全国のスポーツクラブなどで楽しめるスカッシュ。
小さなゴムボールを壁に向かってバチーン!と打つだけでも爽快感が味わえるスポーツです。しかもこのスカッシュ、意外とルールもシンプルなのです。
ここではスカッシュのルールを分かりやすく解説します。
スカッシュ|基本のルール
スカッシュは4面を壁で囲まれた空間で行うテニスのようなスポーツ。
シングルスは2人、ダブルスは4人で対戦し、正面の壁(フロントウォール)に当たって跳ね返ってきたボールを交互に打ちます。
ワンバウンド以内でうまく打ち返せないと相手の得点です。
コート
スカッシュのコートは、縦が9.75m、横が6.4m。これはテニスコートの約4分の1のサイズ。壁の高さは5.64m以上です。
コートの壁と床にはいくつかの線が引かれていて、これによって有効なエリアとアウトが決められています。
アウトライン
アウトラインは、四方の壁に横向きに描かれたライン。その高さは、フロントウォールが4.57mで、バックウォール(後ろの壁)は2.13mと低くなっています。
サイドウォール(左右の壁)のラインは前と後ろのラインを結ぶ斜めの線です。これよりも上に当たったらアウトになります。
またフロントウォールにはティンと呼ばれる下限のラインもあります。その高さは0.48mで、これより低い場合もアウトになります。
テニスやバドミントンではラインに当たったボールはインですが、スカッシュではラインに当たった場合はアウトです。
得点の取り方
スカッシュでは、最初のサービス以外では、どの壁に打つこともできます。ただし跳ね返ったボールが必ずフロントウォールの有効面に当たることが条件。バウンドと数えるのは、床に当たった回数だけです。
交互に打ち合い、以下の場合は相手の得点になります。
・ボールが床にツーバウンド以上した場合
・ボールがフロントウォールに届かなかった場合
・ボールが四方の壁のアウトラインよりも上に当たった場合
・ボールがフロントウォールのティンより下に当たった場合
つまりワンバウンド以内に、フロントウォールの有効なエリアに打ち返し続けるのがスカッシュの基本です。
サービス
最初にボールを打つ「サービス」だけは、打てる範囲が少し違います。
サービスではコートの後ろ左右にあるサービスボックスのどちらかに足(片足でも可)を入れ、ボールをワンバウンドさせてから打って、フロントウォールに直接当てます。低すぎるボールはアウト。
1.78mの高さのサービスラインより上のエリアに当て、打ったサービスボックスとは左右逆の、コートの後ろ約4分の1のエリアに入るようにします。フロントウォールのエリアに当たった後、他の壁に当たってから床の正しいエリアに入るのはOKです。
現在主流のラリーポイント方式の試合では、サービスできる回数は一度で、一球ごとに相手と交代します。
レットとストローク
スカッシュはテニスや卓球と違い、相手と同じコートでボールを打ち合います。そのためルールブックには「プレイヤーは常に、安全を最優先させ、相手を危険にさらすような行為をしてはならない」と明記されています。
また自分が打った後にはすぐに「相手にスペースを与えるよう最大限の努力」をするとも書かれています。
それでもプレイ中には互いの体が相手の邪魔をしてしまうことも。危険を避けるためにスカッシュには「レット」や「ストローク」という特別なルールがあります。相手が邪魔でボールが打ち返せなかった場合、プレイヤーは打つのをやめてレフリーに「レットプリーズ」とアピール。レフリーは状況を判断して以下の3つの判定を下します。
・レット:相手の適切なプレイの中でやむを得ず生じた妨害=やり直し
・ストローク:相手の不適切な動きによる妨害=得点
・ノーレット:相手の動きは適切で妨害と認められない=相手に得点
レットやストロークを避けるためには、なるべく自分がいる場所にボールが跳ね返ってこないように打つことが必要になります。
ゲームの進行
スカッシュのゲームは一般的にはラリーポイント方式で行われます。これはサーブ権に関係なく得点が入るもので、1ゲーム11点先取。10対10になった場合はタイブレークとなり、2点差がつくまで続けます。1試合は5ゲームマッチの3ゲーム先取が基本。3ゲームマッチの2ゲーム先取で行われる場合もあります。
またハンドアウト方式という試合形式もあります。これはサーブ権がある場合にだけ得点が入るもの。レシーブ側がラリーに勝った場合は得点が入らず、サーブ権だけが移動します。
1ゲームは9点先取。ゲーム中に8対8になった場合は、そのときのレシーバーが9点先取にするか10点先取にするかを決めることができます。一般的には3ゲームマッチの2ゲーム先取が基本となります。
まとめ
初めて見ると複雑に思えるスカッシュのルールは、実はシンプル。実際の試合を見るかプレイすれば、すぐに覚えることができます。
スカッシュのコートがあるスポーツクラブなどに行けば丁寧に教えてくれますから、気になった方は一度体験してみてはいかがでしょうか。
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