誰でも気軽に楽しめるバレーボールとして考案された「ソフトバレーボール」。とはいえテレビで放送されることもないマイナーなスポーツなので、ルールもわからないという方も多いのではないでしょうか。
簡単・楽しい生涯スポーツであるソフトバレーボールを知らないのはとてももったいないこと。
ここではソフトバレーボールのルールをわかりやすく解説します。
ソフトバレーボールとは
ソフトバレーボールは、より多くの人が生涯を通じてバレーボールを楽しめるようにと昭和62年に福井県小浜市で考案されたスポーツ。
その後、広く全国に広がり、小学校の体育教材としても採用されています。
ソフトバレーボールと一般的なバレーボールの違い
ソフトバレーボールの最大の特徴は、その名の通りソフトなボールを使うことです。またより気軽に幅広い年齢層の人が楽しめるよう、多くの工夫がされています。
日本には世界的には特殊な9人制のバレーボールもありますが、ここではより一般的な6人制バレーボールと比較していきます。
ボール
一般的なバレーボールとは全く違う柔らかいゴム製のボールで、重さもバレーボール(高校生以上)の260gから280gに対して、200gから220gと軽め。
「バレーボールは突き指が怖い」という方も多いのですが、ソフトバレーボールでは突き指をすることはほとんどありません。
コート
バレーボールのコートは縦が18m、横が9mですが、ソフトバレーボールは縦が13.4mで横が6.1mとなります。
わざわざ狭めの専用コートを用意する必要がありそうに感じますが、実はこれはバドミントンコートのダブルスと全く同じなのです。
周囲に最低2mのフリーゾーンがあれば、バドミントンのコートを流用できます。
ネット
ネットは幅80cmのソフトバレーボール専用ネットを、高さ2mのソフトバレーボール用支柱に張ります。ただしこれも、バドミントン用支柱に補助支柱を付けて高さ2mとしてバドミントン用ネットを張れば代用可能。
バレーボールの場合、男性が2.43mで女性が2.24mですので、かなり低めになっています。
人数
プレイする人数は4人。大会などでは、交代要員が4人以内、監督1人でチームを構成します。監督は選手を兼ねることも可能です。
そして生涯スポーツらしく、人数に関しては次のような部門もあります。
「ファミリーの部」=一家族の老夫婦・夫婦・小学生以下の子ども、または2家族の夫婦・小学生以下の子どもで1チームとして、コート内の競技者は常に大人2人(男女)、子ども2人。
「トリムの部」=コート内の競技者の年齢性別が決められているクラス。年齢によって以下のクラスに分かれます。
①フリー・クラス:18歳以上の男女各2名
②ブロンズ・クラス:30歳以上の男女と40歳以上の男女それぞれ1人
③スポレク・クラス:40歳以上の男女と50歳以上の男女それぞれ1人
④シルバー・クラス:50歳以上の男女と60歳以上の男女それぞれ1人
⑤ゴールド・クラス:60歳以上の男女各2人
「レディースの部」=コート内の競技者は18歳以上と40歳以上の女性それぞれ2人。
試合形式
試合はバレーボールが1セット25点の5セットマッチであるのに対して、1セット15点の3セットマッチ。両チームが14点になった場合は2点差がつくまで行います。
ただしバレーボールの場合、このルールが延々と続くのに対して、ソフトバレーボールでは17点を先に取ったチームの勝ち。試合が長引かないルールとなっています。
試合中のルールの主な違い
試合のルールは6人制バレーボールに近いものとなっています。ただし、より気軽に楽しめるよう以下の部分が大きく違っています。
サービス後はフリーポジション
サービスの際のポジションはローテーション制で時計回りに回ります。サービスを打つのはバックライトの位置にいる選手。
ただし6人制バレーボールのようにアタックラインはなく、サービスの後はどこにいても良いフリーポジションになります。
ネットインサーブは認められない
バレーボールではネットインサーブは認められますが、ソフトバレーボールではネットインは認められず、少しでもボールがネットに触れた場合は相手の得点。
そのため山なりのサービスが多くなります。
オーバーネットは一切禁止
バレーボールではブロック時のオーバーネットは許されますが、ソフトバレーボールではオーバーネットは一切禁止となっています。
ショートサービス・ゾーン
ファミリーの部で小学4年生以下が出場している場合、サービスはショート・サービス・ゾーンから打つことができます。
これはバドミントンのショート・サービス・ラインの後ろ側と同じで、ネットまでは1.98mとかなり近くなります。
ホールディング、ドリブルは緩い
ボールがソフトなので、一般的なバレーボールの感覚ではほとんどのプレイがホールディングになってしまいます。
そのためホールディングの基準はかなり緩め。それも試合のレベルによって変わってきます。またドリブルもレシーブの際には一つの動作中に2カ所以上に連続して当たっても良いとされています。
まとめ
バレーボールをより気軽に楽しめるよう考案されたソフトバレーボールは、ルールも簡単。
必要な人数も少なく、コートもバドミントンのものがあればプレイできます。
本格的なバレーボールはハードルが高いと思っている方にも、実はぴったりなスポーツかもしれません。
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