サッカーのルールの中で多くの人が難しいと感じるオフサイド。
ルールをしっかり理解していないと観戦していて混乱することになります。
さらに実際にプレイするときに理解していないと得点のチャンスをみすみす逃すことに。
今回はオフサイドの歴史やルールを、具体的な事例を交えて解説します。
【サッカー】オフサイドとは
JFA(日本サッカー協会)の公式サイトによると、オフサイドは「攻撃側チームの競技者が得点をするために、守備側チームのフィールド内で待ち伏せすることを防ぐために定められたルール」ということになります。
オフサイドの歴史
待ち伏せを禁止するオフサイドルールは、試合を面白くするために近年追加されたような印象がありますが、実は違います。
サッカーが誕生したのは1863年。
この頃のサッカーは前にいる選手にパスをしてはならないというルールでした。
つまりラグビーと同じように後ろにいる選手にしかパスを出せないスポーツだったのです。
そのルールは3年後に改定され、「パスを受ける選手よりゴールライン側に相手選手が3人いれば前方にパスをしてもいいルール(3人制オフサイド)となりました。
これがさらに改定され、現在と同じ2人制オフサイドになったのが1925年。
つまり前方で待ち伏せしている選手にパスしてはならないというオフサイドは、現在のサッカーと同時に生まれ、サッカーの根幹に関わる基本的なルールなのです。
オフサイドの条件
オフサイドになる位置「オフサイドポジション」は、次の3つの条件すべてに当てはまる必要があります。
①守備側チームのフィールド内であること
②ボールより守備側チームのゴールラインに近いこと
③後方から2人目の守備側競技者よりゴールラインに近くにいること
つまり相手陣内で後ろからのパスを受けるときに、自分より前に相手チームのメンバーがキーパーだけなど1人しかいないと、オフサイドになります。
ただしここで重要なのは、オフサイドが成立するタイミング。
パスを受け取った時点ではなく、パスが出されたタイミングでこの位置にいるとオフサイドになります。
そしてオフサイドのルールで注意すべきは、オフサイドポジションにいること自体が違反ではないということ。
オフサイドポジションでプレイに絡むと反則となります。
オフサイドのペナルティ
オフサイドの反則を取られると相手チームの間接フリーキックから試合再開となります。
このときの再開位置は、パスが出た時点でオフサイドポジションにいた選手の場所です。
【サッカー】オフサイドになる場面 ならない場面
オフサイドの基本的なルールは比較的簡単。
しかし実際の試合では「今のもオフサイドなの?」と思うような場面がよくあります。
オフサイドの判断に迷いそうな場面を具体的にご紹介します。
パスされてから後ろに下がった場合
パスが出された後にディフェンスラインが下がって攻撃側の選手がオフサイドポジションから出た場合は、オフサイドとなります。
あくまでもパスを出した瞬間が判断基準です。
コーナーキックなどの場合
コーナーキックなどでは敵味方が入り乱れることになります。
このときはどうなるかというと、オフサイドにはなりません。
コーナーキックのほか、スローインでボールを受ける際やゴールキックのときもオフサイドの違反にはなりません。
一方、間接フリーキックや直接フリーキックには、オフサイドが適用されます。
パスではなくシュートの場合
オフサイドポジションに攻撃側の選手がいるとき、オフサイドポジションの後ろの選手がパスではなくシュートを放ったらどうなるのでしょうか?
この場合、オフサイドポジションにいた選手がプレイと無関係ならオフサイドにはなりません。
しかし守備側の選手の動きを妨げる、または視線を遮るなど、プレイに絡む動きをすると、オフサイドになります。
またシュートがゴールポストなどに当たった場合、跳ね返ったボールでプレイするとオフサイドになります。
相手ゴールキーパーがボールを弾いた場合も同様です。
こぼれ球を押し込んでゴールという場面はよく見られますが、味方がシュートを打った時点でオフサイドポジションにいた選手はプレイに絡まないように注意しなければなりません。
別の選手がパスを受けた場合
オフサイドポジションに攻撃側の選手がいる状態でパスが出されたとしても、その時点でオフサイドポジションより後ろにいた別の選手がパスを受けたら、オフサイドにはなりません。
ただしこの場合も、オフサイドポジションにいた選手が守備側の選手の動きを妨げるなど、プレイに絡む動きをすると、オフサイドになります。
相手選手に影響したかどうかは主審が判断します。
【サッカー】オフサイド 厳密には?
実際の試合で問題となるのが、厳密にどの状態だったらオフサイドになるのかということ。
体の一部がオフサイドポジションより後ろだったらどうなるのでしょうか。
現在のルールでは「競技者の頭、胴体または足の一部でも」前にあればオフサイドになります。
髪の毛や服でもアウトです。
しかし手や腕はサッカーのプレイには関係がないためオフサイドにはなりません。
実は近年、このルールを改定しようという動きもあります。
オフサイドポジションより後ろに体の一部でも残っていればオフサイドにはならないようにしようというのです。
これは攻撃側が有利になるルール改定。
2022年の時点では導入されていませんが、今後の動きにも注目です。
一方、微妙な判定での誤審をなくすため、大きな大会では半自動判定装置の導入も進行中。
今後はオフサイドの判定をめぐって試合が止まることは減るかもしれません。
まとめ
オフサイドは、実はサッカー誕生とほとんど同時に生まれた重要なルール。
ややこしい面はありますが、選手もファンも、しっかり理解したいものです。
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