総合格闘技の世界で最高峰の団体と言われているUFC。
ボクシング、ムエタイ、空手、ブラジリアン柔術、サンボ、レスリング、柔道などあらゆる格闘技の出身者が集結し戦う夢のステージです。
このUFCにはこれまで多くの日本人選手も参戦。世界最強の座をかけて激闘を繰り広げてきました。
今回はUFCの歴代日本人ファイターを調査。
代表的な選手の特徴もご紹介します。
【UFC】過去の日本人ファイター
まずはUFCに参戦したことがある日本人選手のクラス別一覧から。
それぞれの選手のバックボーンとなる格闘技もご紹介します。
※2023年1月現在
※階級が変わった選手は、主に活躍した階級
階級 | 名前 | 戦績 | バックボーン |
ヘビー級 | 高阪剛 | 3勝3敗 | 柔道 |
ライトヘビー級 | 近藤有己 | 1勝2敗 | 少林寺拳法 |
高橋義生 | 1勝0敗 | レスリング | |
中村和裕 | 0勝2敗 | 柔道 | |
有己空 | 1勝2敗 | 少林寺拳法 | |
ミドル級 | 秋山成勲 | 2勝5敗 | 柔道 キックボクシング |
岡見勇信 | 14勝7敗 | 柔道 ブラジリアン柔術 | |
福田力 | 2勝3敗 | レスリング | |
佐々木有生 | 0勝2敗 | ムエタイ 空道 | |
ウェルター級 | 郷野聡寛 | 1勝2敗 | サンボ キックボクシング |
佐藤天 | 2勝4敗 | 柔道 | |
ストラッサー起一 | 3勝2敗 | ブラジリアン柔術 | |
長南亮 | 1勝3敗 | 空手 | |
中尾受太郎 | 1勝1敗 | 柔道 | |
中村K太郎 | 4勝7敗 | 柔道 ブラジリアン柔術 | |
弘中邦佳 | 1勝3敗 | 柔道 ブラジリアン柔術 | |
吉田善行 | 2勝3敗 | 柔道 | |
安西信昌 | 2勝2敗 | レスリング | |
阿部大治 | 1勝2敗 | 柔道 キックボクシング | |
佐藤豪則 | 0勝2敗 | 柔道 相撲 | |
桜井速人 | 0勝1敗 | 柔道 ブラジリアン柔術 | |
ライト級 | 宇野薫 | 3勝5敗2分 | レスリング 柔道 ブラジリアン柔術 |
菊野克紀 | 2勝3敗 | 柔道 空手 沖縄拳法空手 テコンドー | |
小谷直之 | 0勝5敗 | 柔道 | |
五味隆典 | 4勝8敗 | レスリング ボクシング | |
須藤元気 | 2勝1敗 | レスリング ブラジリアン柔術 サンボ | |
徳留一樹 | 1勝3敗 | 柔道 柔術 | |
粕谷優介 | 0勝2敗 | 空手 修斗 | |
三島☆ド根性ノ助 | 0勝2敗 | 柔道 | |
光岡映二 | 0勝2敗 | レスリング | |
フェザー級 | 石原夜叉坊 | 3勝5敗1分 | 修斗 |
小見川道大 | 1勝6敗 | 柔道 | |
川尻達也 | 3勝3敗 | 修斗 | |
田村一聖 | 1勝2敗 | 修斗 | |
日沖発 | 3勝5敗 | ブラジリアン柔術 | |
堀江圭功 | 0勝1敗 | 空手 ブラジリアン柔術 | |
廣田瑞人 | 1勝5敗1分 | 相撲 ボクシング 柔道 | |
バンタム級 | 金原正徳 | 1勝2敗 | ブラジリアン柔術 |
佐々木憂流迦 | 4勝5敗 | レスリング ブラジリアン柔術 | |
田中路教 | 2勝2敗 | 柔道 | |
手塚基伸 | 0勝2敗 | 空手 | |
水垣偉弥 | 8勝6敗 | 剣道 修斗 | |
山本“KID”徳郁 | 0勝3敗 1無効試合 | レスリング 修斗 | |
清水俊一 | 0勝1敗 | 柔道 | |
松田干城 | 0勝2敗 | 新空手 | |
フライ級 | 漆谷康宏 | 0勝2敗 | レスリング |
平良達郎 | 3勝0敗 | 総合格闘技 キックボクシング | |
堀口恭司 | 7勝1敗 | 空手 | |
