「水泳」は世界中に人気のあるスポーツで、日本が世界に通用するスポーツの1つです。
大昔から川や海などの水面あるいは水中を移動するための手段として使われていて、人類史と同じ程度の歴史があると言われています。
しかし、古代オリンピックでは陸上競技がメインだったため、正式競技として採用されていませんでした。
近代オリンピックでは第1回アテネ大会から正式種目となりましたが、当時の泳ぎ方は「自由型」しかありませんでした。
現在の「自由型」は「クロール」が基本ですが、当時の「自由型」は「平泳ぎ」が基本だったと言われています。
日本における水泳人口は約1300万人を超えると推計されており、子どもがやっている習い事ランキングでは毎年上位にランクインするほど、人気のあるスポーツの1つです。
習い事をしていなくても、小学校や中学校ではもちろん、幼少期の頃から「水遊び」という形で水泳に触れてきた人も多いのではないでしょうか。
日本の水泳はかつて「日本のお家芸」と評されていて、オリンピックでは合計100に近いメダルを獲得しています。
現在でも常に男女とも上位争いに加わるなど、日本の水泳競技は世界に通用しています。
今回はもっと速く泳ぎたいと思っている人に向けて、水泳に必要な「身体の機能」と「トレーニング方法」をご紹介します。
速く泳ぐために必要な能力とは?
「泳ぐ」という動作に必要な機能を知ることで、速く泳ぐためのヒントになります。
今回はより速く泳ぐために必要な能力をご紹介します。
全身持久力
全身持久力という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
聞いたことがないという方でも「体力・スタミナ」という言葉は聞いたことがあると思います。
全身持久力とはその名の通り、全身を長時間にわたり動かし続けることが出来る能力のことを指し、多くのスポーツにも必要な要素です。
「あの人、どんなに動いても全然疲れないからスタミナがあるよね」など抽象的に表現することも多いのですが、全身持久力は「最大酸素摂取量」を測定して、評価します。
最大酸素摂取量とは「1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量」のことです。
酸素はエネルギーを作り出す時に必要な要素で、その摂取量・消費量が多いほど、多くのエネルギーを作り出し続けることが出来るということです。
エネルギーの生産量が多いほど、「長い時間、身体を動かし続けることが出来る」=「全身持久力がある」ということになるのです。
水泳競技は短距離・長距離と数種類に分かれており、特に長距離の種目で後半勝負になると持久力が鍵になり、持久力が低下することによる失速で負けることも多々あります。
逆に、速いスピードのまま終始泳ぎ切ることにより、スタートで差が開いていても逆転勝ちするケースも多いです。
タイムを競うスポーツにおいて、全身持久力は切っても切り離せない重要な要素の1つのため、水泳にとって「全身持久力」は必要な要素です。
瞬発力
瞬発力とは、瞬間的に大きな力を発揮する能力のことです。
筋肉の中には「速筋線維」「遅筋線維」と呼ばれる異なる2種類の筋線維があり、速筋線維を「白筋」、遅筋線維を「赤筋」と呼びます。
これは、酸素を蓄えるミオグロビンの量に関係していて、ミオグロビンの量が少ない「速筋線維」は白っぽい色になり「白筋」と呼ばれ、ミオグロビンとミトコンドリアの量が多い「遅筋線維」は全体的に赤みが強くなり「赤筋」と呼ばれるようになりました。
瞬発力は「速筋線維」との関わりが強いです。
水泳競技はスタート時やターンのキックなど、瞬発力が必要になりますが、それ以外の時でも、大きな力を発揮して水を連続でかく必要があるため、瞬発力が連続的に必要なスポーツとも言えます。
スタートやターンのキックで出遅れてしまうと、そのまま勝負が決まってしまう可能性も大いにあります。
体幹力
体幹部のトレーニングをすることで身体の軸が整い、パフォーマンスを向上させることが出来ます。
水泳はスピードが速くなるほど、水の抵抗力が大きくなります。
体幹力によって身体を安定させることにより身体の軸が安定し、その分水の抵抗力を受けにくくなります。
さらに体幹部の安定は四肢の連動にも繋がるため、スムーズに泳ぐことが出来、スピードアップにも繋がります。体幹力により身体の軸をしっかり保つことが水泳には必要不可欠な要素になります。
より速く泳ぐために必要なトレーニング方法とは?
先述した速く泳ぐ時に必要な身体の能力をトレーニングする方法をご紹介します。
全身持久力のトレーニング
ランニングなどの有酸素運動で持久力を向上させ、さらに心拍数を測定しながらトレーニングをすることで、適切に全身持久力を向上させることが出来ます。
瞬発力のトレーニング
瞬発力を向上する方法はプライオメトリックトレーニングが効果的です。
プライオメトリックトレーニングのエクササイズは、自重トレーニング・ボックスを使うものなど様々あります。
例を挙げると、アンクルホップやボックスジャンプと呼ばれるエクササイズなどがあり、これらを用いることで瞬発力が向上します。
身体の軸を作るトレーニング
身体の軸を作るために必要な体幹力を向上させるには、体幹部の筋力トレーニングが効果的です。
腹筋部ではドローインなどでインナーマッスルをトレーニングすることがおすすめです。
まとめ
今回は、速く泳ぐために必要な能力と、そのトレーニング方法をご紹介しました。
水泳には様々な種目があり、その種目の違いによって、必要な身体機能が違うため、トレーニングをする際は種目特性を理解する必要があります。
より速く泳ぎたいと思う方は今回ご紹介したトレーニングを定期的に行ってみてください。
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