最近では、マラソンブーム、ランニングブームの影響で公園や街中を走っているランナーをよく見かけるようになりました。
マラソン人気の勢いはどんどん加速しており、世界6大マラソンにも選ばれている東京マラソンのエントリー倍率は、年々増えています。
マラソンは年齢性別問わず幅広い層で楽しまれているスポーツです。
そんな人気のあるマラソンですが、さまざまな大会で活躍するマラソン選手はどれほどの年収を稼いでいるのでしょうか。
この記事では、マラソン選手の年収、お金事情について解説します。
日本のマラソン選手の年収について
日本で活躍しているマラソン選手の年収は、実業団選手かプロランナーかによって異なります。
・実業団選手
実業団選手とは、日本陸上競技大会に登録している実業団(企業)に所属し、所属先の会社員として、アスリート活動を行う選手のことです
実業団選手は会社員なので、安定した収入が保証されています。
年収は、基本的に所属先の正社員の年収と同じであり、企業によって金額は異なります。
トップクラスの実業団選手は、トヨタ自動車やNTT、旭化成などの大手企業の実業団に所属していることが多いです。
これらのクラスの実業団に所属する選手の年収は、個人の年齢や成績にもよりますが、20歳〜40歳で大体400万円〜700万円です。
実業団選手は給料による収入のほかに、大会の賞金や新記録による報奨金、スポンサー契約料で年収を増やすことができます。
しかし、実業団選手は所属先企業の名を背負い、広告塔としての役割も担っているため、スポンサー契約などは制限もあります。
そのため、実力のある選手や会社員以上の給料を稼ぎたい選手は、実業団選手からプロランナーに転向する選手もいます。
・プロランナー
プロランナーとは、実業団に所属せずフリーで活動する選手のことです。実業団選手とは異なり会社員ではないため、安定した給料は保証されていません。
しかし、プロランナーの場合、大会の賞金や新記録による報奨金をまるごと受け取ることができます。
また、制限がないためスポンサー契約が自由になるところもプロランナーのメリットです。
大手スポーツメーカーとスポンサー契約を結んだ場合、ウェアやシューズの提供や、生活費の資金援助がある場合もあります。
また、大会で輝かしい成績をおさめた場合には、スポンサー企業独自の報奨金が与えられることもあります。
スポンサー契約料は企業によって異なりますが、トップ選手の場合、年契約で数千万円以上になることもあります。
人気のあるトップ選手は、スポーツメーカーだけでなく、生命保険会社や航空会社など、さまざまな大手企業からのオファーが殺到し、複数の企業とスポンサー契約をしています。
そのため、スポンサー契約だけでも年収は数千万円にのぼります。
また、トップ選手になると大会に出場するだけで出場料が支払われ、大きな大会だと100万円以上の出場料が贈られます。
このように、プロランナーの場合、実力次第で数千万円以上の年収を稼ぐことができます。
日本マラソン界で最も稼いでいる選手について
日本のマラソン界で最も稼いでいるといわれる選手は、大迫傑選手です。
大迫選手はこれまでに、ナイキ、SONY、デルタ航空などの大手企業とスポンサー契約を結んでおり、具体的な金額は明らかではありませんが、スポンサー収入だけでも数千万円といわれています。
また、大迫選手は2020年に開催された東京マラソンで日本記録を更新し、日本実業団連合より賞金1億円が贈られました。
さらに、東京マラソン財団から賞金500万円、4位(順位)に対しての賞金100万円が贈られ、この大会だけで1億円以上の賞金を稼ぐ結果となりました。
大迫選手は2018年のシカゴマラソンでも日本記録を更新しており、数年の間に2度も日本記録を更新し、合計賞金2億円を手にしています。
(※日本実業団連合による日本記録報奨金1億円制度は、2015年〜2020年まで実施され、2021年現在は終了しています)
世界的なトップマラソン選手の年収
世界的トップマラソン選手として注目されているのは、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手です。
キプチョゲ選手は、マラソン世界記録を保持しており(2021年現在)、2021年の東京オリンピックでも優勝を果たしています。
2013年〜2021年の間に、ロンドンマラソン、ベルリンマラソン、シカゴマラソン、東京オリンピックなど数々の世界的大会で計12回も優勝しています。
世界的マラソン大会の優勝賞金は年度によって変わってきますが、概ね以下のとおりです。
・ロンドンマラソン $55,000 約605万円
・ベルリンマラソン €40,000 約500万円
・シカゴマラソン $100,000 約1,100万円
また、世界記録更新者にはボーナス賞金約600万円(ベルリンマラソン)、東京オリンピックの金メダル獲得者には賞金500万円が贈られています。
キプチョゲ選手は、優勝賞金だけでもかなりの金額を稼いでいることがわかります。
大会賞金以外にも、スポンサー企業からの年間サポート金額などを合わせると、キプチョゲ選手の推定年収額は$500,000(約5,500万円)以上といわれています。
まとめ
マラソン選手の年収は、実業団選手かプロランナーかで大きく違います。
現役を引退しても、タレント活動などを通してマラソンの魅力を発信している人もいます。
マラソン選手は、大会の成績だけでなく、スポンサー契約金や個人としての活動で大きく変わるため、実力次第で億単位のお金を稼ぐこともできる競技です。
将来マラソン選手になりたいという人は、今回の記事を参考にしてみてください。
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