子どもの頃から誰もが経験している柔軟体操。
でも効果があるのか疑問で、柔軟体操のメリットがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は柔軟体操のメリットとその種類について調査しました。
もしかしたらあなたも間違った柔軟体操をしているかもしれません。
ぜひ最後までご確認ください。
【柔軟体操】柔軟性とは
そもそも柔軟性とは何でしょうか?
柔軟性は筋肉と腱が伸びる能力のこと。
筋力・瞬発力・持久力・調整力とともに基本的な運動能力の1つとされています。
先天的柔軟性と変化可能な柔軟性
柔軟性は骨格構造と軟部組織で決まります。
骨格構造は先天的な要素が多く、残念ながら努力では変化しにくいもの。
しかし筋組織や筋膜、腱、靱帯などの軟部組織は柔軟体操で変化可能。
柔軟体操によって柔軟性は上げることができるのです。
【柔軟体操】を行うことのメリット
柔軟体操を行えば身体が柔らかくなるのはどうやら本当。
しかも柔軟体操のメリットはそれだけではないのです。
米国整形外科学会(AAOS)が柔軟体操の5つのメリットを発表。
そこには柔軟性のアップ以外にも意外なものがありました。
メリット①背中と関節の痛みが軽減
AAOSが紹介する2011年の研究によると、柔軟体操を続ければ背中の慢性的な痛みの解消につながるそうです。
また太ももの柔軟体操をすると膝の痛みが軽くなることも発表しています。
メリット②血行促進
運動不足やデスクワークなどで姿勢の悪い状態が続いていると筋肉が固まって血流が悪い状態になっています。
AAOSは、柔軟体操をすると筋肉の凝りがほぐれて血行が促進されると発表。
就寝前の脚の柔軟体操は夜中に足がつる症状の改善にもつながると述べています。
メリット③関節動作の改善
AAOSが発表した3つめのメリットは、加齢に伴って低下している柔軟性の改善です。
つまり年齢と共に硬くなりがちな身体が柔軟体操で柔らかくなるということ。
やはり柔軟性がアップする効果はあるようです。
メリット④運動能力の向上
4つめは運動能力の向上です。
これについてAAOSは、筋肉と腱は硬くなっていると十分な力を発揮できず、良質なゴムバンドのように筋肉と腱がしなやかで柔軟なときに大きな力を生み出すことができると説明しています。
メリット⑤筋肉の健康向上
最後のメリットは、運動をしたときに筋肉が故障しにくくなること。
柔軟体操の中でもジャンプや急な動きを取り入れた体操をすることで、筋肉が処理できるストレス負荷がアップすると説明しています。
つまり柔軟体操がケガの予防にもつながるのです。
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【柔軟体操】4つの方法
AAOSが発表した5つのメリットの他にもリラックス効果や代謝アップの効果もあるといわれている柔軟体操。
その柔軟体操(ストレッチ)には、静的ストレッチと動的ストレッチの2種類があります。
静的ストレッチは時間をかけてじっくり伸ばしていくもので、動的ストレッチは動きながら伸ばすもの。
そしてこの2つは、それぞれさらに2種類に分けることができます。
スタティックストレッチ
一般的な静的ストレッチで、勢いや反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばします。
その目的は疲労回復やリラックス効果、ケガの予防など。
背中を丸めて伸ばすストレッチや体の後ろで手を組むストレッチなど、最も基本的な柔軟体操だと言えます。
負荷が低いので故障のリスクも少なく、就寝前のリラックスしたタイミングで行うのにも向いています。
その一方で体を温める効果はないため、スポーツ前の準備運動には向いていません。
スタティックストレッチのコツは、1つの姿勢を20〜30秒間行うこと。
呼吸を止めないように注意し、どの筋肉を伸ばしているのかしっかり意識するのがポイントです。
ペアストレッチ
ペアストレッチは2人ひと組でパートナーの力を利用する静的ストレッチ。
例えば前屈運動で背中を押してもらうなど、ペアで行うことでストレッチの強度を上げることができます。
身体が硬く、1人ではうまく柔軟体操ができない人にお勧め。
最も負荷がかかるため、体を柔らかくする目的や疲労回復にも効果的だと言われています。
ダイナミックストレッチ
一般的な動的ストレッチで、重力に反して体を動かしながら筋を伸ばします。
こちらは静的ストレッチとは逆に、スポーツ前の準備運動に向いている柔軟体操。
体温を上昇させながら関節の可動域を広げることができます。
体が動きやすくなり、ケガ予防の効果も。
例えばガッツポーズから右膝を上げて左肘を下げ、腰の前でタッチ、それを左右繰り返すツイストストレッチはダイナミックストレッチの一種。
体幹をしっかりねじることでインナーマッスルの柔軟性を上げていきます。
ダイナミックストレッチのコツは、反動を使わず、正しいフォームで行うこと。
痛みがない範囲で動かすことも重要です。
筋肉や関節の動きを感じながら、徐々に動きを大きくしていくことで、無理なく伸ばすようにしてください。
バリスティックストレッチ
ダイナミックストレッチよりも大きな動きで、反動を使う柔軟体操。
例えばラジオ体操もバリスティックストレッチになります。
ダイナミックストレッチよりも筋肉を伸ばす効果は高い一方、反動を使いすぎると筋肉の限界を超えた力が加わってケガをする可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ
一言で柔軟体操といっても、動的と静的では目的が大きく異なります。
スポーツ前に行うべきなのは、身体が温まり可動域が広がる動的ストレッチ。
筋肉をほぐすことやリラックスが目的の静的ストレッチは、運動後のクールダウンや就寝前が適しています。
それぞれの動きの違いと目的を知って行うことで、効果もより高くなるはずです。
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