ボウリングはレジャーレベルの愛好者がとても多いスポーツ。一般的なレジャーではボウリング場に置いてある「ハウスボール」を使いますが、実は、「アベレージ150以上を目指すならハウスボールは卒業すべき」とも言われています。
なぜならハウスボールは誰でもまっすぐに投げやすいように設定されているため、自分にぴったり合ったマイボールと比べて極端に曲がりにくくなっているのです。しかも重要な指穴の位置がピッタリ合うことは非常に稀。その結果、フォームが安定しないことになります。
とはいえ、マイボールを持つのは心理的にかなりハードルが高いのではないでしょうか。
ここではマイボールの値段や選ぶポイントなどをご紹介します。
ハウスボールとマイボールの違い
ボウリングのボールは、表面の「カバーストック」と、中心部分の「コア」、そして指穴を開ける部分のバランスを取るための「ウエイトブロック」で構成されます。
上級者向けのマイボールの多くはウエイトブロックがなく、コアが非対称で複雑な形をしたものが主流。それによってわざと重心をずらして、回転させやすくなっています。ただしそれは使う人の手の形やフォームに完璧に合った場合に限ります。
一方、ボウリング場備え付けのハウスボールは単純な形の対称コア。さらにウエイトブロックできれいにバランスを取ることで、どのような投げ方でもまっすぐに進みやすいのです。
また表面素材もハウスボールは硬いプラスチックやウレタンを使用して、レーンとの摩擦を小さくしています。これもまっすぐ進むため。これに対してマイボールにはウレタン樹脂に軟化剤を混ぜたリアクティブウレタンなどを使用。摩擦を大きくして曲がりやすくしています。
それらの結果、ハウスボールとマイボールでは曲がりにとても大きな差が出るのです。
ではなぜボウリングのボールには回転が必要なのでしょうか。
それはピンを倒す破壊力のため。回転が強いとピンを絡め取るように倒すことができるのです。
マイボールの価格
マイボールの価格は数千円から5万円ほど。これに穴あけ工賃が5000円ほどかかります。中上級者が使うハイパフォーマンスボールの場合、希望小売価格で3万円以上が一般的です。高くなるとコアはほとんどが非対称。
自分のフォームにぴったり合うものを選ぶ必要があるため、実は初級者には不向きだと言えます。自分のフォームがまだ安定していない初級者の場合は、対称コアが一般的。
対称コアは価格も安くなり、数千円から1万円代となります。値引きも含めて数千円で憧れのマイボールが持てると思えば、意外と安いと言えるかもしれません。
マイボールの選び方
「ならば自分もマイボールを買うぞ!」と思った場合、どのように選べば良いでしょうか。実は選ぶべきポイントはいくつもあります。
コア
ボールのコアは近年急速に進化しています。一見すると同じ形に見えても、中に隠れているコアは非常に複雑な形状で材質も多種多様。
前述のように自分のフォームが固まるまではある程度単純な対称コアの方が使いやすいのですが、メーカーのカタログを見て、その売り文句に夢を膨らませるのもマイボールを買う醍醐味の一つです。
カバーストックの素材
実はボールの曲がりやすさの70%は表面の違いだと言われています。それほどカバーストックの素材は重要なのです。
代表的な素材では、「ソリッド」のタイプは摩擦が大きく、手前から大きく曲がりやすいのが特徴。
「パール」はその名の通りパールが配合された素材で、摩擦が小さくなることで滑りやすく、レーンの奥まで進んでから曲がるようになります。
「ハイブリッド」は、ソリッドとパールをブレンドした素材。曲がりやすさも中間的な性能となります。
カバーストックの表面処理
素材だけでなく、表面の処理の仕方も曲がり方に大きな影響を与えます。表面をわざと少しだけざらざらに仕上げれば、摩擦が大きく曲がりやすいボールに、ポリッシュでツルツルに仕上げれば曲がりにくくなります。
一般的に、素材と合わせて表面が曇っているボールは摩擦が大きく、逆に光っているボールは摩擦が小さいという傾向です。
穴あけ
買うボールを選んだら行うのが穴あけ。まずは手のサイズ、指の角度、関節の硬さなどを細かく測定します。その上で、親指から中指、薬指までの距離(グリップ)を決めます。
グリップが短いと指が穴の奥まで入るためボールの回転は少なめに、長いと指の掛かりが浅くなって回転は多くなるのです。
さらに中指と薬指の距離(ブリッジ)も重要。狭いと指が掛かりやすくなって回転は上がり、広いと回転は弱くなる代わりにコントロールしやすくなります。
破壊力かコントロールか、そのバランスを選びます。
グリップとブリッジが決まったら、レイアウトを決定。コアに対してどの向きに穴を開けるかで曲がり方が変わってきます。ここまで決まったら、ようやくドリルで穴あけです。
しかしこれで終わりではありません。穴あけをした後は微調整が必須。特に親指は重要で、スムースに抜けるよう三角刀やヤスリを使って手作業で仕上げます。
まとめ
ボウリングのマイボールは、体格やクセ、好みに合わせた文字通り自分専用品となるのが魅力。
さらに凝り始めるとレーンとボールの相性まで気になって、何パターンものボールを持つ方もいます。
とても奥が深いマイボールの世界。気になる方は行きつけのボウリング場で相談してみるといいかもしれません。
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