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【アイスホッケー】乱闘についてご紹介!暗黙のルールについても

「氷上の格闘技」と言われるアイスホッケー。
その名の通り激しいぶつかり合いが多いスポーツですが、実際の殴り合いもよく行われます。
この乱闘、他のスポーツなら一発退場ものなのに、アイスホッケーではなぜか審判がなかなか止めようとしません。あれはいったい何が起こっているのでしょうか。
今回は、アイスホッケーの乱闘についてご紹介。
実は存在する暗黙のルールについても解説します。

【アイスホッケー】乱闘のルール

アイスホッケーではなぜ乱闘が許されるのでしょうか。
あれは見て見ぬふりやルールの隙間ではなく、実は北米のアイスホッケーリーグではプレーのひとつとして認められているのです。
日本やオリンピック、世界選手権などのルールでは認められないこの乱闘の名前はファイティング
そしてファイティングには、いくつかのルールも存在します。

1対1で行う

まずファイティングは必ず1対1で行なうのがルール。もし2人目以降が加わったら、その選手には重いペナルティが課せられることになります。
つまりよく言われる「乱闘」という言葉のイメージとは少し違うということ。
もし本当に大勢が参加する乱闘になったら両チームに多くのペナルティが課せられることになるのです。
アイスホッケーでは、伝統的に1体1のファイティングのことを「乱闘」と表現しています。

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素手で行う

ファイティングを行う場合は、始める前にスティックを手放し、グローブを外します。こうして互いに準備を整えてから、必ず素手で行なうのが決まり。
ファイティングでスティックなどの武器を使うと、やはり重いペナルティとなります。

審判は止めない

審判がファイティングをすぐには止めないのもルール。
どちらかが氷上に倒れこむか、お互いに疲れ果てたのを見計らって止めます。

ペナルティ

ファイティングを行なった両選手はペナルティを受けてどちらも5分間の退場となります。
「許されると言いつつペナルティがあるのか」と思うかもしれません。しかし他のスポーツなら相手に暴力を振るったら数試合の出場停止や、重ければ永久追放も当たり前。たった5分で許されるのが北米アイスホッケーの凄さなのです。
ただしもし相手に重い怪我を負わせたり、ファイティング後の態度が紳士的でなかったりした場合は、罰金や出場停止などの重い罰を受けることも。
またファイティングは基本的に1試合に1回までと決まっています。
ファイティングを1人で何度も行なうと回数に応じて罰則が増加。もし5回目まで行ったら、最高6試合の出場停止となってしまいます。

【アイスホッケー】乱闘 なぜする?

許されるとはいえ5分間退場のペナルティがあるファイティング。なぜあえて行われるのでしょうか?

勢いづけ

ファイティングの主な役割の一つは、チームの勢いづけです。
ファイティングに勝てばチーム全体に気合いが入ることに。また負けてもチームが「あいつのために」と奮起します。会場の雰囲気も一気に盛り上がるため、あえて行っているのです。

スター選手を守る

多くのチームにはスター選手が存在。相手チームはスター選手に対してしつこいボディコンタクトなどで邪魔をし続けます。
そのようにスター選手を邪魔する相手への対抗措置がファイティングなのです。
そのためチームにいるのが、ファイティング専門の用心棒であるエンフォーサー。チームは彼らにお邪魔なプレーヤーとファイティングさせます。
スター選手に手を出したら潰すぞと脅して、スター選手が動きやすくするのです。

【アイスホッケー】乱闘の暗黙のルール

ファイティングを行う選手はかなりエキサイティングしているように見えますが、正規のルールのほかに暗黙のルールも守らなければなりません。

双方合意で行う

ラフプレーが引き金になってファイティングがいきなり起こることもありますが、基本的には双方が口頭やジェスチャーで相手の意思をしっかり確認してからファイティングを始めます
もし相手が怪我や疲労などの理由でファイティングを断ったとしても、その意思に敬意を表して引き下がるのがマナーです。
ちなみに一方がファイティングを持ちかけ、もう一方が断った場合、持ちかけた方だけが5分間退場のペナルティとなります。

相手シフトの後半は遠慮する

体力の消耗が激しいアイスホッケーでは、プレーヤーは40秒から1分ほどでどんどん交代します。
この1回ごとの出番がシフト
相手が交代間近の場合は体力がないためファイティングは遠慮するという暗黙のルールがあります。

勝敗後は潔く

ファイティングした選手は、その勝敗を潔く受け入れるのが暗黙のルール。
本当の喧嘩ならエスカレートしそうなものですが、ファイティングでは殴り倒されるなどで勝負が決まったらすぐに相手から離れなければなりません。
いつまでもしつこくすると、チームメートやファンからもガッカリされて嫌われてしまいます。

まとめ

喧嘩行為なのにルールや暗黙の了解がしっかりしているという不思議なファイティング。
とはいえファイティングから大乱闘に発展してしまうことも実は多く、近年のNHLではファイティングを減らそうという動きもあります。
実際、2000年代前半にはレギュラーシーズン全体の40%前後でファイティングが起こっていましたが、近年は20%前後にまで減少。
今でこそ観客も乱闘を喜んでいますが、今後は「ファイティングはアイスホッケーの見せ場」という考え方も廃れていくかもしれません。

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おおぱ!

おおぱ!

寝ても覚めてもスポーツ漬け

スポーツ一家に育ち、休日はテニスとランニング。空き時間はほぼスポーツ観戦。夢の中ではなぜかやたらといろいろなスポーツのプロ選手になっている夢中派執筆家です。皆さまにスポーツ愛を届けます!

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