かつて「フリスビー」と呼ばれたフライングディスク。公園で投げて遊ぶものというイメージが強いものですが、実は公式種目が12もあるスポーツだということをご存知でしょうか?
ここではフライングディスクの種目の中から代表的なものをいくつかご紹介します。
フライングディスクの歴史と定義
フライングディスクは1940年代にアメリカのエール大学に通う学生がパイ皿を投げたのが始まり。そのパイを販売していたのが「フリスビー・パイ」という店だったことがフリスビーという名前の由来です。1948年にはプラスティック製の安全なディスクが登場。長い間、広い場所で遊ぶ玩具として親しまれてきました。
1984年になると、フリスビーの特性を生かした競技が11種目考案され、このディスクと11の種目を総称する一般名詞として「フライングディスク」が制定されました。つまりフライングディスクという言葉はあのディスクと同時に競技のことも表しているのです。
日本では世界公認の11種目にプラスしてソフトディスクを使ったドッジボールの「ドッヂビー」を含めた12種目を公認としています。
今やフライングディスクは世界的に大人気のスポーツ。世界フライングディスク連盟には100近い国と地域が加盟している上、国際オリンピック委員会の承認団体にもなっています。近い将来、オリンピック競技になるかも。
ではフライングディスクにはどのような種目があるのでしょうか? いくつかご紹介します。
アルティメット
アルティメットはラグビーやアメリカンフットボールのように敵陣地にディスクを運ぶ種目。
7人1チームで対戦し、ディスクをパスして運びます。エンドゾーン内でキャッチすると得点。ラグビーなどと違い、ディスクを持った選手が歩くことは禁止。また敵選手との接触も禁止です。
パスされたディスクを受け取れずに地面に落としたら敵チームにディスクが渡ります。スピードと持久力が必要で、スピリット・オブ・ザ・ゲームの理念に基づいたセルフジャッジ(自己審判制)を採用していることからアルティメット(究極)と名付けられています。
ディスクゴルフ
ディスクゴルフはその名の通り、ディスクを使ったゴルフ。ゴルフの穴の代わりに、バスケット型の専用ゴールにディスクを投げ入れます。ディスクは普通に投げる代わりに転がしたり滑らせたりしてもよく、また状況に合わせて何枚かのディスクを使い分けるこもできます。
レジャースポーツとしても人気で、近年日本中に専用コースもできています。
フリースタイル
フリースタイルはディスクを使った新体操のような種目。1枚または複数のディスクを音楽に合わせてスロー(投げ)、キャッチしながら演技します。完成度、難易度、芸術性で審判が採点。2〜3人のチームで行うのが一般的です。
基本技は、回転しているディスクを爪の上で操るネイルディレイや、両腕の端から端までディスクを転がすボディーロールなど。フライングディスク競技の中でも最も華やかだと言われています。
ディスカソン
ディスカソンはディスクとマラソンを合わせた競技。約1kmの林間コースの中に数十ヶ所のディスク通過ポイントが定められていて、プレイヤーは2枚のディスクを交互に投げながら進んでいきます。
またコースの途中には数ヶ所の標的が。規定ラインの後ろからスローしてこれをクリアできれば、短縮コースを走ることができます。地形や風に合わせて正確に投げる技術が必要。さらに起伏のあるコースを走って体力を消耗しても正確に投げ続ける精神力も求められます。
ディスタンス
ディスタンスはディスクの飛距離を競う投擲種目。複数のスローイングサイトから2分30秒以内に5回スローし、地面に落ちた地点までの距離を計測します。一般的にレジャーでフライングディスクは数mから10mほどの距離で行いますが、この競技では300m以上という記録も出ています。
日本記録は100m台後半。年齢によって記録が区分され、他にも車椅子ディスタンス、インドアディスタンス、着地した瞬間ではなく転がって静止した地点で計測するローラーディスタンス、歴史に敬意を表したフリスビー皿ディスタンスなども行われています。
アキュラシー
アキュラシーはスローの正確性を競う種目。1.5m四方のゴールに様々な距離と方向から7分間に合計28投し、ゴールの通過数を競います。最も近いときでも13.5m、遠い場合は31.5mも離れているため、ゴールするのはかなりの難易度です。
セルフ・コート・フライト
セルフ・コート・フライトは、スローしたディスクを自分でキャッチする種目。
ディスクを投げてからキャッチするまでの対空時間の長さを競う「マキシマム・タイム・アロフト」と、投げてからキャッチするまでの距離を競う「スロー・ラン・アンド・キャッチ」の2つを行い、そのスコアを組み合わせた総合スコアで競われます。
まとめ
フライングディスクの競技はバラエティ豊か。その一方で世界記録と日本記録の間にはまだ大きな隔たりがあります。頑張れば日本代表も夢ではないかも。多くの人が触れたことのあるフライングディスクで練習ができますから、興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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