プロテニス選手の強さを示す指標の一つとして知られているのが世界ランキングです。正式には、男子はATPランキング、女子はWTAランキングという名称で発表されています。
この記事では、どのようにして世界ランキングが決められているのか。選手が出場する大会についても徹底解説します。仕組みを知ったうえで試合を見ると、より楽しめるはずです。
テニスの世界ランキングを決める基本的な仕組み
テニス選手の世界ランキングを決めている団体は、男子と女子で異なります。男子の世界ランキングを決め、大会を運営している団体が「ATP(男子プロテニス協会)」。女子のプロテニスを運営しているのが「WTA(女子テニス協会)」です。
この2つの組織がそれぞれ運営する大会にプロテニス選手は出場します。各大会におけるシード順やエントリーできる大会が、それぞれの団体の世界ランキングによって決定します。
シード権の獲得や、より上位の大会に出場するのを目標に、選手たちは世界ランキングを競っています。
ATPランキングと大会
男子のプロテニス選手の世界ランキングがATPランキングです。直近ATPランキングは、52週間(約1年間)に出場した大会の中で、獲得ポイント上位18大会のポイントが反映されます。
選手が出場した大会に応じて、獲得できるポイントは変化します。
ATP1000という大会に出場した場合、優勝したときに1000ポイント、ATP500の大会なら優勝時500ポイントを獲得できます。
途中で敗戦した場合、トーナメントで勝ち進んでいた分に対応したポイントを得られる仕組みです。
ATPレースランキング
ATPレースランキングは、その年の大会しか対象にならない1シーズン限定の世界ランキングです。シーズンの締めくくりに男子プロテニスでは「ATPワールドツアーファイナルズ」という大会が開かれます。
1シーズンの中で世界トップ8の選手のみが出場できる「ATPワールドツアーファイナルズ」の出場権をかけて競われるのがATPレースランキングです。
WTAランキングと大会
女子の世界ランキングにあたるのが「WTAツアーランキング」。試合を運営する団体は違いますが、基本的な仕組みは男子のATPランキングと同じです。ランキングが反映されるのは過去52週間(約1年)の18試合です。
WTAの大会も男子と同様、1000、500といった獲得できるポイントごとに分けられています。
WTAレースランキング
WTAレースランキングは、その年のトップ8の選手が集う「WTAファイナルズ」出場のためのランキングです。日本人選手だと、「WTAファイナルズ」には、大坂なおみ選手が過去に出場しています。
こんなに違う!大会ごとの獲得ポイント
男子、女子共に様々な大会があり、大会ごとに世界ランキングに加算されるポイントが異なります。男女共に仕組みが似ているため、男子のATPツアーを例に各大会の特徴やポイントを紹介します。
グランドスラム
全米、全豪、全英、全仏と呼ばれる4つの大会は、プロテニス界において権威ある大会です。グランドスラムとも呼ばれる4つの大会で優勝すると、2000ポイントが選手の世界ランキングに加算されます。
大会のドローの数は128、予選会に参加するにも世界ランキング250位ほどの実力が必要になってきます。
ATPファイナルズ(WTAファイナル)
ATPファイナルズは、グランドスラムと同等に位置づけられる大会です。出場できるのはATPレースランキングトップ8の選手のみ。
大会では1勝するごとに200ポイント、準決勝で勝利すれば400ポイント、決勝で勝利すれば500ポイントを手にできます。全勝優勝をした場合の獲得ポイントは1500ポイントです。
ATPマスターズ1000(WTA1000)
グランドスラムなど、特別な大会を除けば最上位に位置するのがATPマスターズ1000の大会です。優勝した選手は1000ポイントを得られます。
ATP500(WTA500)
優勝者に500ポイントが与えられるのがATP500です。マスターズに次ぐポイントを得られる大会です。
ATP250(WTA250)
ATPツアー公式大会の中で、一番得られるポイントが低い大会がATP250です。試合で優勝すると250ポイントを得られます。
世界ランキング上位選手の出場義務
男子プロテニスのATPで世界ランキングトップ30に入っている場合、グランドスラム、ATPファイナルズ(出場資格のある選手のみ)、ATP1000の8大会、ATP500の4大会、ATP250の2大会への出場義務が課せられます。
女子の選手も同様にトップ10のプレイヤーは、WTA1000の全4大会、WTA500の5大会中4大会に出場義務があります。基本的に大会への出場は義務です。
長期間世界ランクを維持しているベテラン選手には、例外的に義務免除の項目が設けられています。
まとめ
世界ランキングや出場する大会の仕組みを知ると、観戦するのがより楽しくなるはずです。
厳しい日程の中、沢山の大会に出場して活躍しているプロ選手たちの活躍は手に汗を握る試合ばかりですので、ぜひ一度観戦してみてはいかがでしょうか。
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