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部活動の新たな可能性・1【くぼっちコラム】

僕は自分でクラブを運営する傍ら、これまでに複数の中学校や高校のサッカー部で、いわゆる「外部コーチ」としても活動してきました。

自分の母校である地元中学校から始まり、同じ区内の中学校、都立高校、私立の女子中学校や男子中学&高校、そして今では、某県立高校のサッカー部でコーチをさせてもらっています。

外部コーチとして学校内部に入り、そこにある様々な実態を目の当たりにしてきたことで、部活動の素晴らしい点や抱える問題点などについて、自分なりに考えることが多くなってきました。

昨今、部活動の改革が叫ばれています。実際に、これから数年のうちに部活動は民間に移行していく方向に舵を切っていくでしょう。
ただ今回はそういうテーマではなく、僕がこれまでに(今でも)感じた、部活動の「もったいない」ところを紹介し、もっとこうすればいいのに!という観点で書いていきたいと思います。

【もったいない】部活動

学校施設は、見方を変えれば「街にいくつもあるスポーツ施設」とも言えます。

グランド、体育館、プール⋯高校にもなれば、柔道や剣道などができる格技室もあるでしょう。グランドや体育館では、あらゆる種目ができますね。

街にこんなにも『スポーツ施設』があるのって、世界中を探しても日本だけでは?とも思います。

せっかくの多種目スポーツ施設を、ほぼその学校の生徒だけが使い、しかも体育の授業とあとはその種目の部活動が使うだけ、というのがまずもったいない。
ということで、この話は総合型地域スポーツクラブの話にも繋がっていくのですがそれについてはまた別の機会に。

本題に入ります。
このように、学校にはたくさんの種目ができる施設があるからこそ、たくさんの部活動が存在するわけです。

たくさんの部活動があるということは、たくさんの種目の専門家がいるということ。

これはとても素晴らしいことだと思うのですが、しかし今はそれをあまり活かしきれていないのが、とてももったいないと思うのです。

多種目の専門家が集まる場所

僕はサッカー部のコーチとして、いろいろな学校で活動してきました。

毎日、グランドをシェアしながらそれぞれの部活が練習しています。サッカー部が練習している横ではハンドボール部や野球部、ラグビー部が練習していたり。

サッカー部の練習をしながらも、よく僕は横目で他の部活の練習もチラチラ見てきました。

他種目の練習を見るの、楽しいんですよ。まず新鮮だし、サッカーにはない視点の練習もたくさんあるし、サッカーに活かせることもたくさん発見できます。

体育館では、バスケ部やバレーボール部が練習してます。やはりそれも、通りがかるふりをしてチラッと覗き見

バスケやバレーからも参考になることばかりです。
それぞれの部活にはもちろん顧問の先生がついていて、それぞれの先生は、その種目の専門家ですよね。

もちろんその種目を経験していない先生が顧問をしているケースもありますが、そんな未経験者の先生でも、ご自分で熱心に勉強されて立派な指導をされている先生もたくさんいますし、自分で指導できない先生の場合は、僕のような外部コーチを呼んで指導を任せてるケースも多々あります。

つまり、学校に存在している様々な種目の部活動のほぼ全てに、その種目の専門家がついてるんですよ。

せっかく同じ敷地内で様々な種目が練習しているのに。せっかく、同じ敷地内(何なら職員室内)に、様々な種目の専門家が揃っているのに。

まだ、それを活かしきれていないところがほとんどじゃないでしょうか。これ、実にもったいないですよね・・・

多種目から学べることはたくさんある

他種目から学べることって、ほんとにたくさんあります。

サッカコーチからの視点で言えば・・・
「狭いところを崩したい。ならばハンドボールの先生に相談してみよう」とか
「1対1の間合いについて学びたい。ならば柔道か剣道の先生に相談してみよう」とかとか。
「ゾーンディフェンスの練習方法が思いつかない。そうだ、バスケ部の先生に相談してみよう」なんて。

例を挙げればキリがないと思いますが、他種目のいいところを取り入れることって、とても大事なことだと思うんです。サッカーでいえば、サッカーのことだけ考えていては気づけない視点や発想が、ふと、バレーボール部の練習を見ていて気づくことがあったり。

実際に女子バレーボール部の選手と話したことがありますが、彼女がプレー中にコート内で考えていることは、僕らサッカー界のおじさんたちでは気づけないだろうな、という目から鱗の考え方でした。

でもそれ、バレーボールの世界では至極当然の基本的な考え方だったりするわけです。

あらゆる種目の専門家が集まる場所としては、学校がダントツでNo.1です。
それをもっと活かせるように、他種目同士でお互いが学び合えるような仕組みをつくれればいいのに、と強く思います。

このコラムを読んだどこかの校長先生、このアイデア実現してくれないでしょうか・・・!笑

最後に

多種目の専門家が集まる場所という利点を生かし、他種目同士で学び合えればいいのに。
そんなテーマで書いてきました。

実はもう一つ、部活動にはつきものの「マネージャー」についても書こうと思っていたのですが、文字数が多くなり過ぎてしまうので、マネージャーについてはまた別の機会に書こうと思います。

部活動について、確かに問題点もたくさんあります。でも、部活動の素晴らしさも僕はよく知っています。

部活動には新たな可能性がたくさん。

学校、地域、教師、コーチ。それらが四位一体となってうまく考えていければ、今よりももっと部活動の持つ重要性と魅力を、多くの人々にわかってもらえると思うのです。

読んでいただき、ありがとうございました。



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くぼっち

くぼっち

見方と考え方が変われば違う景色が見える。違う自分になれる。現実の殻を破るのだ

20年以上サッカーのプロコーチをしてきましたが、サッカーよりも好きなものがたくさんありすぎて、その影響か、サッカーを別の角度から見たり、疑ったり、これまでの見方を変えてみるという悪癖があります。でもそうすると、これまでとは全く違う景色が見えたり、新たな興味も湧いてくるんですよね。理想が現実を塗り替えていく、そんな世の中にしたいです。

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