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【サスケ】オリンピック種目になりそうな理由を解説!

日本発のオリンピック種目といえば、柔道や競輪、空手が知られています。
そして今、新たな種目が候補に上がっていることをご存知でしょうか。
それは「SASUKE(サスケ)」。
大人気番組ではありますが、そもそもスポーツと言えるかも難しいサスケがなぜオリンピック種目になりそうと言われているのでしょう。
今回は、その理由に迫ります。

【サスケ】 どのような内容?

サスケはTBS系列で不定期に放送されているスポーツエンタテインメント番組。
1997年に放送開始したこの番組は、もともと「筋肉番付」のスペシャル版として生まれたものでした。
番組が特設した「鋼鉄の魔城」と呼ばれる4つのステージをクリアできれば完全制覇となるルール。これまでに4000人以上が挑戦し、4人しか完全制覇していないという難易度の高さも人気の秘密です。
ちなみにステージ全体のコンセプトは「天空の城ラピュタ」で、画面の左から右にプレーヤーが移動する撮影は「スーパーマリオブラザーズ」を参考にしています。
こうして誕生した番組は日本だけでなく海外でも大人気に。世界165カ国で放送され、20か国以上で現地版が制作されるようになっています。例えばアメリカでは「American Ninja Warrior」という番組を放送。
世界的な人気を受けて2014年2月には初の世界大会「SASUKE ASEAN OPEN CUP 2014」も開催されました。

【サスケ】オリンピック種目になった背景

この「サスケ」は単独でオリンピック種目の候補になっているわけではありません。
近代五種競技の一部として採用されそうなのです。

近代五種

近代五種は1人の選手が1日の間に、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ラン)という全く異質な5種類のスポーツに挑戦する競技種目
万能性を競う複合競技であるため、「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれています。

近代五種の歴史

近代五種は近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が自ら考案した種目。
古代オリンピックのペンタスロン(五種競技)に対して「近代オリンピックにふさわしい五種競技を作ろう」と選ばれたもので、クーベルタン男爵は「スポーツの華」と呼びました。
オリンピックの正式競技となったのは1912年のストックホルム大会から。長い歴史を誇る種目で、当初は1日に1種目で5日間かけて競技が行っていました。1996年のアトランタ大会からは1日ですべての種目を行うようになり、2000年のシドニー大会からは女子種目も加わっています。

近代五種の窮状

この近代五種は、1952年のヘルシンキ大会から1992年のバルセロナ大会までは個人の他に団体種目も実施されていましたが、今では団体は廃止されています。
そしてヨーロッパでは王族や貴族のスポーツと呼ばれて人気がある半面、費用のかかる施設や用具が必要なことから競技人口は伸び悩んでいました
さらに東京五輪ではドイツのコーチが馬術の馬を叩いたことが大きな問題に。
人気低迷も重なったことで、競技が五輪から除外される可能性が浮上してきたのです。

障害物競走を導入

そこで国際近代五種連合(UIPM)は5種目の中の馬術を除外し、その代わりとして若い世代に人気の高い障害物レースを導入しようと考えました
以前から障害物レースの五輪競技化に向けて積極的にロビー活動を展開してきたのは、「World Obstacle」という国際団体。
UIPMとWorld Obstacleは2022年の夏にさまざまな障害物レースをテストしました。
その際にテストされる障害として候補に上がったのが「サスケ」のセットだったのです。

IOCに提案

要請を受けたTBSは協力に合意。フランスやポーランドなどヨーロッパの現地版収録で使われている番組セットが使用されました。
テストでは、「Wall Flip(日本名:ウォールリフティング)」などサスケから4種目のセットを使用
サスケ以外の障害物も含めた障害物レースのテストが4回にわたって行われました。
そして2012年11月には、馬術に代わる新種目として障害物レースを採用するかどうかUIPM内で投票が行われ、83%の支持を獲得
国際オリンピック委員会(IOC)に提案することが決まりました。

今後の展開

今回の決定に関してUIPMの会長は、「過去や遺産を忘れてはいないが、私たちは未来に照準を定めている」とコメント。
具体的にサスケのオリンピック登場に向けた動きがスタートしました。
では今後は、どうなるのでしょうか。
まず2024年のパリ五輪では、従来通りに馬術、水泳、フェンシング、射撃、ランニングの5種目で実施。
そしてIOCへの提案が認められれば、2028年のロサンゼルス大会での障害物レース採用が決まります
ただし馬術に代わって障害物レースが導入されるのは、基本的にオリンピックのみ。馬術を含めた近代五種の大会も引き続き行われる予定となっています。

まとめ

日本の番組発の競技であるサスケがオリンピック種目になる・・・夢のような話が現実味を増しています。
UIPMは、新種目となる障害物レースは60mから70mのコースで、14種類の障害物から8種類が選ばれて構成されると発表しています。
障害物の候補にはテレビでおなじみの「反り返った壁」なども。
「名もなきアスリートたちのオリンピック」をコンセプトにしているサスケがまさにオリンピック種目となり、キング・オブ・スポーツのアスリートたちが挑むことになるかもしれないのです。



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