日本における最高峰のプロサッカーリーグとして定着したJリーグですが、W杯で活躍する多くのスター選手を輩出していると同時に、毎年優勝の栄冠を手にするチームも、その歴史を彩っています。
この記事では、Jリーグの最多優勝回数と上位チーム、そしてそれぞれの歴史や特色などについて詳しく解説します。
Jリーグにおける最多優勝回数を誇るチームは?
まず最初に、Jリーグが発足した1993年から今年(2022年)までの最多優勝チームについてみていきます。
歴代の最多優勝回数を記録しているチームはどこでしょうか?それは、Jリーグ発足以来のメンバー(「オリジナル10」と呼ばれます)であり、また一度もJ2に降格したことのない、まさに「名門中の名門」鹿島アントラーズです。
通算でなんと8回もの優勝を誇り、2位の横浜Fマリノスの5回を大きく上回っています。
ちなみに、鹿島アントラーズは、いわゆる「国内3冠」といわれる、J1リーグ、天皇賞、そしてJリーグカップ(ルヴァンカップ)のタイトル合計でも19回を数えており、総合2位のガンバ大阪の8回をダブルスコア以上で引き離している、怪物チームといえるでしょう。
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通算優勝回数の上位5チームは?
次に、Jリーグ(現在のJ1リーグ)における通算優勝回数の上位5チームについてみていきます。
名誉ある上位5チームは次のとおりです。
1位:鹿島アントラーズ(8回)
2位:横浜Fマリノス(5回)
3位:川崎フロンターレ(4回)
4位:サンフレッチェ広島(3回)
4位:ジュビロ磐田(3回)
今年(2022年)のJ1リーグ覇者となったのは、これもオリジナル10の名門である横浜Fマリノスでした。
また、川崎フロンターレは、初戴冠となった2017年以降4回の優勝を勝ち取っており、ここ数年の活躍にはまさに目を見張るものがあります。
上位チームの特色
優勝回数の上位5チームについて、それぞれの歴史や特色について解説します。
鹿島アントラーズ
前述のとおり、Jリーグ創設当初からのチーム「オリジナル10」の1つで、国内3大タイトル19冠という驚異的な強さを誇ります。
戦後間もない1947年に創設された、住友金属工業蹴球団を前身に持つ名門で、Jリーグ加盟時の1991年10月に、地元の5町村と43企業の出資によって、運営法人である「株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー」が設立され、現在のクラブ名に改称しました。
チーム名の「アントラー (antler)」は、英語で「鹿の枝角」を意味しており、鹿島神宮の神鹿にちなんで、枝角は茨城県の茨をイメージしています。
2018年にはアジア最高峰タイトルであるAFCチャンピオンズリーグ優勝も達成しています。また、ブラジルの英雄・ジーコ選手が所属していた縁もあり、ブラジルのサッカー界と強いパイプを持つのが大きな特徴です。
横浜Fマリノス
日産自動車サッカー部を前身として、1992年に創設された歴史を持ちます。
アントラーズ同様、Jリーグ創設時からの加盟チーム「オリジナル10」であり、また、一度もJ1から降格したことがないのも両チームに共通しています。
Jリーグ発足当初のチーム名は「横浜マリノス」でしたが、1999年に同じく横浜を本拠地としたオリジナル10の横浜フリューゲルスを吸収合併した際に、そのフリューゲルスを表す「F」の文字を加えて、現在のチーム愛称としました。
チーム名の「マリノス (Marinos)」は、スペイン語で船乗りや水夫、また海兵隊員などを意味します。
そして、チームカラーは「青、白、赤」の三色(トリコロール)ですが、この三色は元々日産自動車のコーポレートカラーでもありました。
川崎フロンターレ
1955年に富士通サッカー部として創部した、古い歴史と伝統を誇るチームです。1997年にJリーグ準会員に承認されると、1999年にJリーグへ加盟を果たします。
ホームスタジアムは川崎市中原区の等々力陸上競技場で、練習場は麻生区の川崎フロンターレ麻生グラウンドとなっています。
最前線で挑戦し続ける開拓精神を基軸としており、クラブ名も「フロンティアスピリッツ」がその由来です。
2017年にJ1リーグ初制覇を成し遂げると、その後急激に強豪チームとして成長し、2020年には2年ぶり3回目のJ1リーグ優勝を、なんと4試合を残してのJ1史上最速記録で達成しました。
二度目の連覇を果たした2021年には、リーグ戦が38試合に増えたにも関わらず、28勝8分け2敗の「最少敗戦記録」を更新する強さでした。
サンフレッチェ広島
1991年にJリーグ加盟し、鹿島アントラーズ、横浜Fマリノスなどと並ぶオリジナル10の一角を占める名門で、その前身はマツダ(旧・東洋工業)のサッカー部である、マツダサッカークラブです。
Jリーグの前身である日本サッカーリーグで5回優勝を果たしており、J1リーグの優勝回数3回を加えると合計8回であり、これは前身リーグを合算した数字としては、鹿島アントラーズと並ぶ国内最多でもあります。
過去に2度J2リーグに降格していますが、2008年にはJ2で優勝しています。
ジュビロ磐田
1972年創部のヤマハ発動機サッカー部が前身であり、運営会社として株式会社ジュビロ、ヤマハ発動機などが資本参加しています。
1992年にJリーグ準会員として承認された後、1993年にジャパンフットボールリーグ1部で準優勝して、翌1994年からのJリーグ参加が承認されました。
チーム名の「ジュビロ」はポルトガル語の(ジュビル)およびスペイン語の(フビロ)を語源とし、「歓喜」を意味するものです。
サンフレッチェ広島同様、過去に2度J2に降格していますが、2021年には優勝して再度2022年にJ1復帰を果たした後、2023年にはまたJ2降格となっています。
Jリーグ歴代優勝チーム一覧
最後に、Jリーグ優勝回数ベスト5を含む、歴代の優勝チーム一覧についてみていきます。
長い歴史を誇るJリーグの中で、優勝経験があるのはわずか10チームとなっており、この結果は意外でもあり、また驚きでもあります。
順 | 優勝回数 | チーム名 | 優勝年度 |
1 | 8 | 鹿島アントラーズ | 1996、1998、2000、2001、2007、2008、2009、2016 |
2 | 5 | 横浜Fマリノス | 1995、2003、2004、2019、2022 |
3 | 4 | 川崎フロンターレ | 2017、2018、2020、2021 |
4 | 3 | サンフレッチェ広島 | 2012、2013、2015 |
ジュビロ磐田 | 1997、1999、2002 | ||
6 | 2 | ガンバ大阪 | 2005、2014 |
東京ヴェルディ | 1993、1994 | ||
8 | 1 | 柏レイソル | 2011 |
名古屋グランパス | 2010 | ||
浦和レッズ | 2006 |
まとめ
Jリーグにおける、歴代の最多優勝回数と上位5チーム、またそれぞれのチームが持つ歴史や特色について詳しく解説しました。
Jリーグ発足から直近までの優勝チームの変遷をみると、かつては栄華を誇ったものの最近は名前が聞かれないチームがある一方、急激に力をつけて優勝争いの常連となったチームもあり、まさに歴史を感じます。
2023年にはどのチームが栄冠を勝ち取るのか、楽しみに観戦したいものです。
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