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【WBC】球数制限について|ローテーションにどう影響するの?

2006年に始まった野球の世界一決定戦、ワールドベースボールクラシック(WBC)。
この大会をきっかけにして日本の野球ファンが広く知ることになったのが「球数制限」です。
そもそも日本のプロ野球には球数制限はなく、メジャーリーグ(MLB)にも球数制限は存在しません。
ではなぜWBCには球数制限があるのでしょうか。
今回は、WBCの球数制限とその背景、影響について解説します。

【WBC】球数制限とは

WBCに導入された球数制限とは、投手が1試合で投げられる球数のことです。
それを超えることはできず、制限以下で投手を交代させなければならないというルールになります。

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球数制限に関するルール

WBC2023年大会での球数制限のルールは以下のようになります。

〜球数制限〜
・1試合につき1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球を超えて投げることはできない。
・打席中に投球制限に達した場合は、その打席完了まで投球できる。
・申告敬遠は投球数に含まない。
〜登板間隔〜
・3連投以上は禁止。
・50球以上投げた場合、中4日を空けなければならない。
・30球以上、または2試合連続で投げた場合は中1日を空けなければならない。

【WBC】球数制限が導入された背景

ワールドベースボールクラシック(WBC)の開催を提唱し、主催しているのはMLB機構とMLB選手会
MLBに球数制限が存在しないのにWBCで設定されたのはなぜでしょうか。

アメリカの球数制限

アメリカで球数制限を導入しているのは、「リトルリーグ」や「ポニーリーグ」と呼ばれる少年野球
成長過程の少年の健康被害を予防するため、球数制限と登板間隔制限が決められています。
一方、MLBやMLB傘下のマイナーリーグには、投球数や登板間隔に関するルールは存在しません
しかしその事情は、「勝利のためには多少の無理は当然」という意識が強い日本とは真逆。
むしろルールが必要ないほど、球数制限を行う意識が浸透しているのです。
特にマイナーリーグは、勝利よりも育成を優先する姿勢を徹底。ほとんどのチームはMLB球団と契約をした選手を預かり、育成するという立場になります。
そのため仮にマイナーの投手が登板過多で故障すれば、チームや指導者がMLB球団からペナルティを受けることに。
最悪の場合、メジャーからの契約を解除され、球団が潰れることにもなりかねないため、チームや監督は投球数を厳しく制限しています。
そのベースとなっているのは、これまでのデータから証明されている「投手の肩は消耗品」という事実。
メジャーにもこの認識が浸透しているため、ルールとしての球数制限はなくても先発投手が100球を大きく超えることはないのです。

球数制限導入の背景

ではなぜWBCでは厳格な球数制限や登板間隔制限が導入されたのでしょうか。
これはMLB球団の要請によるもの。
なぜならMLBには世界各国の国籍を持つ投手がいて、WBCではそれぞれの国の代表選手として出場することになるのです。
例えば2023年のWBCでは、パドレスからダルビッシュ有投手、エンゼルスから大谷翔平投手が召集され、日本チームの一員として出場。しかしその日本は投球制限という意識がまだアメリカよりは薄いため、100球を大きく超えて完投させ、故障を招くこともないとは言い切れません。
日本に限らず、他の国でも事情は似たようなもの。
各国の事情で投手の肩を壊されないように守るのが、球数制限導入の理由です。

アメリカと日本の比較

近年の日本では級数制限の意識はかなり浸透してきました。
しかしほんの数年前にはそうではなかったというデータがあります。
それがPAP(Pitcher Abuse Point)という指標。
PAPは1試合で投げた球数から100を引いてそれを3乗したもので、毎試合加算していきます。
そしてこのPAPの数値の合計がシーズンで10万を超えれば故障の可能性が高く、20万を超えればいつ故障してもおかしくないと言われるのです。
つまり「投手の肩は消耗品」をデータ化したもの。
この指標では100球以下の試合はカウントしません。
つまり毎試合100球以下なら、PAPは0のまま。
ある試合で110球投げたら、10の3乗で1000
130球投げたら30の3乗で2万7000
「150球の完投」などしてしまったら、いきなり12万5000になってしまいます。
MLBはこの指標を重視して投手の肩を大切にするため、PAPがシーズンで5万を超える投手はほとんどいません。
ところが日本では毎年PAPが20万を超える投手が何人もいたのです。
しかしごく最近になって、球数制限の意識が急速に浸透。
2022年には佐々木朗希投手が2試合連続完全試合目前に8回102球でマウンドを降り、賛否両論を招きましたが、PAPを考慮すれば英断だったと言えます。

【WBC】球数制限の影響

WBCに球数制限があることで、ローテーションにはどのような影響があるのでしょうか。
重要になるのは、中継ぎの投手です。
一般的なプロ野球の常識である100球よりも球数制限が厳しいため、早い段階で中継ぎ投手に交代することは確実。
侍ジャパンの栗山英樹監督も「球数制限があるので、中継ぎというか、真ん中が勝敗を大きく決定させる可能性がある。ものすごく大きな要素」と語っています。

もう一つのルールとの兼ね合い

2023年のWBCルールでは、投手は14人以上とされていますが、栗山監督は投手陣に15人を充てました。これも苦しい場面で投手の駒が足りないのは許されないという考えから。それだけ投手のローテーションが重要になるということです。
その中で注目されたのは、中継ぎや抑えを本職とする投手の中に左利きが1人しかいなかった点。
本来、左の強打者には左投手をぶつけるのがセオリーとされています。
ではなぜ左のリリーフが1人しかいないのでしょうか。
実はその背景には2023年大会で導入された「ワンポイント起用の禁止」というルールがあります。
これは試合時間の短縮を目的として2020年からMLBで採用されたルールで、「1投手は最低でも打者3人を抑えなければならない」というもの。
左対左のワンポイントが使えない以上、左投げか右投げかよりも、ボールの良さで選ぶべきという考えで、今回の投手たちが選ばれたのです。
また栗山監督が重視したのは、先発をやりながらも、リリーフもできる投手ということでした。

まとめ

もしWBCに球数制限がなければ、日本の野球が本来得意とした「先発完投型」の投手がより多く起用されていたはず。
さらに登板間隔の制限もなければ、1人の投手が連続完封で優勝、というドラマもあったかもしれません。
しかし投手の選手寿命を考えればそのような起用法はもはや非常識。
日本に球数制限という意識を浸透させてくれたのも、WBCの大きな功績かもしれません。

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スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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