背番号には様々なストーリーがあり、野球界と切っても切り離せないものです。
そんな背番号の中でも特異な背番号とされる「背番号0番」にも特別な意味があります。
今回は特異な背番号である「0番」について解説していきます。
背番号0番を背負う意味とは
元々、背番号は1番〜99番と決められており、背番号0番は存在しませんでした。
しかし、1983年に広島東洋カープである長嶋清幸が背番号0番を使用し、大活躍をしたことから話題となり、日本プロ野球界に浸透していきました。
長嶋清幸は1982年にメジャーリーガーのアル・オリバーが、メジャー初の背番号0番を背負って、ナ・リーグの首位打者になったことで、当時の監督に相談し変更したと言われています。
では、そんな歴史のある背番号0番は現在、どんな意味があるのでしょうか。
ユーティリティープレイヤーやスーパーサブに多い
「背番号0番」は様々なポジションをこなすことが出来る「ユーティリティープレイヤー」に多い特徴にあります。
例えば、本職のショートに加え、セカンドやサード、外野手までこなしていた「バントの神様」と呼ばれた川相昌弘や、内野手・外野手だけでなく、捕手としてチームの危機を救ったことがある木村拓也などが「背番号0番」を背負ってプレーしました。
怪我をして復活した選手に多い
「背番号0番」は元々違う背番号を背負ってプレーしていた選手が怪我をして、復活した際に変更する場合もあります。
「0からのスタート」という気持ちを込めて変更する選手が多いです。
2016年では「怪我を0にする」という願いをこめて、千葉ロッテマリーンズの萩野貴司が「背番号4番」から「背番号0番」に変更しました。
そういった意味を込められることも背番号にはあるのです。
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背番号0番を背負った代表的な選手
次に背番号0番を背負ってプレーした代表的な選手を紹介します。
木村拓也
生年月日:1972年4月15日
出身地:宮崎県宮崎郡田野町
利き手(投・打):右・両手
プロ野球歴:日本ハムファイターズ、広島東洋カープ、読売ジャイアンツ
同姓同名で人気アイドルグループSMAPの木村拓哉の愛称「キムタク」に因んで、「球界のキムタク」という愛称で親しまれていた木村拓也は球界屈指のユーティリティープレイヤーとして活躍していました。
投手以外全てのポジションを守れる上に、スイッチヒッターとして打つことも可能という類まれなる器用さから、監督からは自在に使うことが出来る便利な選手として高評価を得ていました。
中でも、ユーティリティープレイヤーとして話題となったのが、2009年9月4日の対東京ヤクルトスワローズ戦です。
正捕手の阿部慎之助が一塁手として先発出場し、7回表で途中交代、先発捕手の鶴岡一成も8回裏に木村拓也が代打で起用されて交代、9回表から唯一残った加藤健が捕手として出場して9回裏に巨人が同点に追いつき、延長戦に入りました。
しかし、11回裏で打席に立った捕手の加藤が相手投手より頭部に死球を受けたため退場する事態となり、12回表を守る登録捕手がいなくなるという緊急事態となりました。
この時、捕手経験のあった木村に白羽の矢が立ち、「急造捕手」としてグラウンドへ出ました。
木村は加藤が退場する前から出番の可能性があると察知し、ブルペンで変化球を受ける練習をしており、結果、自らサインを出すなどして打者を打ち取り、監督の期待に応える活躍を見せることになります。
その後、2009年に現役を引退し、2010年から巨人の一軍内野守備走塁コーチとして就任しました。
しかし、同年4月2日の試合前のシートノック中に突如倒れ、病院へ緊急搬送されましたが、クモ膜下出血により、37歳という若さでこの世を去りました。
多くの野球関係者や野球ファンから惜しまれる最期となりました。
川相昌弘
生年月日:1964年9月27日
出身地:岡山県岡山市
利き手(投・打):右・右
プロ野球歴:読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ
タイトル・表彰歴:ベストナイン、ゴールデングラブ賞
記録:通算533犠打(ギネス世界記録保持者)
「バントの神様」と呼ばれていた川相昌弘も背番号0番を背負ってプレーしていました。
通算533犠打数はギネス世界記録を樹立しており、バントの技術は世界最高レベルです。
「ピンチバンター」として出場することも度々ありました。
成功率に関しては9割を超えており、47犠打をマークした1995年は成功率100%を達成しています。
中日ドラゴンズや読売ジャイアンツのコーチ・監督を務めた経験もあり、若手の育成に取り組んでいます。
まとめ
今回はユーティリティープレイヤーの多い「背番号0番」について解説しました。
現在、12球団中11球団が「背番号0番」を背負っており、これからの活躍に期待です。
今後、どういった選手が「背番号0番」を背負って活躍していくのか、楽しみです。
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