日本で社会人が行っている野球には、プロの12球団の他に、独立リーグ、社会人野球、草野球などがあります。
これらはいったいどういった違いがあるのでしょうか。
どこまでがプロ野球でどこからがアマチュア野球?
草野球って?
今回は野球のアマチュアとプロの違い、そして草野球について徹底調査しました。
【草野球】アマチュアとプロ野球の違い
まずはプロ野球とアマチュア野球の違いから。
たくさんある野球のどこまでがプロに分類されるのでしょうか?
プロに分類される野球
一般的にプロ野球といえば、日本野球機構(NPB)が統括するセ・リーグとパ・リーグのことを指します。
NPBはNippon Professional Baseball Organizationの略。
名称にもプロフェッショナルと入っています。
年俸は、上は数億円。
下限は1軍で1600万円と決められています。
2軍の下限は440万円、育成選手の下限は240万円です。
独立リーグもまたプロに分類されるリーグ。
こちらは日本独立リーグ野球機構(IPBL Japan)が統括しますが、
これはIndependent Professional Basaball Leagueの略で、こちらにもプロフェッショナルと入っています。
しかし年俸は300万円程度から、チームによっては0ということも。
選手はシーズンオフにアルバイトをしながらプロ野球(NPB)を目指します。
アマチュアに分類される野球
社会人野球は、アマチュア野球のうち社会人が行う野球を指す言葉。
統括する日本野球連盟の登録規約では「競技者としての報酬を一切受けていないこと」が条件となります。
実際には実業団のチームの選手はほとんどの時間を野球に費やしますが、所属は総務部など一般の社員と同じ。
報酬も基本的に所属する会社の一般的な給料と同じ額で、競技者として引退した後も社員として会社に残ることが多くなります。
アマチュア野球には、この社会人野球に加えて学生野球(大学・高校・専門学校など)を加えるのが一般的な考え。
もっと広い意味では学童野球(中学・少年野球)や草野球もアマチュア野球に分類されますが、アマチュア野球を管理する全日本野球協会の統括する範囲には入っていません。
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【草野球】とは
草野球は、広い意味では素人が集まって楽しむ野球ということになります。
社会人野球のように会社のチームに所属するのではなく、自分たちでチームを作り、運営や練習場所の確保なども自分たちで行うものが草野球。
接頭語の「草」は野原という意味ではなく、「草相撲」や「草競馬」と同じように「本格的ではない、広く誰でも」という意味を持っています。
【草野球】独自のルール
一方で、草野球には全国大会も存在。
厳密な意味での草野球には、プロ野球や社会人野球にはない独自のルールもあるのです。
草野球は軟式野球
最も大きな違いは、草野球が軟式野球であることです。
ゴムのボールを使う軟式野球は日本独自の野球。
軟式野球の全国大会も開かれていますが、軟式野球と草野球の違いは、全日本軟式野球連盟の規定に基づく活動であるか、また本気であるかどうかといったことになります。
例えば全日本軟式野球連盟の規定ではユニフォームはチームで統一しなければなりませんが、草野球ならバラバラでもOK。
ただし大きな大会やリーグ戦では統一ユニフォームが必要な場合もあり、草野球にも本気のチームはたくさんあります。
イニング数と試合時間
プロ野球やアマチュア野球のイニングは9回ですが、草野球は試合時間を短縮するために1試合7イニングと決まっています。
また一般的な野球に試合時間の制限はありませんが、草野球は1試合90分制限です。
90分を過ぎた後、そのイニングが終わるまで続けられることもありますが、継続時間は一般的に最大10分間。
100分を過ぎると審判の判断で試合終了となります。
勝ち越している後攻の攻撃中に90分を過ぎると、サヨナラ勝ちが成立。
4回裏終了前に90分経過するとノーゲームとなります。
コールドゲーム
プロ野球にはコールドゲームはありませんが、草野球では10点差以上で即コールドというのが一般的。
対戦相手と実力差があると1回で終わってしまってしまうこともあるのです。
ただし大会によっては制限時間内であれば4回終了時点までは試合を継続することもあり、コールド成立の点差が独自に規定されていることもあります。
臨時代走
臨時代走はデッドボールや走塁中の負傷で治療が必要な場合に、直前の打者が臨時で代走をすること。
プロ野球には控え選手がたくさんいるため認められませんが、草野球は控え選手の少ないチームが多く、臨時代走が認められています。
審判
日本のプロ野球やアマチュア野球の審判は4人制が一般的ですが、草野球では審判は基本的に1人。
4000円から7000円が相場の審判代を削減するのが大きな目的で、両チームが合意したときは2名の審判で行うこともありますが、逆に審判が1人もいないセルフジャッジが認められることもあります。
まとめ
複数のチームに所属して年間200試合以上に出る人もいる草野球。
一般的なアマチュア野球が数十万人規模であるのに対して、その10倍近い人が草野球を楽しんでいるとも言われています。
チームに入るのも、チームを作るのも簡単。
日本の野球を支えているのは草野球であるといえるかもしれません。
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