでは生活できないというのが現状になります。
スポンサーはなく、競技備品や用具提供をするサプライヤーだけですので資金提供はそれほどでもないとされます。
つまり、選手として生活するというよりは、普段の生活をしつつ、大会だけ選手として出場するだけという事になります。
先述した映画「クールランニング」で有名になったジャマイカ代表選手は旅費、貯蓄もないようです。
ボブスレーのチームに入るには?
国際大会への出場権があるのはFIBT(国際ボブスレー・トボガニング連盟)に登録しているチームのみになります。日本では一般代財団法人日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟の日本代表に選ばれる必要があります。
応募資格は男子は16歳以上、身長180cm、体重90km、50m走5.6秒、スクワット110kg。女子は身長170cm、体重75kg、50m走6.5秒、スクワット110kgとなっています。
ただし、該当する項目が1つでもあれば良いとされています。
テストは20m走、60m走、ベンチプレス、スクワットで行われます。
申し込みはトライアウト選手発掘の競技申込書に住所、氏名、生年月日、携帯番号、PCアドレス、携帯電話メールアドレス、専門競技、選考基準を満たした資格番号の記入し、電子メールでの申し込みになっており、選考基準さえ満たしていれば応募は可能となっております。
陸上競技からボブスレーのトップ選手へ
2018年平昌オリンピック、ボブスレーアメリカ代表、クリストファー・ギニー選手は大学時代にはハードルの選手でした。
卒業後は日本に渡り、会社の面接を受け働きながら陸上競技を続け、筑波大学でトレーニングを続けました。
ロロ・ジョーズという女子100mハードルの選手のオリンピック選手がボブスレーに転向し、ソチオリンピックに出した選手と話す機会があったギニー選手は彼女にボブスレーへの転向を勧められギニー選手はトライアウトを受け、見事チームに選ばれます。
当初は陸上競技と同時並行でしていましたが、陸上競技ではリオオリンピックに間に合わないと判断したギニー選手はボブスレーを中心に活動する事を決意しました。
陸上競技の時は自分の事だけを考えて行動するのが基本だったギニー選手にとってチームスポーツであるボブスレーは戸惑いがあったそうです。
努力の末、ギニー選手は平昌オリンピックの出場を見事獲得。
他競技からボブスレーへの転向の例がクリストファー・ギニー選手です。
まとめ
以上の事からボブスレーのトップ選手になるには他競技からの転向、一般公募のトライアウトで出場権を得る、海外で軍隊アスリートとして出場権を得る3つの主な道のりがあります。
「勇気」「スプリント能力」「判断力」の3つが適正の氷上のF1レース、ボブスレー。
興味のある方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか。