お手玉は純粋に楽しむを目的として昔から伝わっており、今もなお保育園や幼稚園などで遊ばれています。
この記事を読んでいるあなたも1度は「お手玉」をやった経験があるのではないでしょうか。
ではお手玉はどのように伝わり今に至るのでしょうか。
今回はそんな「お手玉」の歴史などについて解説していきます。
お手玉とは
お手玉は小さな小豆や米、ジュズダマの実などを入れ、布で巻き縫い合わせた玩具のことを指します。
お手玉をするということは、そのお手玉で遊ぶことを言います。
地方によっては言い方が変わり、「じゅずだま」「おじゃみ」「オニンク」「いしなご」などと呼ぶところもあります。
お手玉に似た遊び
色々とありますが、基本的にお手玉遊びは数個のお手玉を上に投げて、落とさずに繰り返すというものです。
お手玉と似たような遊びが世界にはあります。
それがジャグリングというものです。
ジャグリングは様々な種類があり、その中でも「トスジャグリング」がお手玉と似たような要素を持ちます。
基本的にはボールなどを使われるが、手で持てるものであれば使われます。
ジャグリングの中で最も競技人口が多く、ジャグリングの基礎とも言えます。
大道芸やサーカスの曲芸にて見世物として行われてきました。
お手玉は自分で遊ぶもの、ジャグリングは見せることを目的としていることが多い傾向にあります。
しかし、現在はスポーツとしての愛好家が増え、直接人を見せることを目的としない人が増えました。
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お手玉の起源とは
お手玉遊びと言えば、日本に起源があると思っている人も多いのではないでしょうか。
お手玉遊びの起源が日本ではなく、世界にあるということを知らない人も多いと思います。
さらに、お手玉遊びの起源にはいくつかの説があるとされています。
お手玉の歴史について紹介します。
紀元前5世紀説
1つ目が、お手玉の起源は紀元前5世紀で現在のトルコである古代アナトリア半島のリディア地方にあるとされています。
そのリディア地方を中心に栄えた国のリディア人によって発明され、それが世界最古の遊び「アストラガリ」となりました。
そこで使用されていたお手玉の道具は、現在のような柔らかい布の玉のようなものではなく、羊の距骨(かかとの骨)だった言われています。
ヨーロッパにある黒海(こっかい)周辺の遊牧民の遺跡から見つかっており、この道具の大きさは1個が親指大の大きさです。
そこから、シルクロードを渡って、インドや中国などのアジアに進出しました。
その後、日本に伝わり現在に至ると言われている説が1つあります。
4000年の歴史説
お手玉遊びの歴史で2つの目の説は4000年前にあると言われています。
それは、アメリカのマサチューセッツこ工科大学の数学教授が、お手玉で遊んでいる風景が古代エジブト中王国の時代のハッサン王子の墓に書かれていることを発表しました。
しかし、それはパンや奇術の類ではないかという指摘もあるため、定かではありません。
日本におけるお手玉の由来
日本では、奈良時代に中国から伝わったとされています。
当時は手ごろな大きさの小石や水晶を利用したことからお手玉は「石名取玉(いしなとりだま)」と呼ばれていました。
実際に聖徳太子が遊んだとされていた水晶も発見されています。
その聖徳太子が使っていた「石名取玉」は、現在、東京上野の国立法隆寺博物館に保管されています。
現在の由来となったお手玉は江戸時代から明治初期にかけて多く生産され、歌川広重が描いた江戸時代後期の浮世絵「風流おさな遊び」にも、女児が遊ぶ姿が描かれました。
第二次世界大戦中の学童疎開では、親元から離れる子供にお手玉を持たせるなど、離れた子供に対してお手玉を送る慣習がありました。
当時のお手玉は豆を使用しているため、空腹に耐えられなくなったら、中にある豆を食べるように言い聞かせていたとされています。
お手玉は日本でありふれた定番の遊びとして親しまれており、お手玉の基本的な遊びが家族で伝承されてきましたが、1950年代頃から核家族が進行していったため、その伝承が難しくなり、徐々に忘れ去られることになります。
しかし、伝統的な遊びとして受け継がれていくために小学校や幼稚園・保育園などで伝えられるようになりました。
まとめ
今回は伝統的な遊びとして行われてきたお手玉について紹介しました。
お手玉は日本古来の遊びとして、日本発祥のものだと思っている人が多かったのでは名でしょうか。
解説した通り、お手玉は海外発祥のもので、その後日本に伝わってきたものです。
現在、正月にお手玉をする文化は徐々に減ってきていますが、似ている遊びとしてジャグリングが流行ってきました。
スポーツとして行われるようになり、若者の間でも取り入れられるようになりました。
「手玉に取る」という言葉や、野球で失策することを「お手玉する」と言うこともあります。
そのくらいお手玉は日本に馴染みのあるものです。
今年の正月にお手玉をやってみてはいかがでしょうか。
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