東京2020パラリンピックで、日本代表が金メダルを獲得するなど、徐々に知名度を上げてきているボッチャ。
ボッチャは老若男女、障がいの有無に関わらず、すべての人が競い合えるスポーツです。
この記事では、ボッチャについてお伝えします!
ボッチャの起源・歴史について
ボッチャとは、イタリア語でボールの意味です。起源は定かではありませんが、ヨーロッパで生まれたといわれています。
重度脳性麻痺者や同程度の四肢重度機能障がい者のために生み出されたスポーツとして、歴史がはじまりました。障がいを持っていない方が参加できるオープン大会も開催されています。
1988年ソウルパラリンピックから正式種目化し、「すべての人が競い合えるスポーツ」として注目され、現在に至ります。
日本におけるボッチャの歴史について
ボッチャは1996年に日本へ伝わりました。同年、千葉でボッチャの選手権大会(千葉ボッチャ選手権大会)が開催され、40名ほどが参加。
1997年:日本ボッチャ協会が設立され、徐々に認知されていきます。
1999年:大阪で第1回日本ボッチャ選手権大会が開催されました。
2016年:リオパラリンピックで日本代表が銀メダルを獲得。
2017年:ボッチャの普及を目的として「東京カップ」という大会が開催されました。
障がいの有無に関わらず、だれでも参加できる大会となり、さらに知名度を上げたのです。
2019年:この年に開催された東京カップでは、結果がテレビで流れ、Twitterのトレンドにも入るなど大きな賑わいを見せた大会となりました。
2021年:東京パラリンピックでは、日本代表・杉村英孝が日本勢初となる金メダルを獲得。
銀・銅メダルも獲得し、世界と対等に戦えるレベルになったといえるでしょう。
ボッチャの日本代表は「火の玉ジャパン」という愛称がつけられています。
ボッチャと関連のあるスポーツ
ボッチャは、特段関連のあるスポーツや、ここから派生したスポーツはありません。
しかし、ルールが少しカーリングと似ていることから、「地上のカーリング」と呼ばれることもあります。
ボッチャの競技人口について
ボッチャは正式な競技人口が明かされていません。日本ボッチャ協会が公式Twitterで「ボッチャ1万人プロジェクト」をしているので、1万人未満であることがわかります。
2022年2月時点でのボッチャ公式Twitterのフォロワーは4800人ほどですので、日本国内での競技人口は4800人未満でしょう。
ボッチャのルールについて
ボッチャは、障がいの程度により4つのクラスに分けられます。
・BC1:脳原性疾患のみのクラス(車いす操作不可)。個人戦とチーム戦があります。
ボールは投げても蹴ってもOK。必要であれば介助がつきます。
・BC2:脳原性疾患のみのクラス(車いすの操作がある程度可能)。個人戦とチーム戦があります。
ボールは投げるのみです。
・BC3:脳原性疾患、非脳原性疾患など、最も障がいが重いクラス。個人戦とペア戦があります。
投球は不可なので、介助者とともに勾配具(ランプ)とよばれる、滑り台のようなものを使用。
・BC4:BC1、BC2と同じくらいの障がいがある、重度四肢機能障がい者(筋ジストロフィ
ーなど)。個人戦とペア戦があります。
ボールは投げても蹴ってもOKです。足蹴り選手のみ、介助者がつきます。
ボッチャは以上のようにクラス分けされています。
ボッチャは、持ち球である赤・青のボールを投げたり転がしたりして、いかにジャックボール(目標玉)という白いボールに近づけるかを競うスポーツです。
投球したボールを直接ジャックボールに近づけたり、相手のボールに当てて自分のボールをジャックボールに近づけたりするなど、状況に応じて様々な判断を迫られます。
そのため、パラリンピック競技の中でも屈指の頭脳戦が展開されることも多いのです。
ボッチャのゲーム進行は、両チームがすべてのカラーボール(赤と青のボール)を投げ終わると1エンドが終了します。これを4or6エンド行い、最終的な得点で勝敗が決定。
個人戦とペア戦は4エンド、チーム戦は6エンドです。
ボッチャの国際的な大会について
ボッチャの国際的な大会として、最も有名なのはパラリンピックでしょう。1988年ソウルパラリンピックから正式種目です。
日本代表は、2008年北京パラリンピックから2020年東京パラリンピックまで連続出場を果たしています。
世界から見た日本女子ボッチャ&日本男子ボッチャの強さのレベル
ボッチャは『全員が競い合えるスポーツ』であるため、男女の分類はありません。
もともとヨーロッパが強かったのですが、アジア勢も力をつけてきており、日本代表も2016年リオパラリンピックで銀メダルを獲得しました。
そして、2020年東京パラリンピックでは日本代表キャプテン・杉村英孝選手が、日本人初となる金メダルを獲得。
リオパラリンピックで金メダルを獲得した、タイ代表のワッチャラポン・ウォンサ選手を破り、杉村英孝選手は快挙を達成しました。
日本代表は銀メダル、銅メダルも複数獲得し、非常にレベルが上がってきています。
まとめ
今回は、ボッチャについてお伝えしました。
ド派手な動きはありませんが、緻密に計算されつくした一投は、見るものを魅了します。日本勢のレベルアップもあり、ボッチャは今後さらにメジャーなスポーツとなっていくでしょう。
この記事をきっかけに、さらにボッチャへの知見を深めてみてください。