パリパラリンピックはオリンピックに続いて日本人の活躍が期待される大会。実際に多くの日本人選手がメダルの有力候補といわれています。中でもどのような人が注目されているのでしょうか?
今回は、パリパラリンピックの注目選手をご紹介!どんな種目にどんな注目選手がいるのか、その背景やこれまでの実績も解説しますので、ぜひパラリンピック応援の参考にしてくださいね。
【パリパラリンピック】注目選手
22競技、549種目に4400人の選手が参加するパリパラリンピック。日本からも競泳やボッチャ、卓球、陸上など多くの種目に選手たちが参加します。その中で特に注目されているのはどのような選手なのでしょうか。
今回は5人のメダル候補をご紹介しましょう。
車いすテニス・小田凱人選手
小田凱人選手は車いすテニスの日本代表で、金メダルの最有力候補。
車いすテニスは長年世界の第一人者だった国枝慎吾さんが引退しましたが、その後を継いだ注目の選手です。
テニスの4大大会では、18歳という若さですでに通算4勝。現在、世界ランキング2位となっています。
車いすテニスのルールの特徴は、2バウンドまで許されること。また車いすに座っていて高いボールには届かないため、前に出るテニスをする選手はほとんどいません。ところが小田選手は積極的に前に出てボレーを決める攻撃的なプレースタイル。車いすテニスの常識を覆すプレーでも注目されています。
小田選手はウィンブルドンで8度優勝したロジャー・フェデラー選手を参考に、一般のテニスに近づけることを目指しているそう。
名前の由来はパリの凱旋門だという小田凱人選手が金メダルを取って凱旋できるのか、注目です。
バドミントン・梶原大暉選手
前回の東京大会で初めて公式競技になったバドミントン。車いすのクラスの梶原大暉選手は東京大会では19歳で優勝し、今回連覇を狙っています。
しかも東京大会以降の公式戦で121連勝中という圧倒的な強さ。ダントツの金メダル候補です。
梶原選手の武器はチェアワークとシャトルのコントロール、そして上半身の強さです。そのベースとなったのは、少年時代に打ち込んだ野球。ピッチャーとして甲子園出場を目指していましたが、中学2年生のときに交通事故で右足のひざから下を失いました。失意を越えて始めたのが、野球の投球動作に似ていると感じたパラバドミントン。強力な上半身に加えて東京大会以降は頭を使ったバドミントンも意識し、強さに磨きをかけてきました。
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柔道・廣瀬順子選手
女子柔道で活躍を期待されているのは、廣瀬順子選手(J2クラス -57kg級)。
リオ大会では日本選手初のメダルとなる銅メダルを獲得。東京大会では3位決定戦で敗れましたが、その悔しさをバネにパリを目指してきた選手です。
19歳のときに膠原(こうげん)病の合併症で視力が低下し、2012年から視覚障害者柔道に転向。高校の時には一般の大会でインターハイにも出場していた実力者です。
練習では東京大会後にパラの国際舞台から退いた夫の廣瀬悠コーチがライバル選手の動きを忠実に再現。夫婦二人三脚で十分な対策ができているという廣瀬順子選手にも注目が集まっています。
陸上競技男子100m・川上秀太選手
陸上競技の100m(T13)は、視覚障がいの選手たちによる種目。オリンピックと比べてもあまり遜色がないレベルのスピードで競われ、世界では健常者の世界選手権に出場した選手もいるという注目種目です。
その100m(T13)で10秒70のアジア記録を持っているのが、川上秀太選手。小学3年の時に交通事故で視神経を損傷しながらも、中学・高校・大学では一般の大会で活躍し、2021年に社会人となったのをきっかけにパラ陸上へと転向した選手です。
「健常者と変わらないタイムで走れる選手がいると伝えて、パラ陸上をさらに盛り上げていきたい」と語る川上選手が狙うのは金メダル。10秒44の記録を持つライバルのアスマニスカンデル・ジャミル・アスマニ選手(アルジェリア)に挑みます。
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陸上競技男子400m・福永凌太選手
そのアスマニ選手に挑むもう一人が、男子400mのアジア記録保持者である福永凌太選手。
25歳の凌太選手は「錐体ジストロフィー」という病気で、小学4年生のころから徐々に目が見えづらくなったものの、小学5年生で陸上競技を始めた選手です。大学では10種競技の選手として健常者の大会で日本トップの選手と競ってきましたが、その後パラ陸上に転向。400メートルでアジア新記録を樹立しました。
パリパラリンピックの前哨戦でもあるパラ陸上世界選手権大会では47秒86のタイムで銀メダルを獲得。しかしアスマニ選手はこの大会で自身の世界記録を更新する46秒44をマークしています。
福永選手のパリの目標は、世界一と世界記録更新。彼の夢にも注目です。
まとめ
パリパラリンピックには他にも注目の選手がたくさんいます。そしてきっと新しいスター選手も現れるはず。
しかし勝負の結果だけではないのがオリンピックとパラリンピックの魅力。全力をつくす選手たち全員の姿に注目し、しっかり応援したいですね。
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