ランジは下半身を鍛える筋トレの種目。
マシンやダンベル、バーベルを使わずにできる「自重筋トレ」の一種で、自宅でも効果的に下半身のトレーニングができます。
しかし下半身トレーニングとして有名なスクワットと比べてマイナーな種目で、やり方を知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、ランジの正しいやり方をご紹介。
その効果や注意点についても解説します。
【ランジ】とは
ランジは、足を前後に大きく開いた状態で前の膝を曲げて沈み込み、戻してまた沈み込む動作を繰り返す筋トレ種目です。
ランジとスクワットの違い
下半身トレーニングで最も有名なスクワットは、足を横に開いた状態で膝を曲げて沈み込む筋トレ。それに対してランジは縦に足を開きますが、スクワットとランジには、主に以下のような違いがあります。
①スクワットは両足を鍛える運動で、ランジは片足ずつ鍛える運動
②スクワットは高負荷なトレーニングができるが、ランジではできない
スクワットは両足を同時に鍛える運動ですが、ランジは前に出した脚を集中的に鍛える運動です。
こう聞くとスクワットの方が効率的に感じられますが、左右を同時に鍛える運動では実はフォームの乱れや癖で片方に負荷が集中しがち。片脚ずつ鍛えられるランジの方が、結果的に左右のトレーニングの差が生まれにくいというメリットがあります。
一方でスクワットはバーベルを担いで高負荷なトレーニングができるのが特徴です。
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【ランジ】メリット
ランジを行うとどのような効果・メリットがあるのでしょうか?
主なメリットは以下の4つだと言われています。
①痩せやすい体質になる
②脚のラインが美しくなる
③姿勢が良くなる
④スポーツのパフォーマンスが向上する
痩せやすい体質になる
人が痩せやすいか痩せにくいかに大きく関わってくるのが、基礎代謝です。
基礎代謝は、何も運動をしなくても生命の維持のために消費されるカロリーのこと。基礎代謝が高い状態になれば、運動をしなくても消費されるカロリーが増え、痩せやすい体質になります。
この基礎代謝を高めるために最も重要なのは、筋肉量を増やすこと。
ランジで鍛えられるのは下半身の大きな筋肉なので、効率良く基礎代謝を上げることができるのです。
脚のラインが美しくなる
下半身の筋肉を鍛えると太い脚になると思われがちですが、脚が太くなるのは、タンパク質を多く摂取しながら筋肥大を目指すトレーニングを続けた場合。
一般的なトレーニング量なら、引き締まった美しい下半身のラインになっていきます。
姿勢が良くなる
脚を前後に開いて沈み込むランジでは、左右に姿勢が崩れないようにバランスをとる必要があります。
このときに鍛えられるのが、腹筋や背筋などの体幹。
その結果、背筋が伸びた美しい姿勢になることも期待できるのです。
スポーツのパフォーマンスが向上する
下半身の筋力は多くのスポーツで重要。強化すれば頑強な土台を作ることができ、パフォーマンスがアップします。
また脚を前後に大きく開いて沈み込むランジには、股関節の柔軟性をアップする効果も。よりスムースに動けるようになっていきます。
【ランジ】鍛えられる筋肉
ランジは下半身全体の筋肉をバランス良く鍛えられる運動。中でも重要な筋肉は以下の4つになります。
筋トレのコツは、鍛える筋肉に意識を集中すること。トレーニング中は鍛える筋肉をしっかり意識してください。
①大臀筋
②大腿四頭筋
③ハムストリングス
④腸腰筋
大臀筋
大臀筋はお尻の大きな筋肉。
足を後ろに上げる動作などで使います。
ランジはこの大臀筋を鍛える効果が高い運動。ランジを行って大臀筋を鍛えることでヒップアップ効果が期待できます。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前側の大きな筋肉。大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋の4つの筋肉で構成されているため、大腿四頭筋と呼ばれます。
膝を曲げた状態から伸ばすときに使われる筋肉。
走る、歩くなどの動作に重要な筋肉。鍛えれば走力アップなどの効果が期待できます。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの裏側の筋肉。半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の3つの筋肉です。
ハムストリングスは膝を曲げるときに使う筋肉。
こちらも走る、歩くなどの動作に必要な筋肉ですが、日常生活で鍛えることが難しいため、衰えやすいといわれています。
また鍛えれば太ももとお尻の境がはっきりとしてくるため、美脚効果、脚長効果があるのもメリット。
スクワットよりも深く身体を沈めるランジは、ハムストリングスを鍛える効果が高い運動です。
腸腰筋
腸腰筋は、背骨から股関節の内部に伸びている筋肉。
いわゆるインナーマッスルで、上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉になります。
上半身を直立させた状態でバランスをとりつつ沈み込むランジは、腸腰筋を効率よく鍛えられる運動。
特にデスクワークが多い人は腸腰筋が衰えやすく、それが腰痛の原因にもなるため、日頃から鍛えることが大切です。
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【ランジ】正しいやり方
メリットが多いランジ。しかし正しいフォームで行わないと効果は薄くなってしまいます。
続いては正しいランジのやり方とポイントをご紹介します。
やりかた
やり方は以下のようになります。
①脚を腰幅くらいに開き、まっすぐに立つ
②片足を大きく前に踏み出し、ゆっくりと膝を曲げながら沈み込む
③前に踏み出した膝が90度になるまで曲がったら、ゆっくりと元に戻る
④足を入れ替えて交互に繰り返す
ポイントと注意点
ランジの動きはシンプルですが、フォームが崩れないように、以下の点に注意しながら行ってください。
*つま先はまっすぐ前に向ける
*骨盤が地面に対して垂直になるよう意識する
*特に沈み込むときに上半身が前に傾かないよう注意
*体重は前に踏み出した足の中心にかけるよう意識する
*膝を90度以上に曲げないよう注意
特に背中を曲げて体を前傾させるとバランスがとりやすいため、つい上半身を曲げてしまいがち。背中が曲がるとトレーニング効果が薄れてしまうため注意してください。
回数・頻度の目安
回数は10回から15回が目安。
これを1日3セット行いますが、どちらも自分の体力に合わせるようにします。
そして週に2回から3回行うのが基本。筋肉は鍛えた後に休息させることが重要ですから、毎日は行わないようにしてください。
まとめ
ランジはスクワットとは違う動きで片足ずつ効果的に鍛えられる運動。
スクワットだけでは左右の鍛え方のバランスが崩れる可能性がありますから、普段スクワットを行っている人も、合わせてランジを行うのがおすすめです。
そして基本のランジに慣れてきたら、横方向に足を開くサイドランジや、強く床を蹴って跳ね上がるジャンプランジなどの種目にも挑戦してみてください。
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