井上直樹 | 1勝1敗 | 空手 ブラジリアン柔術 | |
女子バンタム級 | 中井りん | 0勝2敗 | 柔道 |
女子ストロー級 | 近藤朱里 | 1勝3敗 | 空手 |
魅津希 | 1勝1敗 | 空手 | |
村田夏南子 | 1勝1敗 | 柔道 レスリング |
柔道・空手・ボクシング・修斗・レスリング・キックボクシングなど、バックボーンがバラエティ豊かな日本人選手。
しかし現在までに日本人でUFC王者になった選手は皆無。
UFCではほとんどの日本人選手が苦戦しています。
【UFC】主な日本人ファイターの特徴
ではUFCで活躍した格闘家には、どのような選手がいたのでしょうか。
代表的な選手をご紹介します。
堀口恭司
体格的に不利で外国人相手にはなかなか勝てないUFCで抜群の実績を誇ったのが堀口恭司選手。
参戦後3連勝して迎えた4戦目のタイトルマッチでは王者デメトリアス・ジョンソンをあと少しのところまで追い詰めました。
この試合では惜しくも敗れましたが、その後も4連勝。結果、最高位はフライ級ランキング3位、7勝1敗という日本人最高の実績を残しています。
彼の強さの元になっているのは、総合格闘技では珍しい伝統空手というバックボーン。そこで培ったスピードとキレを武器に、トリッキーな踏み込みと強烈な打撃、多彩な戦法を駆使して勝利を重ねました。
岡見勇信
14勝7敗と勝率では堀口恭司選手に負けていますが、勝ち数では日本人唯一の10勝超えを記録している岡見勇信選手。
2006年からUFCに参戦し、雷を意味する「ユウシン“サンダー”オカミ」の愛称で親しまれました。
彼の特徴は身長187cm、体重93kgのしなやかで均整の取れた体型。
しかし彼は新日本プロレスの入門テストに2度落ちたことから、プロレスラーになるための基礎作りとして総合格闘技を始めたというプロフィールの持ち主です。
もちろんその後は総合格闘技の選手として活躍。高校時代の柔道で培ったグラップリング(組み技)を中心にバランスの取れた技でUFCを席巻しました。
宇野薫
総合成績は3勝5敗2分ながら「総合格闘技のパイオニア」であり、「日本人で最もUFC王座に近づいた男」と言われるのが宇野薫選手。
初戦でバンタム級(現ライト級)王者決定戦を戦い、ジェンズ・パルバーに惜しくも判定負け。さらにBJ・ペンとのライト級タイトル戦も大激戦の末、引き分けに終わっています。
彼の特徴は、バランスの取れたオールラウンダーであること。豊富な経験を活かしたクレバーな試合運びを得意としています。
特に得意とするのは寝技。相手にバックポジションを奪われた状態から見事に脱出する「宇野逃げ」で数々のピンチを潜り抜けました。
平良達郎
現在UFCに参戦中の平良達郎選手は、その活躍が期待されている選手です。
総合格闘技ではアマチュア時代から負け知らずで、修斗のフライ級王者となった後にUFCに参戦。
第1戦は判定勝ちながら対戦相手のカルロス・カンデラリオ選手を圧倒し、第2戦では後腕ひしぎ十字固めによる一本勝ちでパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞しています。第3戦も後腕ひしぎ十字固めによる一本勝ち
彼の強みは寝技。総合格闘技のジムに兄と通っていた頃、「2人揃って打撃クラスばかりじゃキモいし、寝技のクラスにも行けば?」と言われてハマったそうで、今ではアメリカでも「マットでの攻防になると輝く、才能豊かなグラップラー」と評されています。
まとめ
平良達郎選手の目標は日本人初のUFC世界王座獲得。
今回ご紹介したように数多くの日本人がUFCに挑戦してきましたが、今まではその全員が高い壁に跳ね返されているのです。
平良選手の活躍、そして日本人王者の誕生に期待が高まります。