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タッチフットボールの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

タッチフットボールという競技について、皆さんはご存知でしょうか。

「名前だけは知っているけど……」「よくわからないけど、アメリカンフットボールに近い競技なのかな?」そういう認識の人は多いのではないでしょうか。

アメリカンフットボールによく似ている、というのは正解で、“球技界における格闘技”などと呼ばれることもあるアメリカンフットボールとは違い、女性や子供でも安全に行うことができる競技であるとされているスポーツでもあります。

アメリカンフットボールとは何が違うのか?そしてこの競技にはどのような魅力があるのか?

今回はそれらを詳しく紹介していきます。

タッチフットボールの起源・歴史について

多くの方々が想像しているように、タッチフットボールはアメリカンフットボールから派生したスポーツです。アメフトの正確な起源についてはわかっていませんが、元々はサッカーやラグビーから発展したスポーツであることは判明しています。

1869年にアメリカで初めて、ラグビーよりもサッカー寄りのルールでのフットボールの試合が行なわれ、その後の1876年には現在により近いアメフトの初めてのルールが起草されたとされています。

そして1882年に、エール大学のウォルター・キャンプ主将がルール改革を行なったことにより、現在の大本となるルールが完成しました。

ただし、少しでもアメリカンフットボールを知っている方ならご存じのように、アメリカンフットボールは頭から足までがっちりと防具で固めて行うスポーツです。

その理由は、激しく選手同士でぶつかり合うことが多いため。

世の中にはたくさんのスポーツがありますが、ボールを持っていない選手をタックルして妨害することが許されるスポーツは決して多くはありません。

その激しさが魅力でもありますが、同時に危険度の高いスポーツでもあるのは事実です。

タッチフットボールもまた、アメリカで始まった当初は防具を身に着けて行うものでした。

1946年、アメリカの進駐軍により紹介され、後に高等学校アメリカンフットボールへと発展していくことになる11人制によるタッチフットボールです。

現在の6人制のタッチフットボールとは人数が異なりますが、アメリカンフットボールとは違って名前の通り“タックルではなくタッチで相手を止める”ということは現在と共通しています。

同時にもう一つ、女性でもできるスポーツとして考え出されたものがあります。

それが後述する、日本におけるタッチフットボール史で紹介している6人制のタッチボールなのです。

日本におけるタッチフットボール史について

11人制のタッチボールは、先述したように防具をつけて行うものでした。

それが今の日本における、防具をつけずに女性や子供でもできるスポーツとして発展した起源は、実は非常に新しい物だと言われています。

1990年、慶応義塾大学環境情報学部の冨田勝教授は、彼自身のアメリカ留学時代の経験を元にして、6人制タッチフットボールを紹介しました。新しい大学女子競技スポーツの一環として日本に必要なものだと考えたからです。

富田教授はスポーツに対して強い熱意を持つ人物であり、高校時代は馬術部に所属し、国体2回出場、なんと関東大会個人総合準優勝という素晴らしい成績を収めています。

この人がいなければ、日本でタッチフットボールが認知されることはなかったかもしれません。

富田教授は1992年には日本タッチ・アンド・フラッグフットボール協会(JTFA)を設立し、監事を務めました。

タッチフットボールと関連のあるスポーツ・派生したスポーツ

元々アメリカンフットボールから派生したスポーツであるタッチフットボールですが、実は他にもアメリカンフットボールから派生したスポーツがあります。

タッチフットボールとはまさに兄弟と言っても過言ではないスポーツ、フラッグフットボールです。タッチフットボールはタックルの代わりに相手をタッチすることで“攻撃を止める”スポーツですが、フラッグフットボールはタッチではなく相手の腰の左右につけたフラッグを抜き取ることで同じことを行います。

敵味方の選手同士の接触は原則禁止となり、それにより安全性が増したことで幅広い層で楽しむことができるスポーツとして広まりました。

アメリカンフットボール、タッチフットボールとの違いは人数にもあります。

アメリカンフットボールが11人、タッチフットボールは(現在の日本で主流となっているものの場合)6人で行うのに対し、フラッグフットボールは原則5人と定められています。

