東京オリンピックで日本の男子団体が金メダルを獲得。大きな注目を集めた競技がフェンシングです。
ところがそれはフェンシングの中の何という種目だったのか、忘れてしまっている方も多いのではないでしょうか。
答えはエペ。
ではエペの特徴は?
分からないという方も大丈夫!
ここでは、フェンシングの種類からルール、得点の取り方までご紹介します。
最後まで読めば、きっとフェンシングがもっと理解できるはずです。
【フェンシング】ルール 3つの種目
まずはフェンシングの3つの種目から。
フェンシングにはフルーレ、エペ、サーブルの3種類があり、攻撃できる有効面の範囲や、攻防の仕方に大きな違いがあります。
種目① フルーレ
フルーレの有効面は、胴体のみ。
背中も含みますが、腕や脚は含みません。
そしてフルーレの特徴は優先権があること。
先に相手に剣を向けた方に攻撃の優先権が発生します。
そうなると相手は攻撃できず、剣を払う、叩くなどで剣先を逸らせるか、間合いを切って逃げることに徹します。
うまく攻撃を逃れると、優先権は相手に移動。
こうして攻撃→防御→反撃→再反撃が、一瞬の技と剣のやりとりで展開します。
太田雄貴選手が北京とロンドンオリンピックで銀メダルを獲得したのはこのフルーレ。
日本では最もポピュラーな種目となっています。
種目② エペ
エペの有効面は足の裏も含めた全身。
攻撃に優先権はなく、シンプルに先に突いた方にポイントが入ります。
最も分かりやすい種目ですが、優先権がないだけに相手との駆け引きが重要。
また有効面が広いため、つま先を狙うなど意表を突いた攻めが見られるのも魅力です。
東京オリンピックで日本男子が団体金メダルを獲得したエペは、実は世界的に最も競技人口が多い種目でもあります。
種目③ サーブル
サーブルの有効面は腕も含めた上半身。
フルーレとエペが「突き」だけであるのに対し、サーブルには「斬り」の技も加わります。
「優先権」があるのはフルーレと同じです。
斬りがあるため3種目中最もダイナミックで、しかも最速の種目となります。
種目の選び方
フェンシングの3種目はそれぞれにかなり違った特徴を持っています。
そのため選手は3種類全部を練習することはなく、日本では一般的にフルーレから入ってフェンシングの基本を覚え、その後、「リーチが長い人はエペ」「フットワークが軽い人はサーブル」など、自分の特性に合わせて種目を選ぶことが多いそうです。
一方世界的にはエペから入る人が最も多くなっています。
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【フェンシング】ルール 試合の流れ
フェンシングのコートはピストという名前。
フランス語で「滑走路」という意味で、幅2m、長さ14mというとても細長い形になっています。
一説によるとこれは、城内の狭い廊下での戦いを想定したもの。
ユニークなコートで戦うフェンシングは、前述のように種目によって攻防に大きな違いがありますが、試合の流れやルールはほとんど共通しています。
そのため種目が違ってもそれほど混乱することはないはずです。
個人戦
フェンシングのルールは単純で、相手の有効面に剣先を当てれば1本。
大会によって違いますが、例えばオリンピックの予選は、試合時間3分間で5本先取した方が勝利となっています。
そして決勝ラウンドは3分間×3セットで、15本先取すれば勝利。
規定時間が経過した場合は本数の多い方の勝利で、同点だったときは延長戦となります。
このときは1分間で1本先取した方が勝利です。
種目による違いも少しだけあり、攻撃と守備に分かれるフルーレとサーブルは、延長戦のみ、最初の優先権をコイントスで決めます。
団体戦
団体戦は、1チーム3名。
相手の3選手と総当たりになるため、9試合行われます。
1試合は3分間、または5本先取で終了し、次の対戦へ。
9試合で45本先取したチームの勝利ですが、9試合目までで45本先取できなければ、トータルの本数でリードしているチームの勝利となります。
同点のときは延長戦。
1分間1点先取で行い、やはりフルーレとサーブルでは最初の優先権をコイントスで決めます。
【フェンシング】ルール 得点の取り方
一瞬の攻防で決まるフェンシングは人間の目では判定は困難。
そのため公平に行うため、勝敗の判定は「電気審判機」で行われます。
電気審判機の仕組み
「電気審判機」の仕組みは単純。
選手の持つ剣の先端にスイッチが内蔵されていて、相手の有効面に一定の圧力で触れると通電し、機械が攻撃の有効・無効を判定します。
フルーレでは有効面に当たって剣先に500g以上の圧力がかかることが条件。
エペは750g以上、サーブルは有効面に触れれば有効となります。
有効の場合は赤か緑のランプが付き、無効の場合は白のランプが点灯。
同時に攻撃できるエペのみクードゥブル(同時突き)のルールがあり、25分の1秒以内の同時攻撃なら両者に点数が入ります。
審判
フェンシングは主に機械で判定しますが、審判がいないわけではありません。
審判は試合を進行するほか、ランプがついた攻撃について、ルールに則した攻撃だったか、選手以外の物を突いて審判機が反応していないか、ピストの範囲内で行われた攻撃だったかなどを判断。
またフルーレとサーブルでは、瞬時に入れ替わる優先権の判断も審判が行います。
まとめ
種目は3つありますが、フェンシングのルールはとても簡単です。
反則も、頭を下げる、体でぶつかるなどの危険な行為や、ベンチからの過剰なアドバイスなど少しだけ。
シンプルでエキサイティングなスポーツなのに、日本のフェンシング人口はわずか6000人ほどと非常に少ないのが現状です。
それで金メダルを取ったのはまさに快挙とも言えますが、今後日本のフェンシング界がさらに盛り上がれば、日本が常勝国の仲間入りをする日が来るかもしれません。
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