東京2020オリンピックで、女子ソフトボールが金メダルを取りました。
13年越しの連覇に、試合を見て感動した人も多いのではないでしょうか。
野球のように普段はテレビ中継されないので、試合を見る機会は少ないですが、日本人には馴染みのあるソフトボール。
今回は、そんなソフトボール選手になる方法や、ソフトボール選手の現状などについてご紹介します。
ソフトボール選手になるには
現在、日本にはソフトボールのプロリーグは存在していないため、ソフトボール選手は実業団に所属をしてプレーしている選手となります。
ソフトボール選手は、主に日本ソフトボールリーグでプレーすることが仕事です
日本ソフトボールリーグとは、日本ソフトボール協会が主催するリーグ戦です。
選手が所属するのは、このリーグに参加する実業団です。では、実業団に入りプレーするにはどうすればよいのでしょうか。
トライアウトを受ける
トライアウトとは、新たな選手の発掘のために行われるテストのことです。
トライアウトを受けるには、実業団が募集するトライアウトに参加する方法と、監督に相談して個別に実業団の練習などに参加させてもらう方法とがあります。
選出方法は、チームによって異なりますが、主にバッティング・守備・基礎体力のテストです。
このトライアウトに合格すれば、晴れてそのチームに所属することができます。
スカウトを受ける
実業団からのスカウトを受けるには、学生時代に大きな大会で活躍することが必要になります。
インターハイ、選抜、国体などの大きな大会は、実業団の監督が見に来ていることが多く、目に留まればオファーがきて、卒業後に実業団に所属できる可能性が高くなります。
強豪校でプレーする
ソフトボール選手を目指すのであれば、強豪校へ入学し技術を磨くことが重要になってきます。そして大会で活躍することが近道です。
高校と実業団の間に、パイプや実績があると実業団へも入りやすくなるので、学校選びも重要です。
また、同じ学校の先輩が、実業団のチームに所属している場合、実業団の情報や雰囲気を知ることもできます。
ソフトボール選手の現状
ソフトボールは、オリンピックでも活躍した上野由岐子選手をはじめとする女子の選手が有名ですが、女子だけでなく、男子も企業の社会人実業団のチームがあり、所属している選手がいます。
女子は日本女子リーグがあり、1部2部3部に分かれています。男子は、東日本リーグと西日本リーグに分かれています。
日本のソフトボールは、世界ランキングをみると非常に高いランキングを維持しています。
そのため、海外で活躍しているトップ選手たちが、日本に来日しプレーしている様子も伺えます。「日本の技術を学びたい」と思う選手が多いのです。
海外のソフトボール選手
海外のトップ選手が、自分の国ではなく日本リーグでプレーするのが、主流になってきています。
オリンピックで活躍していたアメリカ代表のモニカ・アボット選手や、オーストラリア代表のオージー・スピロット選手は、日本の実業団に所属し、長年プレーしてきました。
日本で海外の選手を受け入れるときは、プロ契約をします。
アメリカはプロがありますが、カナダ、オーストラリアでは、クラブチームメインで活躍しているので、ソフトボール以外のところで生活費を稼がなければなりません。
同じソフトボール選手でも国によって、形態が違っているのですね。
日本のソフトボール選手
日本で実業団に所属している選手は、普段は企業の仕事をしながら試合や練習をこなしており、仕事をしている傍らで練習をしています。
プロ野球とは違って契約金1億円、年俸5億円なんてことはなく、プロソフトボールの年収は200万円程度。
ソフトボールにはプロリーグというものがないので、成績が良い選手には何億円というような契約がなく、所属している実業団からお給料で支給されます。
ソフトボール選手は収入が目的ではなく、ソフトボールが好きでプレーしているのが伝わってきます。
その気持ちの強さが、オリンピックでの金メダルという結果に結びついたのかもしれません。
ソフトボール選手に必要な技術
ソフトボールでは、バッティング、守備、走塁などの技術が求められますが、試合で活躍し勝つためには、バランスの良い技術を持つことが必要になってきます。
全身を使い、炎天下の中で試合を行うスポーツなので、体力も必要です。チームスポーツですが、打撃時は個人の能力が試されます。
点を取らないと勝てないので打撃力も大切です。バッターボックスに入ったら、自分との勝負になってくるので強い精神力も必要です。
まとめ
ソフトボール選手になるための道のりや、世界や日本での現状などを紹介してきました。
日本には現在、プロリーグがないため、プロソフトボール選手という職業はありません。
しかし、日本のソフトボールのレベルは高く、世界からも注目されていますので、今後さらに人気が出てくるスポーツでしょう。
2022年春には、女子ソフトボールの新リーグ「JD.LEAGUE」(ジャパンダイヤモンドリーグ)が始まります。
東地区8チーム、西地区8チームに分かれてレギュラーシーズンを戦います。
ソフトボール選手の在り方が大きく変わっていくことを期待したいですね。
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