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【体操】自動採点システムってなに?高度な仕組みや現状を徹底解説!

日進月歩で技が高度になる体操競技の世界。審判はいったいどうやって採点しているのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。体操競技はDスコア(技の難度)とEスコア(技の完成度)で得点が決まります。

この採点、以前は一人の審判が行っていたのですが、「肘が少し曲がっている」などの微妙な完成度の判定が追いつかなくなり、今では多い場合、100人近くの熟練した審判団が行うようになっています。

そのような状況で登場したのが、3DセンサーとAIによる自動採点システム。

今回は体操競技を進化させる自動採点システムをご紹介します。

体操競技の判定の難しさ

素人目では「何回ひねっているのか全く分からない」などということも多い体操競技。実は熟練した審判でも採点はかなり難しくなっているそうです。

審判は3回転半や4回転もひねっている選手を判定しなければならないのですが、その回転技の時間はわずか0.5秒程度。わずかな角度の違いや手足の微妙な位置で成功かどうかを認定する技も数多くあります。審判員は一瞬も演技から目を離さず、演技の内容を全て速記で記録するという技術も求められます。

常にギリギリの判定となるため、誤審の可能性も無視できません。そこで審判団の上にリファレンス審判、さらにその上にスーペリア審判がいて、誤審に目を光らせることになります。

それでも人間の審判には、真横からしか見ることができないという大きな弱点が。高度で複雑になる体操の技に対処できず、疑惑が残ることもあります。

そこで開発されたのが、自動採点システムです。

自動採点システムとは

体操競技の自動採点システムは、国際体操連盟と富士通が開発を行なってきたもの。3DセンサーとAIを駆使して技の完成度を自動的に測定するというシステムです。

DスコアとEスコア両方の自動採点が可能。この技術はアジア最大規模のIT技術とエレクトロニクスの国際展示会である「CEATEC2019」に出品され、総務大臣賞を受賞しています。

自動採点システムの仕組み

自動採点システムは、4個程度の3Dレーザーセンサーを使用。演技をしている選手にレーザーを1秒間に200万回当てて測定します。

同時にAIが関節の座標などを推測してリアルタイムに各選手の骨格データを生成します。その上でデータベース上にある「技を正しくできたときの骨格データ」と比較することで正しく採点を行うのです。

技の測定では、体軸の回転角度や、肩・腰のひねり角度、腰・膝の曲げ角度、手・足先の位置などの微妙な違いを認識。膨大な「技の辞書」を活用してDスコアやEスコアを採点します。

しかも審判員が真横からしか見ることができないのに対して、3Dレーザーセンサーはマルチアングルビューが可能。あらゆる角度から技を判定することが可能です。

自動採点システムの現状

自動採点システムは、2019年にドイツのシュツットガルドで開催された「世界体操競技選手権大会」の鞍馬、吊り輪、跳馬で採用され、その後の大会でも使用が広がっています。

とはいえ現状では実際の判定は人間の審判員が担当。選手側から採点に関する疑問が上がったときに用いる「自動採点支援システム」という位置付けになっています。

完全な自動化を行うためには、採点規則の改定も必要。例えば「水平支持」の採点の場合、現状では「まっすぐ」なら減点なし、「わずかに曲がる」ならマイナス0.1点、「明らかに曲がる」ならマイナス0.3点、「極端に曲がる」ならマイナス0.5点などと、採点規則の記載が曖昧になっています。これをデジタル化し、腰と肩、膝、足の角度が何度なら減点は何点などと明確にする必要があるのです。

こういった問題をクリアすれば、体操競技の採点は全て自動化される可能性があります。

自動採点が選手も変える

自動採点システムが導入されると選手の演技にも影響があるのでしょうか。

実はひねりが多いなど、技にクセがある選手は減点対象になるケースがあり、減点に対して厳しくなったと言われています。一方で理想とされる技の形がよりはっきりするため、選手はその完成形に近づけることに。

自動採点システムに使われる3Dデータの技術は「体操トレーニング支援システム」として選手のコーチングにも利用されています。体の動きの特徴をグラフや数値で表し、技が認定されるか、減点されないかなどを体感的にチェック。コーチの表現がよく分からないという問題が減る他、コーチ不足の解消にも繋がります。

自動採点が観戦も変える

リアルタイムで採点ができるこの技術を使えば、テレビ中継に技の難易度や完成度を同時表示することも可能。選手の技術や芸術性がどれほど高いのか、視聴者にも直感的に伝わるようになります。

さらに会場の観客にはスマホアプリでリアルタイム解説をすることも。体操競技の観戦の仕方が大きく進化しそうです。

まとめ

ヨーロッパなどでは伝統的に「採点競技の審判は人間が行うべき」という考えがあり、導入当初は反対の声もあったそう。

しかし、より透明性のある採点に向けて自動化が進んでいくのは確実な流れとなっています。体操競技は最新技術を使った自動採点によって大きく変わっていきそうです。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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