パリオリンピックの注目競技の一つがバレーボール。男子は2023年9月30日から10月8日に開催されたオリンピック予選で見事出場権を獲得しました。
一方の女子の出場権獲得はまだ。どのような条件をクリアすれば、出場することができるのでしょうか?
今回は、女子バレーボールのパリオリンピック出場条件を特集。残りの出場枠と、女子日本代表が出場権を獲得できる見込みについて解説します。
バレーボールのパリオリンピック出場枠について
まずはパリオリンピックのバレーボールの出場枠と、出場国の決定方法について解説します。
バレーボールは世界中で愛されている競技なのに、その出場枠があまりにも狭き門で驚くかもしれません。
出場枠
オリンピックのバレーボールの出場枠は、男女それぞれわずか「12」。
国際バレーボール連盟に加盟している国が222もあることを考えると、12というのはあまりに少ないともいえます。それだけにバレーボールでオリンピック本戦に出場するのは大きな名誉であり、多くの選手にとっての目標なのです。
出場枠の決定方法
2024パリ大会の出場枠は、以下の順で決まります。
①開催国:1カ国(フランス)
②オリンピック予選:6カ国
③FIVB世界ランキング(ネーションズリーグ予選ラウンド終了時点)
以下、②と③について解説しましょう。
オリンピック予選
パリオリンピックのバレーボール競技の予選は、開催国のフランスを除く2022年9月12日時点のFIVB世界ランキング上位24チームで争われました。
この24チームをランキング順に8チームずつ3つのプールに分け、2023年秋に3か国で予選大会を開催。各プールの上位2チームがオリンピック本戦出場を決めました。ちなみに日本で開催された予選大会は「ワールドカップバレー2023」を兼ねた大会でした。
その結果は、以下の通りです。
男子
予選の組 | 開催国 | オリンピック出場を決めた国 |
プールA | ブラジル | ドイツ・ブラジル |
プールB | 日本 | アメリカ・日本 |
プールC | 中国 | ポーランド・カナダ |
女子
予選の組 | 開催国 | オリンピック出場を決めた国 |
プールA | 中国 | ドミニカ共和国・セルビア |
プールB | 日本 | トルコ・ブラジル |
プールC | ポーランド | アメリカ・ポーランド |
この時点で男子は本戦出場権を獲得しました。
一方、女子は12の枠のうち開催国フランスの1と予選の6枠が決まった時点で本戦出場を果たせず、③のFIVB世界ランキングに出場を賭けることになりました。
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【女子バレー】パリオリンピック出場条件
昨年秋のオリンピック予選が終わった時点での残り出場枠は「5」。
この枠は、大きくポイントが変動するネーションズリーグの予選ラウンド終了時点のFIVB世界ランキングで決まります。
具体的には、開催国とすでに出場を決めている国を除いた中で上位5チームに入る必要があるということ。
ただし、その前に1つ条件があります。
大陸枠
オリンピックのバレーボールは、アジア・アフリカ・欧州・北中米・南米の各大陸連盟から少なくとも1チームは出場するという決まりがあります。
男子の場合、アジア・欧州・北中米・南米からはオリンピック予選で出場国が決まったため、残り1枠にはアフリカのランキング最上位国が必ず入ります。
そして女子の場合、欧州・北中米・南米からは出場国が決まっているため、アジアとアフリカから少なくとも1カ国が入るのです。
アフリカから1カ国入って1枠減るため、日本が入る可能性がある残り枠は「4」ということになります。
アジア枠の可能性
では日本がアジア枠で入る可能性はあるのでしょうか。
2024年5月29日時点でのアジア各国のランキングとポイントはこうなっています。
順位 | 国 | ポイント |
6位 | 中国 | 337.12 |
8位 | 日本 | 312.78 |
13位 | タイ | 212.60 |
37位 | 韓国 | 104.59 |
上位の中国とのポイント差は24.34。
この差をネーションズリーグ中に逆転するのは、中国が大きく負け越さない限り容易ではないといわれています。つまりアジア最高位での出場権獲得は難しいということです。
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ランキングで出場を決める可能性
アジア枠が中国に決まった場合、残りは3枠。日本はネーションズリーグ終了時点で、すでに出場を決めている国を除いた3位以内に入る必要があります。
ここで2024年5月29日時点での全体のランキングを見てみましょう。
順位 | 国 | 五輪出場を決めている国 | ポイント |
1位 | トルコ | ◯ | 380.93 |
2位 | ブラジル | ◯ | 373.51 |
3位 | ポーランド | ◯ | 362.60 |
4位 | アメリカ | ◯ | 355.23 |
5位 | イタリア | 343.79 | |
6位 | 中国 | 337.12 | |
7位 | セルビア | ◯ | 322.14 |
8位 | 日本 | 312.78 | |
9位 | オランダ | 286.67 | |
10位 | カナダ | 286.45 | |
11位 | ドミニカ共和国 | ◯ | 286.23 |
12位 | ドイツ | 223.38 | |
13位 | タイ | 212.60 |
太字はオリンピック出場枠を争っている国。すでに出場を決めている国を除いた日本の順位は3位です。アジア枠で上位に入りそうな中国を除けば、残り3枠中2位になります。
そして注目はすぐ下につけているオランダ、カナダとの差。どちらもネーションズリーグに出場していますが、9位のオランダとは26.11ポイント、10位のカナダとは26.33ポイントの差になります。
少し大きな差がついているため、ここから日本が大きく負け越さなければオリンピック出場の可能性は高いといえそうです。
まとめ
バレーボールの世界ランキング対象大会のポイントは少し複雑。ランキングの低いチームが格上を破ると変動が大きくなるなど、対戦チームのランキングを比較してポイントが変動します。また勝敗だけでなくセットカウントによってもポイントが変動。つまりパリオリンピックに向けて日本は、ランキングで格下のチームに取りこぼしをしないことが重要になります。
オリンピック出場がかかった大切なネーションズリーグの予選ラウンド、しっかり応援しましょう!
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