サッカーは最も広く国民に愛されるスポーツのひとつですが、その最高峰がJリーグです。このJリーグを戦うチームを中心として、国内には3つの大きなタイトルがあります。
それぞれの内容と、過去に3冠を達成したチームについて詳しく解説します。
サッカーの主要タイトル「3つ」とは?
日本のサッカーで、主要な3つのタイトルは「国内3大タイトル」と呼ばれ、それぞれ次の大会を指します。
・J1リーグ
・天皇杯
・ルヴァンカップ(「Jリーグカップ」との呼称もあり)
なお、J1リーグは、現在のJリーグの前身である日本サッカーリーグ(JFL)が廃止され、プロ化された1993年~1998年のJリーグと、翌1999年からのJ1リーグを意味し、ルヴァンカップはその前身であるナビスコカップから続く大会です。
それぞれの大会について解説します。
【関連記事はこちら】⇩
・【MOM|マンオブザマッチ】サッカーMVPとの違いは何?
・【Jリーグ】最多優勝回数は8回!上位5チームと特色をご紹介!
J1リーグ
前述のとおり、プロサッカーとして組織化された1993年以降、Jリーグのトップリーグとして争われる国内最高峰のリーグで、後述する他の2大会を含めた国内3大タイトルの中で最も重要なタイトルとされています。
その主な理由としては、賞金額が高いことや、ACL(*)出場権を獲得するチーム枠が最も多いこと、そして何より、国内トップのプロチームがしのぎを削(けず)り、長期間にわたって覇権を争うリーグであることが挙げられます。
(*)ACL(AFC Champions League)は、国際サッカー連盟(FIFA)が主管し、アジアサッカー連盟(AFC)が主催する、クラブチームによるサッカーの大陸選手権大会で、アジアのクラブチームにとって最も権威のある大会です。
ACLへの出場権は、基本的にJ1リーグの上位3チームまで、場合によっては4位までのチームにも与えられます。
天皇杯
1921年に開始された、古い歴史と伝統を誇るサッカーの日本選手権大会であり、日本サッカー協会チーム登録種別の第1種登録があれば、プロ・アマの区別なく、基本的にどのチームも予選に参加可能な大会です。
天皇杯の予選には88チーム枠があり、全てトーナメント形式で争われます。
本大会へ参加できるチームの内訳は次のとおりです。
・J1: 18チーム
・J2: 22チーム
・都道府県代表チーム: 各地域での予選を勝ち抜いた1チームづつ、合計47チーム(J3やJFLはこちらから参加。大学や社会人、高校なども同様)
・アマチュアシードチーム:1チーム
天皇杯は、国内3大タイトルのうち、J1リーグに次いで2番目に重要なタイトルともいわれています。
その主な理由は、天皇杯の優勝チームにもACL出場権が与えられる点が挙げられます。また、全国どの地域のどんなチームでも頂点を目指せるという意味で、毎年大きな注目を集める大会でもあり、天皇杯ならではの大きな魅力です。
ルヴァンカップ(Jリーグカップ)
Jリーグ開幕前年度の1992年に、当時の日本プロサッカーリーグが主催するカップ戦としてスタートした大会で、1995年の例外を除けば毎年Jリーグと並行して開催されています。
Jリーグに加盟する全クラブが参加するカップ戦で、第1回大会からヤマザキビスケットが冠スポンサーとなっており、そのまま引き継がれて、現在のJリーグYBCルヴァンカップ(略称:ルヴァンカップ)として開催されるものです。
この大会での優勝チームは、Jリーグカップ/コパ・スダメリカーナ王者決定戦(*)に出場する権利が与えられます。
(*)Jリーグカップ(ルヴァンカップ)とコパ・スダメリカーナの王者によって争われる大会です。
ちなみに、コパ・スダメリカーナは南米の国際カップ戦で、欧州のUFEAヨーロッパリーグに相当する大会です。ただし、一般的な評価としては、ACLと比較するとその権威や重要度はやや下がるようです。
3冠達成チームは?
こうした、権威ある国内3大タイトルですが、過去に同年度において一挙にこの3冠を達成したチームはあるのでしょうか?
