「グライダー」と聞くと小さな飛行機を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は滞空時間や高度、飛行距離を競い合うスポーツでもあります。
つまり、いかに長く・高く・遠くまで飛べるのか、といういたってシンプルなスポーツ。
ただ、グライダーの世界大会レベルでは滞空時間が5時間以上になるため、己の精神と向き合う必要もありそうです。
ここでは、グライダーに乗ったことがないという未経験の方に向けて、どうすればトップ選手になれるか説明しています。
そのために必要になる免許や費用も合わせてご紹介しているので、本格的にグライダーを始めてみたいという方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
グライダーとは?
グライダーとは、気流を利用して無動力の滑空機を長距離で飛ばすことができるかを競い合うスポーツです。
「エンジンがないのにどうやって飛ぶの?」と思ってしまいますが、曳航機という飛行機を使ってワイヤーでグライダーを空まで引き上げた後、グライダーは上昇気流に乗って飛び立ちます。
その上昇気流を見つけるのもパイロットの役割です。気流の流れを上手く読み取って操縦するのが、「グライダー」というスポーツの難しさであり面白さでもあります。
グライダーのトップ選手になるためにはどうしたらいいの?
日本ではマイナーなスポーツですが、グライダーの世界大会にも出場できるようなトップ選手になるための方法を説明していきましょう。
免許を取得する
グライダーの操縦免許を取得しなければなりません。
免許がないと車を運転できないのと同じで、グライダーを操縦するためには免許が必要になります。
グライダーの免許は、国土交通省が発行している「自家用操縦士」という種類の資格です。
国土交通省のホームページによると、自家用操縦士は「航空機に乗り組んで、報酬を受けないで、無償の運行を行う航空機の操縦を行うこと」という記載があります。
つまり「報酬を受けない」というところが、この資格のポイントです。
自家用操縦士の資格を持つと、グライダーの他にも自家用飛行機を操縦することもできますよ。
国内の競技会で成績を残す
免許を取得すると1人でも安全に操縦することが可能になるので、トップ選手を目指すなら国内の競技会にも参加してみましょう。
国内で開催される協議会で成績を残すことができれば、世界大会へ出場する権利をもらいやすくなります。
世界大会への出場
公益社団法人日本滑空協会(JSA)と一般財団法人日本航空協会からの推薦を受けると、日本代表として2年に1度のペースで開催される世界大会へ出場することができます。
【関連記事はこちら】⇩
・滑空するグライダー競技とは?その歴史や必要な免許、価格などを徹底解説!
グライダーの免許を取得するまでの流れは?
ここでは、グライダーの免許を取得するまでの流れについてご紹介しましょう。
グライダークラブに入会する
まずは練習生としてグライダークラブに入会しましょう。
ただ、費用や雰囲気、場所など、グライダークラブによってそれぞれに違いがあります。
ですので、グライダークラブに入会する際は、ホームページや体験搭乗を通して選ぶのがおすすめです。
1人で完璧に操縦できるまで練習を重ねる
インストラクターと一緒に離着陸の練習を60~100回ほどしたところで、ようやく1人での練習が可能になります。
1人で完璧に操縦できるまでには、離着陸を200回もこなさなければなりません。
60~100回でも多く感じるのに、離着陸が200回なんてさらに驚いてしまいますよね。
年数にするとだいたい2年程度だと言われているので、免許を取得するまでの目安として参考にしてくださいね。
また、JSAやグライダークラブで定期的に講習会やセミナーを行っていたりするので、そういうのにも参加してみるのが上達への近道かもしれません。
筆記試験と実地試験に合格する
グライダーの筆記試験は国土交通省が実施しており、東京都、大阪府、千歳市、仙台市、名古屋市、福岡市、宮崎市、那覇市が試験地です。
国土交通省のホームページにて筆記試験の過去問も公開されているので、どんどん活用しましょう!
そして、筆記試験に合格したら、試験官が滑空場に来て行われる実施試験に進めます。
実地試験にも合格できたら、グライダーの免許が交付されるという流れです。
免許を取得するまでにかかる費用は?
これまでグライダーの免許を取得するまでの流れをご紹介しましたが、費用は一体どれくらいかかるのでしょうか?
費用はグライダークラブによって多少違いますが、ここでは「日本グライダークラブ」を参考にしたものをご紹介しましょう。
・入会金:80,000円
・年会費:60,000円
・勤労奉仕:48,000円(寄付金で代用可)
・1回のフライト費用:約8,200円
・日本滑空協会:入会金5,000円、年会費12,000円
200回の離着陸をこなすと考えると、フライトだけでも単純計算で164万円かかります。
それに入会金や年会費も入れた場合、免許を取得するまで200万円弱かかる計算になるため、費用のことに関しても頭に入れておくようにしましょう。
まとめ
グライダーは気流の流れを見ながら操縦するので、老若男女問わず楽しめるスポーツだとも言えます。
本格的に始めてみるのはもちろん、趣味として始めてみるのもいいかもしれませんね。
この記事ではトップ選手になるための方法としてご紹介しましたが、グライダーに興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?
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