長距離走は学生時代の難関種目です。
趣味でランニングを楽しむ人が多い一方、「大嫌い」「辛すぎる」という人も多いはず。
とはいえ、辛くて嫌いになっている原因は、実は間違った走り方をしているからかもしれません。
強制的に走ることになる校内の持久走も、コツを知ればもっと楽に走れるようになるかも。
ここでは長距離走を速く、そして辛くなく走るためのコツをご紹介します。
【長距離走】速く走るフォームのコツ
長距離走で速く走るコツは、なんといってもエネルギーの消費を抑えること。つまり無駄なく楽に走るということです。
これをランニングエコノミーといいます。
そのためには効率の良いフォームで走ることが重要。
まずは正しいフォームを覚え、自分の走り方を見直してみてください。
長距離コツ1:普段の姿勢
いきなりランニングフォームではない話ですが、実は普段の姿勢がランニングにも大きな影響を及ぼしています。
普段からパソコンやスマホの使いすぎで猫背だと、その癖はスポーツ中にも抜けにくいもの。
猫背の姿勢ではスムースに体重移動ができず、大きなエネルギーロスになってしまいます。
持久走を早く走るためには、普段の姿勢にも気をつけてください。
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長距離コツ2:左右のバランス
人間は左右のバランスが均等にはなりにくいもの。
ランニングシューズや普段履いている靴の裏をチェックし、すり減り方に偏りがある人は、重心がどちらかに傾いている可能性があります。
これもエネルギーロスの元。
偏りを発見したら自分の走りを動画に撮るなどしてチェックし、左右のバランスを直すようにしてください。
長距離コツ3:着地の仕方
短距離の走りはつま先近くの母指球で着地するのが基本。
こうすることで足裏のバネを利用し、前への推進力にします。
では長距離走の場合、どこで着地すれば良いでしょうか。
かかとと答えた方は不正解。
かかとを着いてから足をローリングさせ、つま先で地面を蹴る人は多くいますが、かかとを着くためには膝に対して足が前に出ることになります。
こうすると地面に向かって斜め前に力を加えることになり、一歩ごとに小さくブレーキをかけてしまうのです。
トータルでは大きなエネルギーのロスに。
そこで、着地は足裏全体を意識します。
こうすれば膝から下が地面に対して90度の角度で着地するはずです。ポイントは着地の瞬間に膝よりも足が前に出ないこと。
エネルギーロスを最小にして前に進める上、足への衝撃も分散して小さくなります。
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長距離コツ4:体幹を意識
体の軸がぶれるとエネルギーを無駄に使い、疲れることになります。
体幹を意識し、上半身をまっすぐ保つようにするのが、疲れないコツ。
腕の振り方でも体の軸をまっすぐすることができます。
それは肩甲骨を背骨に近づけるようにして腕を後ろでコンパクトに振ること。こうすれば背筋が伸びて体幹がしっかりするのです。
90度かそれ以上に曲げた肘の先端を意識して後ろに引くようにすれば、安定したペースで走ることができます。
【長距離走】速く走る呼吸のコツ
長距離を走る上で重要なのが呼吸。
息が苦しくなり呼吸が上がってしまうと、それ以上速く走ることはできません。
しかしこの呼吸法にも実はいくつものコツがあるのです。
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長距離コツ5:鼻呼吸を意識
走っていて疲れてくるとつい口で息を吸ってしまいがちですが、これは正しい呼吸法なのでしょうか。
そもそも人間は鼻で呼吸するようにできていて、口で呼吸をすると喉が乾燥してしまうというデメリットがあります。
鼻呼吸をすることで外気が体温に近い温度と高い湿度になって肺に届けくのです。
また鼻呼吸には空気中の菌を捉えて肺に送らないようにする機能も。
そのため鼻呼吸をメインに使った方が体には良いということになります。
しかし人によってはランニング中に鼻呼吸だけでは苦しいということも。
そのような場合は、鼻呼吸をメインにしつつ口呼吸も混ぜるという意識で息を吸うようにしてみてください。
長距離コツ6:呼吸のリズムを見つける
ランニング時の呼吸の基本は、「2回吸って2回吐く」です。
これは呼吸の乱れを防ぎ、効率よく酸素を体内に取り込めるリズム。
そして走るペースによって呼吸のリズムも変わってきます。
4歩に1呼吸の「4拍子」や、3歩に1呼吸の「3拍子」など、呼吸のリズムにも種類がありますから、自分に合った呼吸リズムを見つけることが大切です。
また吸う息よりも吐く息を意識するのもコツ。
苦しくなってきたらしっかり息を吐くようにすれば、必要な空気を自然に吸うことができます。
長距離コツ7:心拍数を意識
呼吸のリズムは疲れの度合いによっても変えるのがコツです。
呼吸と心拍数はリンクしていて、呼吸の速度を上げていくと心拍数も上昇します。
そのため歩数だけに合わせた呼吸リズムだと、速度に比べて呼吸が速すぎて無駄に息が上がることもあるのです。
呼吸回数は心拍数に合わせることを意識してください。
心拍数の上昇に合わせて呼吸リズムをアップしていけば、息が上がるのを遅らせることができます。
長距離コツ8:呼吸筋のストレッチ
長距離走を効率良く走るためには、呼吸に使う筋肉を鍛えることも必要。
そこで、肺を膨らませる呼吸筋をストレッチすることで鍛えます。
・鎖骨の下に両手を当て、少し下に押さえながら大きく深呼吸。
・頭の上で右手首を左手でつかみ、左へ上半身を倒して深呼吸。逆方向も。
・お尻の上に両手をあてて、息を吸いながら背面で肘をよせていく。
このようにして呼吸に負荷をかけることで、心肺機能を向上させるのです。
【長距離走】大会当日のコツ
これまでのコツを踏まえた上で、町内マラソンや学校の持久走大会当日にもできることはあるのでしょうか。
最後は本番で使えるコツをご紹介します。
長距離コツ9:同じペースを維持する
大会当日に意識することは、とにかく同じペースを維持することです。
周囲の選手に引っ張られてスタートから無駄にダッシュしたり、逆に友人に合わせてスローペースで入ったりして自分のペースを崩してしまうと、トータルのタイムは落ちてしまいます。
本来は自分のペースを把握するためにも練習をたくさんしておきたいところ。そうでない場合も、ラストスパート以外に途中でペースを変えないことだけは意識しましょう。
長距離コツ10:最初の疲れを恐れない
大会当日にスタートすると、いきなり心臓と肺が苦しくなり、慣れていないと「このまま最後まで走れるはずがない」と思ってしまうはず。
実はこの苦しさは必ず起こるもので、恐れてしまうことはないのです。
原因は、スタート直後で体がまだ運動モードになっていないため。スタートしてから筋肉に必要な酸素や血液が十分に供給されるまでの間は、苦しいと感じやすいのです。しかし心臓や筋肉に十分な血液と酸素が供給されれば、体が急に楽になるはず。走っていればそのうち楽な状態になると分かっていれば、ペースを維持しやすいのではないでしょうか。
まとめ
コツ⑦でご紹介した心拍数の意識は、コツ⑨のペース配分のためにも重要。
中盤までは心拍数120から130を維持するのが、全体的なタイムアップのコツになります。
これは呼吸が少し苦しいと感じる程度の運動負荷。
この程度の余裕あるペースで走れば、後半にロングスパートをかけることができます。
フォームや呼吸法で無駄なく走るコツをつかめば、長距離走は今までよりも楽に、そして速くなるはずです。
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