硬式野球や軟式野球があるように、テニスにも硬式と軟式が存在します。
テニスのボールの違いを知っている場合でも、ルールや打ち方などの明確な違いは知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、テニスにおける硬式と軟式のおもな違いを5つご紹介します。
これからテニスを始めようと考えている人は参考にしてみてください。
硬式テニスと軟式テニスの違い
同じように見えるテニスでも、違いは多いものです。違いを理解してテニスを楽しみましょう。
使用するボール
大きな違いは、試合で使用するボールです。
硬式テニスでは、黄色の硬いボールを使用していますが、軟式テニスでは白色の柔らかいボールを使用していることがほとんどです。
ボールの違いによって、プレイスタイルも異なります。
<硬式ボールの特徴>
・ゴムの上にフェルトカバーが被せられている
・中に窒素ガスが充填されている
・重さは56g前後
・身体に当たると重みがある
・雨や風の影響を受けにくい
<軟式ボールの特徴>
・ゴム製の物が多い
・中に空気が入っている
・重さは30g前後
・身体に当たると手で叩かれたような感触がある
・雨や風の影響を受けやすい
ラケット
ボールの違いがあることから、使用するラケットも異なります。
硬式ラケットの方が重みがあり、軟式ラケットの方が軽めに作られています。
また軟式用のラケットで硬式のボールを打つと、ラケットが痛みやすいので注意しましょう。
<硬式ラケットの特徴>
・面が広めに作られている
・標準の重さは300g〜350g程度
・ガットの強度は40〜70
・振動止めは使用可能
・シャフト(面以外の持ち手の部分)が短い
<軟式ラケットの特徴>
・面が硬式よりも狭い
・標準の重さは200g〜250g程度
・ガットの強度は18〜35程度
・振動止めの使用不可(大会規定による)
・STA(ソフトテニス連盟)マークが付いている
・シャフトが長い
ルール
ルールに関する大きな違いはありません。
しかし、スコアの数え方は少し異なります。
硬式テニスでは、0ポイントのことを「0(ラブ)」。次のポイントからは「15(フィフティーン)」・「30(サーティ)」・「40(フォーティ)」と数えていきます。そして合計4ポイントを獲得すると、1ゲームを先取できます。
一方、軟式テニスでは、0・1・2・3・4のポイントをそのまま数えていきます。
数字を英語で「ワン」「ツー」「スリー」「フォー」と表現する場合もあります。1ゲームのポイント数は4ポイントなので、硬式テニスと変わりません。
得点が同じ「40対40」「3対3」の場合は、硬式と軟式のどちらも「Deuce(デュース)」と表すのが一般的です。
デュースの次のポイントは「アドバンテージ」となり、2ポイント連続で先取した方が1ゲームを獲得できます。
ネットの高さ
コートの大きさは同じですが、ネットの高さは異なります。
硬式テニスのネットの高さは91.41cmで、軟式テニスは106〜107cmです。
硬式テニスの方がややネットが低く作られています。
また硬式テニスはネットの中央部にベルトが着けられており、端から中央部に向かってやや低くなっています。
軟式テニスの場合はベルトを使用しないため、ネットの高さは水平です。
ネットの真ん中が下がっているのは、テニスの歴史にあります。
テニスが世に広まった当時は現代のようにネットを一直線にする技術がありませんでした。
そのため中央が下がったままテニスをしていたことから、当時の名残が残っているとされています。
打ち方
打ち方で大きく異なる点は、バックハンドです。
硬式テニスは両手を使い(片手で打つ人もいます)、フォアハンドとバックハンドでは、異なるラケットの面を使用します。
一方で軟式テニスは、フォアハンドでもバックハンドでも両方同じ面を使用するのが一般的です。
なかには、軟式テニスでも硬式と同じ両手バックハンドを使う人もいます。
また硬式と軟式では、ボレーの仕方も異なります。硬式では、ボールに回転をかけて、なるべく弾まないように落とします。
軟式はボールが軽く、地面に落ちても弾みにくいので、正面からボールの勢いを落とすようにしてボレーをします。
硬式テニスと軟式テニスどちらを選ぶべき?
硬式テニスにも軟式テニスにも、それぞれの魅力があります。硬式テニスであれば勢いのあるプレイを体験できます。
軟式であればボールに回転をかけて、相手を惑わすようなプレイもできるでしょう。
一方で全米オープンや全英オープンなどの世界的な大会は、ほとんどが硬式のテニスです。
軟式テニスは日本発祥のスポーツであることから、世界的な競技人口は硬式テニスの方が多い傾向にあります。
軟式テニスはボールやラケットが軽いので、年齢や性別を問わず楽しめます。
また球速も硬式テニスに比べると緩やかなので、腕や肩などの負担も少なめです。
生涯にわたってスポーツをしたい場合は、軟式テニスの方がプレイしやすいでしょう。
もし迷ったら、将来的にどちらで活躍したいかを軸に決めると、適切な選び方ができるでしょう。
まとめ
大きな違いは「ボール」「ラケット」「点数の数え方」「ネットの高さ」「バックハンドの打ち方」の5つです。
それぞれに魅力があり、趣味やスポーツとしても楽しめます。本記事を参考に違いを比べて、自分にあった競技を選択してみましょう。
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