結論からいえば、2チームが3冠を達成しています。
名誉ある2チームは次のとおりです。
・鹿島アントラーズ (2000年)
・ガンバ大阪 (2014年)
両チームとも、名だたるトップチームの中でも特筆して素晴らしい戦績を誇る名門として知られています。
特に、2014年に3冠を達成したガンバ大阪の場合、その前年は格下のJ2リーグに所属しており、J1昇格(再)年に3冠を達成するという快挙を成し遂げています。
過去の3大タイトル獲得チーム一覧
1992年以来の長い歴史を誇る国内3大タイトルですが、上記に挙げた3冠達成チームを含めた歴代のタイトル獲得チームの一覧についてみていきます。
(Jリーグのチーム地域名称が複数ある場合、区別するため愛称をアルファベットで略記。)
開催年 | J1リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ |
1992 | 該当なし | 横浜FM | 東京V |
1993 | 東京V | 横浜FM | 東京V |
1994 | 東京V | 湘南 | 東京V |
1995 | 横浜FM | 名古屋 | 該当なし |
1996 | 鹿島 | 東京 | 清水 |
1997 | 磐田 | 鹿島 | 鹿島 |
1998 | 鹿島 | 横浜F | 磐田 |
1999 | 磐田 | 名古屋 | 柏 |
2000 | 鹿島 | 鹿島 | 鹿島 |
2001 | 鹿島 | 清水 | 横浜FM |
2002 | 磐田 | 京都 | 鹿島 |
2003 | 横浜FM | 磐田 | 浦和 |
2004 | 横浜FM | 東京V | FC東京 |
2005 | G大阪 | 浦和 | 千葉 |
2006 | 浦和 | 浦和 | 千葉 |
2007 | 鹿島 | 鹿島 | G大阪 |
2008 | 鹿島 | G大阪 | 大分 |
2009 | 鹿島 | G大阪 | FC東京 |
2010 | 名古屋 | 鹿島 | 磐田 |
2011 | 柏 | FC東京 | 鹿島 |
2012 | 広島 | 柏 | 鹿島 |
2013 | 広島 | 横浜FM | 柏 |
2014 | G大阪 | G大阪 | G大阪 |
2015 | 広島 | G大阪 | 鹿島 |
2016 | 鹿島 | 鹿島 | 浦和 |
2017 | 川崎 | C大阪 | C大阪 |
2018 | 川崎 | 浦和 | 湘南 |
2019 | 横浜FM | 神戸 | 川崎 |
2020 | 川崎 | 川崎 | FC東京 |
2021 | 川崎 | 浦和 | 名古屋 |
2022 | 横浜FM | 甲府(J2) | 広島 |
3大タイトル獲得回数の上位5チーム
歴代タイトル獲得チームに続き、チーム別の3大タイトル獲得回数ランキングの上位5チームについてみていきます。
(内訳:西暦年は下2桁を表記)
順位 | チーム名 | 合計 タイトル数 | J1リーグ 優勝回数 | 天皇杯 優勝回数 | Jリーグカップ 優勝回数 |
1 | 鹿島 アントラーズ | 19 | 8 (96.98.00.01.07.08.09.16) | 5 (97.00.07.10.16) | 6 (97.00.02.11.12.15) |
2 | ガンバ大阪 | 8
| 2 (05.14) | 4 (08.09.14.15) | 2 (07.14) |
横浜 F・マリノス | 5 (95.03.04.19.22) | 2 (92.13) | 1 (01) | ||
4 | 東京 ヴェルディ | 7 | 2 (93.94) | 2 (96.04) | 3 (92.93.94) |
5 | ジュビロ磐田
| 6 | 3 (97.99.02) | 1 (03) | 2 (98.10) |
浦和レッズ
| 1 (06) | 3 (05.06.18) | 2 (03.16) | ||
川崎 フロンターレ | 4 (17.18.20.21) | 1 (20) | 1 (19) |
3大タイトル獲得上位1,2位がそれぞれ3冠を達成しているのが、その実力と長年にわたる実績を裏付けています。とりわけ鹿島アントラーズの合計19タイトルは破格であり、驚異的です。
Jリーグ発足当初隆盛を誇った東京ヴェルディと、そのライバルであったジュビロ磐田が最近やや低迷している一方、ここ数年でタイトルを次々と獲得している川崎フロンターレの台頭が時代の流れを感じさせます。
まとめ
国内サッカーにおける「3大タイトル」それぞれの内容と、過去の3冠達成チーム、また歴代タイトル獲得チームについて解説しました。
2023年にはどのチームがタイトルを獲得するのか?そして3冠達成チームは現われるのか?
楽しみに観戦したいものです。
【関連記事はこちら】⇩
・【MOM|マンオブザマッチ】サッカーMVPとの違いは何?
・【ワールドカップ】歴代サッカー日本代表名鑑!