フェンシングは2人の選手が戦うスポーツで、オリンピック競技にも採用されています。
日本の競技人口は6000人で、世界と比べると少ないスポーツですが、フェンシングは北京大会(2008年)で、太田雄貴選手(フルーレ個人)が銀メダルを獲得し注目を集めました。
しかし、フェンシングのルールや魅力を知らない人も多いのではないでしょうか。
今回はフェンシングを楽しむために、競技の詳細や魅力について紹介します。
フェンシングとは?
フェンシングは選手同士が向き合い、剣で有効面を攻防する競技です。
選手は片手に持った剣を使い、相手の選手の有効面を狙います。フェンシングは3つの種目に分かれていてそれぞれ特徴があります。競技は「ピスト」という伝導性パネルの上で行われ、勝敗が決まる仕組みです。
フェンシングの歴史
フェンシングはヨーロッパが発祥で、中世の騎士道が盛んな時代に「身を守る」や「名誉を守る」を目的に発達した剣術。その後、戦場での実用性が無くなりましたが、貴族や軍人などの基礎的な教養として、競技化されるようになるのです。
1750年、金網のマスクが開発されたことをきっかけに、ヨーロッパ各地で競技会が開催されます。そして、第1回アテネ大会(1896年)にオリンピック競技として、採用されました。
フェンシングの試合時間・勝利条件
フェンシングの試合は男女に分かれ、個人戦と団体戦があります。
個人戦は1セット3分を3回行い、「15点先取した選手」もしくは「試合が終了した時点で得点が多い選手」が勝者です。
その一方、団体戦は1チーム3人による総当たり戦で行われ、試合は1セット3分を9回行い、「45点先取したチーム」もしくは「試合が終了した時点で得点が多いチーム」が勝ちます。
フェンシングのオリンピック歴史
フェンシングは、第1回アテネ大会(1896年)からオリンピックの競技として行われています。アテネ大会では男子個人のフルーレとサーブルが採用され、各オリンピック大会で競技が実施。
女子はパリ大会(1924年)からフルーレ(個人)
アトランタ大会(1996年)からエペ(個人)
アテネ大会(2004年)からサーブル(個人)が採用されます。
東京オリンピック大会(2020年)では、男女を合わせ12種目が行われました。
フェンシングの3つの種目
フェンシングには3つの種目「フルーレ」・「エペ」・「サーブル」があります。3つの種目は、「有効面」・「優先権」・「剣の形状」などがそれぞれ異なっているのです。
以下でそれぞれの種目を紹介します。
フルーレ
フルーレの特徴として、「優先権」を尊重した種目。優先権とは、反撃する権利のことです。
選手は剣を持ち、腕を伸ばしたタイミングが早い方に優先権が発生します。しかし、剣先を逸らしたり、間合いを切ったりすると優先権が無くなるのです。
その後、相手に優先権が移り攻守が逆転します。選手は攻守が変わりながら、ポイントを獲得していきます。フルーレは有効面が胴体のみ(※背中を含む)で、巧みな技と動作の応酬に見応えを感じるでしょう。
エペ
エペは有効面が全身(※足の裏も有効)で、相手より先に突くとポイントを獲得できます。
この種目は相手の有効面が広くなっているため、ポイントを取りやすく、仮に同タイミングで有効面を突いた場合、双方にポイントが入る仕組みです。
ポイントはランプが点灯した選手に入るため、どちらの選手にポイントが入ったのか分かりやすくなっているのです。エペは広い範囲に攻撃可能なため、さまざまな攻防が見られますよ。
サーブル
サーブルはハンガリー騎兵隊の剣技が競技になりました。この種目は有効面が上半身のみで、フルーレやエペと異なり、「斬り」と「突き」の技が加わっています。
サーブルはフルーレやエペに比べると技の種類が多く、白熱した戦いが見られます。
フェンシングの魅力について
フェンシングの魅力は双方の選手が巧みな技を出し合いながら、駆け引きを行うところです。双方の選手は間合いを取り、攻撃する機会を狙っています。勝負は一瞬でつくこともあるため、観戦者は選手の動きから目を離せません。
フェンシングは3種類に分かれ、それぞれの攻撃方法が変わってきます。なぜなら、「フルーレ」・「エペ」・「サーブル」の有効面の範囲が異なるからです。
例えば、エペは全身が有効面なため攻める方法が多くなる一方、フルーレは胴体のみで、攻撃方法が限られるのです。
各種目によって攻撃方法や間合いの取り方が変わるため、フェンシングはそれぞれの種目にしかない良さを満喫できるスポーツです。
まとめ
フェンシングはそれぞれの種類の試合の中で多彩な攻撃を見られ、観戦者も緊迫感を感じられるスポーツです。
競技者は自らが習得したい種類を選び、ルールに従いながら試合に挑みます。
フェンシングはオリンピックの競技として採用されているため、今後も日本や世界で注目を集めるでしょう。
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