背中の筋肉は、多くの人が体を鍛えるときに、つい後回しにしがち。
それははっきりと効果が見える胸や腕とは違い、体の裏側で目につきにくいからではないでしょうか。
しかし背中の筋肉は、見た目にも運動能力の向上にも効果が高い部位。背中の筋肉の種類を理解して正しく鍛えれば、たくさんのメリットがあります。
今回は、背中の筋肉について解説。
ぜひ参考にして背中を効率的に鍛えてください!
【背中】筋肉の種類
ひとくちに背中の筋肉といっても、多くの種類があります。
まずは主な5つの筋肉の名前と位置、役割をご紹介しましょう。
僧帽筋
僧帽筋(そうぼうきん)は、背中の上部中央にひし形に広がっている筋肉。
上は後頭部、下は背中の中央あたり、左右は肩と肩甲骨に広がっています。
僧帽筋が使われるのは、肩甲骨や肩を上下させたり、後ろの中央に引き寄せたりする動作です。
菱形筋
菱形筋(りょうけいきん)は、僧帽筋よりも深い位置にある背中のインナーマッスル。
僧帽筋よりも小さな菱形の筋肉です。
胸を開く動作や、物を後ろに引っ張るときなどに使うほか、姿勢の維持にも使われます。
広背筋
広背筋(こうはいきん)は、背中の大部分に大きく広がる筋肉。
上は背中の中央、左右は脇の下、下は骨盤に繋がっています。
広背筋を使うのは、腕を引き下げたり、後ろへ引きつけたりする動作です。
大円筋
大円筋(だいえんきん)は、脇の下の小さな筋肉。
肩甲骨と上腕骨をつないでいて、肩の関節を動かす動きや腕を引く動きで使われます。
脊柱起立筋
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、背骨に沿ってついている大きな筋肉。
骨盤から後頭部まで縦に長く伸びています。
背骨を安定させるための筋肉で、背筋を伸ばすときや、重い物を持ち上げるときなどに使われる筋肉です。
【背中】筋肉を鍛えるメリット
ご紹介したように背中の筋肉にはいくつかの種類がありますが、鍛えることでさまざまなメリットがあると言われています。
姿勢の改善
背中の筋肉が弱くなると猫背や前屈みなるなど、姿勢が悪くなりがち。
逆に背中の筋肉が強くなれば、胸を張った正しい姿勢をキープしやすくなります。
肩こりや腰痛の予防
姿勢が悪くなり、前屈みの姿勢を続けることは、肩こりや腰痛の大きな原因になります。
背中の筋肉が強くなり、正しい姿勢をキープできれば、肩こりや腰痛の予防にもつながるのです。
パフォーマンスの向上
日常生活やスポーツでも、引っ張る動作は多いもの。背中の筋肉が強くなれば、これらの動作が楽になり、日常生活・スポーツの両方でパフォーマンスの向上が期待できます。
基礎代謝の向上
筋肉量が増えれば基礎代謝が向上し、カロリーを消費できます。つまりより痩せやすい体になるということ。
背中の筋肉はもともと体積が大きいため、鍛えてさらに大きくすれば、より効果的にカロリーを消費できます。
逆三角形のスタイル
胸の筋肉(大胸筋)を鍛えれば厚い胸板になり、分かりやすく見た目が良くなりますが、実はスタイルの良さに大きく関わってくるのが背中の筋肉です。
特に逆三角形の体型を手に入れたいなら、背中を鍛えるのが必須といえます。
引き締まったフェイスライン
背中の筋肉は後頭部から顔の筋肉につながり、後ろに引っ張っています。背中の筋肉が弱まると、顔もたるみがちに。逆に背中を鍛えることでフェイスラインも引き締まりやすくなります。
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【背中】筋肉の鍛え方
鍛えることで多くのメリットがある背中の筋肉。
しかし効果的に鍛えるためには、なんとなくではなく、それぞれの筋肉にしっかりと集中する必要があります。
続いては背中の各筋肉に効くトレーニングをご紹介しましょう。
僧帽筋と菱形筋の鍛え方
僧帽筋と菱形筋は、背中の上部と肩を支える筋肉。鍛えれば姿勢が良くなり、肩こりの改善にもつながります。
僧帽筋と菱形筋のトレーニングは、ダンベルを使った「ベントオーバーリバースフライ」が効果的。
これは上体を前傾姿勢にしたまま両手に持ったダンベルを真横に上げる運動です。腕を横に上げると、背中、特に肩甲骨の間が収縮するのが分かるはず。それが僧帽筋と菱形筋です。
腕の力ではなく、背中の中央を収縮させることを意識して行います。
ダンベルがない場合、うつ伏せに寝て腕を横に広げ、僧帽筋と菱形筋を収縮させて腕を上げる運動も効果的です。
広背筋と大円筋の鍛え方
広背筋と大円筋は、背中の広い上部を作る筋肉。鍛えれば逆三角形の体型に近づける上、物を後ろに引く力が向上します。
その広背筋と大円筋を鍛える方法で最も有名なのは、懸垂。
肩幅よりも少し広めの幅でバーを握り、背中の力で体を引き上げます。腕の力や体を揺らした勢いで引き上げるのではなく、特に脇の下あたりの背中を意識して体を引き上げるのがポイント。
体を下すときに力を抜かず、時間をかけてゆっくり戻すとより効果的です。
脊柱起立筋の鍛え方
脊柱起立筋は体の芯をしっかり支える筋肉。鍛えることで上体のブレが少なくなり、スポーツのパフォーマンスがアップするだけでなく、日常生活の動作も楽になります。
脊柱起立筋のトレーニングは、ヒップリフトがおなじみ。
これは仰向けに寝てかかとを床につけた状態からお尻を上げ、ひざから胸までを一直線にする運動。3秒キープしてからお尻を下ろすことを繰り返します。
これはヒップアップのために行う人も多い運動。しかししっかりと体を一直線にすることで脊柱起立筋の効果的なトレーニングにもなっています。
またうつ伏せに寝た状態から上体を逸らすバックエクステンションも効果的。
こちらはいわゆる「背筋」と呼ばれている運動です。
まとめ
「背筋」と呼ばれる運動が主に脊柱起立筋にしか効いていないことからも分かるように、背中の筋肉の鍛え方は一つではありません。
トレーニングをするときには、どの筋肉を鍛えているのか具体的にイメージして、その筋肉だけを使うようにすることが大切。
背中の筋肉をしっかり鍛えて、かっこいいプロポーションとパフォーマンスアップを目指してください!
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