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風速10mはどのくらいなのか?各種スポーツに与える影響も調査!

屋外のスポーツにつきものの問題が、風。
風が強い日にはほとんど試合にならないことを多くの人が経験しているのではないでしょうか。
今回は、風速10mの風に注目。
風速10mとはいったいどれくらいの風なのか。その強さの体感と、陸上、野球、ゴルフなど各種スポーツに与える影響を調査しました。

風速10mはどのくらい?

まずは風速10mがどれくらいの風なのか調査しました。

風速の体感

気象庁では気象用語として風の強さを定義しています。
風速10mとは吹いている風の10分間の平均値が毎秒10mの速さであること。
そして天気予報でよく聞く用語では、風速10m〜15mは「やや強い風」となり、人や物への影響は以下のように表現されています。

人への影響:風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。
屋外や樹木の様子:樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。
走行中の車への影響:高速運転中では横風に流される感覚を受ける。

ちなみに風速10mは換算すると時速36kmとなり、一般道路でゆっくり走っている自動車の上と同じですから、スポーツに影響があることは簡単に想像できるのではないでしょうか。

実際の風

ここで注意しなければならないのは、風速は10分間の風速の平均値だということです。
つまりずっと10mが続くわけではなく、かなり上下するということ。
10分間の平均である「風速」に対して、3秒間の風速の平均を「瞬間風速」と呼びますが、瞬間風速の最大値は風速の1.5倍~3倍になるとされています。
つまり風速10mといった場合、瞬間風速15m~30mになるということ。
風速30mだと時速108kmの車の上と同じで「走行中のトラックが横転する」レベルですから、とてもスポーツどころではないことが分かります。

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風速10mが各種スポーツに与える影響

「風速10mの日には瞬間風速30mになる可能性があるのでスポーツは不可能」と言ってしまっては話が進みません。
そこでここからは瞬間風速が10m以上にはならないと仮定します。
では風速10mはスポーツにどのような影響を与えるのでしょうか。
具体的に解説します。

陸上競技

陸上競技は種目によって風速10mへの対応が変わります。
ハンマー投げや砲丸投げなどの投てき競技は風速10mの場合、中止になることがほとんど。
それは投擲したものがどこに行くか分からず安全を確保できないからで、練習も中止となることが多くなります。
一方、他の多くの競技は10mの風で中止となることはあまりありません。
特に中・長距離の選手は強風時のレース運びや風よけの方法もあらかじめ想定し練習をしています。
一方、短距離走や走り幅跳び、三段跳びは追い風が2.1mを超えると「参考記録」となります。
では追い風でどれくらい記録が伸びるのかというと、男子100m走の場合でおおよそ以下のように試算されています。

風速2.1m:0秒168
風速10m:0秒448
風速20m:0秒896

ただし実際の選手に聞くと、「追い風が強くて足が合わない」と話す選手も多く、単純に記録が伸びるとも言えないようです。

ゴルフ

ゴルフは自然環境を相手にするスポーツ。
風速10mどころか嵐でもプレーする人はいます。
大会が中止となるのは、グリーン上のボールが勝手に転がったり、ティからボールが落ちてしまったりするなど、かなりひどい状態の時。風向が定まらないなど選手に不公平が出そうな場合も中止にすることはあります。
一方でゴルフ場は建物が少ないため街中より風は強く吹き抜けがち。
プレーする場合は、天気予報の風速よりも強い風に対してしっかり計算をする必要があります。
ではどのくらいの影響があるのか実験したところ、7番アイアン向かい風の場合、無風で約150ヤード飛ぶ人が、風速10mでは約114ヤードという結果に。
約36ヤードのマイナスになりました。
一方追い風の場合は7番アイアンでプラス約24ヤード
アゲインストの方が影響は大きく、フォローの方が影響は少ないという結果でした。
ちなみにピッチングウェッジでは向かい風約30ヤードのマイナス、追い風約23ヤードのプラスという結果。
クラブ選択の工夫がかなり必要となります。

スキージャンプ

風の影響が非常に大きいのはスキージャンプ。
若干の追い風を受ければ飛距離を伸ばせるとされていますが、強風ではコントロールを失い非常に危険な状況になります。
国際スキー連盟(FIS)が競技を行うとしている基準は風速3m未満
平昌オリンピックでは山頂に設置されたジャンプ台の最大風速が平均5mとなっていたため、急遽「風速10mを3m以下に低減できる」という防風ネットを設置して実施にこぎつけています。

野球

野球の風で有名なのは、甲子園の浜風
甲子園の浜風とは昼間に海から陸に向かって吹く海風のことです。
ナイターの時間には弱くなりますが、昼間は平均6〜9m10mを超えることもあります。
ライト方向に高く上がった打球が押し戻されたり、レフト方向に高く上がった打球が浜風に乗ってスタンドインしたりすることも。
高校野球ではとても大きな影響を及ぼします。
またさらに風が強いことで有名なのはZOZOマリンスタジアム
マリン風と呼ばれる風は風速10m前後になることもよくあり、ピッチャーの変化球が風で魔球になると言われています。
また高く上がったフライはどこに落ちるか分からないため、ランナーは落球を見越して全力疾走するそう。
ときにはフライを野手全員が見失ってしまうこともあります。

マリンスポーツ

風速10mのとき、マリンスポーツは原則的に中止になります。
風速10mだと海は白波が立ち、うねりが出る荒れた状態。
ヨットやボートは転覆する可能性が高くなります。
一方、サーフィンは風速10m以上の強風下で行うことも可能ですが、上級者でもコントロールが効かなくなることに。また沖に流される可能性もあって大変危険なため、状況によっては中止になることが少なくありません。

まとめ

他にもテニスではトスが流れて打てなくなる、マラソンで向かい風なら体が揺れてまともに走っていられなくなるなどの影響がある風速10m。
実際に平均風速が10mになるのは台風の前などであることがほとんどですから、多くの試合は中止になります。
特にアウトドアスポーツの際には、風速10mのときには瞬間最大風速はその3倍になることもあると覚えておき、十分に注意してください。

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好奇心旺盛で面白いこと大好き。アウトドアスポーツを中心に、陸上・水泳・テニス・武道など広〜く浅くなんでも挑戦してきたアクティブ派ライターです。

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