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【WBC】放映権について|放映権料の仕組みについてもご紹介!

多くの試合が高視聴率を記録するワールドベースボールクラシック(WBC)。
FIFAワールドカップやオリンピックといったスポーツイベントと同じように、テレビ局が放送権を獲得して放送します。
ではWBCの放送権はそもそもどこが持っているのでしょうか。
今回は、WBCの放送権とその仕組みについて解説します。

【WBC】放映権とは

放送権とは、主にテレビ局でのテレビ放送を行う際に、他社から配給されたニュース素材やスポーツ・イベントを独占的に放映できる権利のことを指します。
しかし実はこの権利を規定する法的本拠は特に存在せず、「施設管理権」というものを利用してその権利を確保しているのです。
これはスポーツなら球場を所有しているかその事業権を専有している会社などが、放送局に対してカメラを設置して撮影・放映する権利を売って収入を得るということ。
試合開催時の球場の事業権を所有していれば放映権の元となる素材を所有することができ、その素材を「放映権」としてテレビ局やネット放送局などに売れるというわけなのです。

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放送権の価値が上がっている理由

近年、多くのスポーツイベントの放送権料が高騰しています。
その理由はスポーツイベントが貴重な「ライブコンテンツ」だから
最近はテレビの視聴率が低下していますが、その大きな理由の一つが「オンデマンド視聴」。ドラマやバラエティ番組は録画機能を使って見たいときに視聴するスタイルが主流になっています。
しかしここで問題になるのがCMの早送り。民放各局はCM収入で成り立っているため、早送りされると番組の広告価値が薄れ、死活問題になってしまいます。
その一方、スポーツ中継はライブ視聴に意味があるコンテンツ。早送りせずにライブで視聴してもらえるスポーツ中継は民放局にとって非常に価値があります
また固定ファンが多いスポーツならペイパービューのコンテンツとしても収益が見込め、ネット局も参入した争奪戦に
その結果、放映権料が上がっているのです。

【WBC】放映権の仕組み

放映権料をめぐって問題になるのは、その分配です。
WBCの分配の仕組みはどのようになっているのでしょうか。
オリンピックと比較していきます。

オリンピックの放映権の分配

オリンピックの放映権料を管理しているのは、国際オリンピック委員会(IOC)。
IOCは全収入の約7割をテレビ放映権料から得ています
その収入に対して、IOCは支出の約9割をアスリート育成や世界各国の五輪委員会や競技団体への分配に使用
放映権料は各競技団体にとっても重要な資金源となっているのです。

WBCの放映権の分配

WBCでは、参加・放送する全ての国から得られた放映権料などの収益はワールドベースボールクラシック・インク(WBCI)にまとめられます
このWBCIはIOCなどのような国際組織ではなく、MLB機構とMLB選手会による共同設立会社
ここに集められた放送権料などの一部は、やはり各国のチームへ再分配されます。
問題はその割合。
2006年大会では、収益が出た場合その47%が賞金に分配されるとされました。
はっきりと公表されてはいませんが、その割合は、優勝チームが10%、準優勝チームが7%、準決勝敗退チームが5%、2次リーグ敗退チームが3%、1次リーグ敗退チームが1%だったそうです。
また残りの53%は各国の組織に分配。その内訳はMLB機構が17.5%、MLB選手会が17.5%、日本野球機構(NPB)が7%、韓国野球委員会と国際野球連盟が5%、その他が1%でした。
この割合が2009年の第2回大会ではさらに極端に。
賞金は優勝が270万ドル、準優勝は170万ドル、準決勝敗退は120万ドル、2次ラウンド敗退は70万ドル、1次ラウンド敗退は30万ドルで、各会場の第1ラウンド1位通過には30万ドル、各会場の第2ラウンド1位通過には40万ドルの賞与が支給されました。
ところが最終的にはMLB機構とMLB選手会がそれぞれ収益の33%、合計66%を獲得した一方、NPBは13%の分配で、日本代表は優勝したにもかかわらず運営が赤字ギリギリになる事態に
第3回大会では日本代表は出場を辞退する瀬戸際まで追い詰められました。

WBCの放送権料は高い?

WBCの放送権料に関しては、具体的な発表はされていません。
しかし現在のところFIFAワールドカップなどと比べてはるかに低い放送権料となっているのが実情です。
なぜならWBCの視聴率が高いのは日本や韓国など、ごく一部の国だけだから。
日本ではテレビ朝日TBSが赤字覚悟で数十億円規模の放送権料を払って重要な試合の放送権を獲得。J SPORTSAmazonプライムビデオも生配信に乗り出しました。
しかし本国アメリカではWBCの視聴者は極端に少なく、ほとんど盛り上がらない状況が続いています。
なんと第4回大会までアメリカでは主要な放送局での放送はなし。シーズン開幕前ということで、ローカル局では地元チームのオープン戦を優先するほどなのです。
しかもこの時期のアメリカ国民は、全米大学体育協会(NCAA)のバスケットボール選手権に夢中。こちらの放送権料は1000億円近くになると言われています。
これに対してWBCの放送権料を中心とした収益は100億円単位。これはメジャーリーガーのスター数人分の年俸にしかならないほどの収益です。にもかかわらずWBCに出て故障などしたら、より大きな収入が見込めるMLBのシーズンを台無しにするリスクも。そのためWBCには常に廃止の意見が出ているのです。
しかしこの流れにも変化が見られます。
2023年の第5回大会は大手のFOX Sportsが全米での独占放映権を獲得し、地上波、有料放送、ネット配信で全試合を放送・配信すると発表したのです。

まとめ

放送権料的には苦戦し、ジャパンマネーに頼ってきたWBC。
しかし2023年のアメリカ代表はドリームチームと言われる布陣で勝負に出ています。
FOX Sportsの参入によって今後は全米でも大人気となり、放送権料が高騰するかも。
それは喜ばしいことですが、放送権料が高騰したら日本の地上波は放送権を獲得できなくなり、有料放送でしか試合が見られなくなるとも言われています。
なんとも痛し痒しの状況。
人気は出てほしいけど、試合は見続けたいものです。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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