サッカーにはJリーグ、バスケットボールにはBリーグといったプロリーグがあり、そのリーグでプレーする選手がいわゆるプロ選手です。
現在、日本にはラグビーのプロリーグは存在していないため、プロのラグビー選手とは一般的に社会人リーグでプレーする選手を指します。
2022年1月にスタートする新リーグも完全なプロリーグではなく、今後の展開はやや不透明です。
現在の日本代表のメンバーは外国籍の選手も含めて全員社会人リーグのチームに所属しています。ただ、その中にはチームとプロ契約を結んでいる選手もいるので、プロ選手がいないわけではないという少々複雑な構造になっています。
社会人選手、プロ選手、いわゆる「ラグビー選手」になるにはどうすればいいのかを解説していきます。
新リーグは発足から間もなく、詳細は不明な点も多いため、本記事では掲載時点での社会人リーグをベースに解説しています。
プロラグビー選手の現状
国内でラグビー選手として活躍する人は社会人リーグに所属してプレーをしています。社会人リーグは企業が運営する社会人チームによって構成されているリーグです。
社会人チームとは、企業が福利厚生の一環として運営している社員向けの部活のようなもので、その企業に所属する「ラグビー部」ということになります。
選手はその企業の社員として働きながら、ラグビー部の活動をするというのが社会人リーグで活躍する選手の主な活動方法です。
つまり、ラグビー選手の多くはサラリーマンとして働きながら選手としてプレーするということです。
企業から給与が支払われ、ラグビー部員としての手当が支払われます。大きなお金を手にすることはできませんが、安定した収入が得られます。
外国籍の選手など、プロ契約をしている選手はその年の成績や人気などに基づき年俸が支払われます。
年俸以外にも、スポンサー契約を行ったりメディアに出演した場合のギャランティなども入るので、プロ選手になると年収が数千万を超える人もいます。
ラグビー選手になるには
ラグビー選手になるためには、社会人チームと契約する必要があります。社会人チームに所属するためにはどうすればいいのでしょうか。
・スカウトを受ける
基本的にはチームからのオファーを受けて入団することになるため、高校・大学と強豪チームでプレーしているケースがほとんどです。
学生時代に全国大会などに出場している間にスカウトの目に留まり、入団に繋がっていくパターンが多いようです。
・強豪校でプレーする
スカウトを受けるためには強豪校でプレーしている必要があります。
最終的にラグビー選手になる人たちの多くは高校もしくはそれ以前からラグビーを始めています。残念ながら、サッカーなどに比べるとユースチームのような活動の場が多くないことが難点です。
高校になると「花園」の通称でおなじみの全国高等学校ラグビーフットボール大会があり、この大会に出場するような学校に進むことができれば、その後の大学の強豪校への進学、社会人チームへのスカウトへとつながっていきます。
最終的に社会人選手となるためには、高校入学前からの道筋がそれなりに必要だということです。
・トライアウトを受ける
強豪校でプレーしていなかった選手にも、ラグビー選手になるチャンスはあります。
20歳以上のラグビー経験者であれば、このトライアウトを受験することができます。
ただし、過去に社会人リーグのチームに所属した経験のある選手は受験できません。
学生時代、特に大きな実績を残せずスカウトの目にとまらなかった選手でも、トライアウトに合格すればラグビー選手として活躍する可能性があるというわけです。
プロラグビー選手になるには
社会人選手として活躍し、日本代表に選ばれるレベルにまでなってくると、ラグビーに専念するために強豪チームとプロ契約を結ぶ場合があります。
また、海外のチームでプレーする場合もプロ契約になります。
もちろん、最初からプロ契約を目指すことも可能ですが、学生時代によほどの実績がない限り難しいでしょう。
日本代表の選手として有名な松島幸太郎選手は、桐蔭高校を卒業後、大学には進学せず世界でも超強豪国である南アフリカのチーム、シャークスのアカデミーに入団しました。
高校時代から、選手として有望だった松島選手は大学でも強豪校への進学が可能だったでしょう。
しかし、プロの選手になることも見据えて松島選手は南アフリカへ渡りました。
高校時代から実力が認められていた松島選手だからできたことと言えなくもありませんが、プロ選手になるには海外の育成機関に進むという道もあるということです。
2021年からスタートする新リーグでは、プロ化するチームもあり、最初からプロ契約を行う選手も増えていく可能性が高いと思われます。
まとめ
2022年1月に開幕するリーグ戦は、今までのトップリーグからスタイルが刷新されることになっています。
JリーグやBリーグのような完全なプロリーグではありませんが、企業に所属する「ラグビー部」から、親会社の支援を受けつつチームを法人化して独立採算とする、プロチームに近い形となっていく予定です。
現状では完全なプロ化は義務付けられていないため、選手全員がプロ選手になるわけではありません。いずれにしても、プロ選手が今後増えていくことは間違いなさそうです。
新リーグ「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」が発足し、国内における社会人ラグビーの在り方が今後大きく変わっていく可能性が高まっています。
選手を目指す人、ラグビー観戦が好きな人、多くの人々の期待が高まる展開になりそうですね。
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