ただし、あくまで一度にフィールドに出ることができる人数が5人までというだけであり、交代に制限がないため、交代要員としてなら1チームの人数に制限はないようです。

【関連記事はこちら】⇩
アメリカンフットボールの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

タッチフットボールの競技人口について

残念ながら、タッチフットボールの明確な競技人口のデータはありません。

1990年以降、“誰でもどこでも楽しむことができる”アメフト”として広まったタッチフットボールですが、1970 年代のアメリカンフットボールへの移行現象により、タッチフットボールの競技対象者が減少傾向にあるという指摘もあります。

防具が必要なく、ボールさえあれば安全にできるタッチフットボールですが、高校生以上の男性にとってはより刺激的なアメリカンフットボールに魅力を感じる傾向にあるようです。

また、先述したフラッグフットボールが、より選手との接触が少なく安全性の高いフットボールとして広まりつつあります。

小学生などの子供にさせるならば、フラッグフットボールの方が適しているという意見もあり、その中間であるタッチフットボールはなかなか競技人口が増えにくいという背景があるようです。

タッチフットボールのルールについて

基本的にはアメリカンフットボールのルールに準じたものとなります。

フィールドの大きさは、横40ヤード、縦80ヤード。6人制のタッチフットボールでは、オフェンス6人、ディフェンス6人でプレーを行います。

アメリカンフットボールと同じように、オフェンス側が4回の攻撃権を持っており、その4回の間に合計で10ヤード自陣を前進させることができた場合はさらに続けて4回攻撃権を得ることができるのです。

ただし、その間にボールをインターセプトされてしまえば攻守が逆転します。また、10ヤード前進できなかった場合も攻守は入れ替わることになります。

相手のエンドゾーンにボールを持ちこめば6点が貰え、その後のトライフォーポイントでさらに追加得点を狙うことができます。

エンドゾーンにボールを持ちこんで得点することを“タッチダウン”というのも、アメリカンフットボールと同じです。

タッチフットボールの国際的な大会について

現状、タッチフットボールの大きな世界大会は開催されていないようです。

しかし、日本国内で見れば大学女王と社会人女王の一発勝負による、冬の日本女王決定戦とされるさくらボウルや、大学の選手も社会人選手も共に参加可能とされている、春の全日本女王決定戦全日本オープン選手権・シュガーボウルなど、いくつも大きな大会が開催されています。

世界から見た日本のタッチフットボールの強さのレベル

大きな国際大会がないため、現状日本の強さがどれくらいであるのかを推し量ることは難しいことでしょう。

また、日本国内での大きな大会はいくつも開催されているものの、競技人口が伸び悩んでいる傾向にあるのは事実であるようです。

その原因の一つとして、タッチフットボールが日本に導入された当初は“女子が行うことができる”フットボール競技”としての珍しさから多くのメディアへの露出があったものの、近年はそれも減少し、タッチフットボールの存在そのものが認知されづらくなってしまった傾向にあることが大きいようです。

実際はアメリカンフットボールと同じく、多彩な戦略性と魅力ある競技であるタッチフットボール。まずは日本国内で認知度を上げることこそ、最初の課題と言えるのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アメリカンフットボールよりも危険度が低い反面、刺激が少ないスポーツだと考えている人もいるかもしれません。

しかし、実際は“女性や子供でも”楽しむことができるスポーツ”であって、決して“女性や子供だけしか楽しめないスポーツ”ではないのです。

むしろ高い防具の購入が必要なく、ボール一つで気軽に始めることができる、初心者にとっても始める敷居の低い競技と言えます。

興味を持った方は是非、積極的にこの競技について調べてみることをお勧めします。

きっと新しい魅力を発見することができることでしょう。



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初音

初音

おうちでまったり、頑張る人達を応援するのが好きです。

インドア派ですが、スポーツをはじめ頑張っている人達をおうちで応援してる系ライターです。子供の頃は水泳大好き少女でした。運動音痴だけどスポーツ見るのは大好きです!

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